エッチ‐ディー‐シー‐ピー【HDCP】
HDCP
読み方:エイチディーシーピー
HDCPとは、Intelなどを中心として開発された、デジタル著作権管理技術(DRM)の一種である。デジタル方式の画像や映像コンテンツの出力信号を暗号化することによって不正コピーを防止する機能を持つ。
HDCPでは、画像や映像を再生するパソコンなどの機器からディスプレイなどの出力機器に信号を転送する際、転送される信号に暗号化が施されている。このことにより、単純に転送信号を盗聴するだけでは内容を盗むことができないようになっている。
なお、2006年6月現在の最新バージョンは2003年に発表されたHDCP1.1である。
参照リンク
HDCP specification - (PDF形式)
HDCP(High-bandwidth Digital Content Protection)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 02:25 UTC 版)
「コピーガード」の記事における「HDCP(High-bandwidth Digital Content Protection)」の解説
HDTVに対応したデジタルAV機器のなかには、HDMI(High Definition Multimedia Interface)端子が搭載されているものが存在する。このHDMIは元々パソコンとディスプレイを接続するための標準規格として広く採用されたDVI(Digital Visual Interface)がベースとなっており、広帯域のデジタル信号を伝送する事が可能で、伝送速度も十分に余裕を持っており、HDTVを支える重要な規格と位置づけられた。 それまでにもHD信号の伝送用としてD端子があったが、伝送できるのは映像信号のみで音声については別途ケーブルが必要だった。それに対し、HDMIなら1本のケーブルで映像信号・音声信号・コントロール信号が伝送できる点がメーカー各社の商品開発において評価された。HDMIは2004年5月にはVer.1.1となり、DVDオーディオの伝送も可能になり、更に2005年8月には、SACDの伝送が可能なVer.1.2となった。 しかし、著作権保護の観点から鮮明な情報をデジタル信号のまま伝送できることが問題とされた。そこで、HDCP(High-bandwidth Digital Content Protection)という方法が採用された。HDCPは、映像再生機器からディスプレイなどの表示機器にデジタル信号 を送受信する経路を暗号化し、コンテンツが不正にコピーされるのを防止する著作権保護技術(コピーガード)のひとつである。しかし、2010年9月にマスターキーが漏洩しており、暗号化自体も非常に弱いものであるため、研究者らはHDCPにもはや効力はなく崩壊していると警告している。そのため、4kTV対応機種で必須となるHDCP ver.2.2に規格がアップデートするまでの過程で、キーの更新やセキュリティの強化が図られている。しかし、2015年8月現在、未だHDCP 2.2は普及していない (例えば、最新ゲーム機であるPS4やXbox Oneは、どちらもこれをサポートしていない)。 HDCPは、各社のDVIやHDMIなどのデジタルインターフェースの暗号化に用いられているものの、D端子といったコンポーネント映像やS端子等のコンポジット映像から出力されるアナログ信号では、デジタル信号のような暗号化は原理的に不可能であり、また、コピーガードを加えたとしても除去が容易であると推測され、アナログ端子からの出力で作品の海賊版などが作られると懸念された。そこで、BDやHD DVDでは、AACSという新しい規格で、HD信号の出力を制限した。これにより、HD画質の映像をアナログ出力できる機器の製造と新規販売が全面禁止された。 ところが1990年代までに発売されたアナログハイビジョンテレビや、旧式のビデオプロジェクターなどにはHDMI端子が搭載されていないため、これらの機器ではHDTV対応であるにもかかわらずHDの高精細な映像では楽しめない事になってしまう。このため、旧来のAVファンから反発の声が上がった。そこで、対象機器が一般的に5〜6年程度で、新しい機能などを求めて新機種に買い替えられるなど、消費者の動向を根拠として、AACSではHD画質でのアナログ出力規制を段階的に実施することとした。まず2011年からアナログ出力はSD画質のみに限定され(2012年からは規格制定前の製品の継続販売も対象)、そして2014年からは、既存製品の中古品を除き、アナログ出力端子が設置された機器の製造/販売が全面禁止になる。 なお、映像の視聴が目的であってもHDCPに対応していないHDMI(またはDVI-D)入力端子付テレビやモニターでは映像が映らない事から、消費者や一部のクリエイターの中には、HDCPの位置づけは「アクセス制御技術」ではないかという見方もあったが、日本では2012年の著作権法改正で、暗号化を伴う技術的保護手段として、これを回避しての複製が私的複製の対象外として違法行為に当たるということが明文化された。
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