HDCPとは? わかりやすく解説

HDCP(High-bandwidth Digital Content Protection)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 02:25 UTC 版)

コピーガード」の記事における「HDCP(High-bandwidth Digital Content Protection)」の解説

HDTV対応したデジタルAV機器なかにはHDMI(High Definition Multimedia Interface)端子搭載されているものが存在する。このHDMIは元々パソコンディスプレイ接続するための標準規格として広く採用されDVI(Digital Visual Interface)がベースとなっており、広帯域デジタル信号伝送する事が可能で、伝送速度十分に余裕持っており、HDTV支え重要な規格位置づけられた。 それまでにもHD信号伝送用としてD端子があったが、伝送できるのは映像信号のみで音声について別途ケーブル必要だった。それに対しHDMIなら1本のケーブル映像信号音声信号コントロール信号伝送できる点がメーカー各社商品開発において評価された。HDMI2004年5月にはVer.1.1となり、DVDオーディオ伝送可能になり、更に2005年8月には、SACD伝送可能なVer.1.2となった。 しかし、著作権保護観点から鮮明な情報デジタル信号のまま伝送できることが問題とされた。そこで、HDCP(High-bandwidth Digital Content Protection)という方法採用された。HDCPは、映像再生機器からディスプレイなどの表示機器デジタル信号送受信する経路暗号化し、コンテンツ不正にコピーされるのを防止する著作権保護技術(コピーガード)のひとつである。しかし、2010年9月マスターキー漏洩しており、暗号化自体も非常に弱いものであるため、研究者らはHDCPにもはや効力はなく崩壊していると警告している。そのため、4kTV対応機種必須となるHDCP ver.2.2に規格アップデートするまでの過程で、キー更新セキュリティの強化図られている。しかし、2015年8月現在未だHDCP 2.2普及していない (例えば、最新ゲーム機であるPS4やXbox Oneは、どちらもこれをサポートしていない)。 HDCPは、各社DVIHDMIなどのデジタルインターフェース暗号化用いられているものの、D端子といったコンポーネント映像S端子等のコンポジット映像から出力されるアナログ信号では、デジタル信号のような暗号化原理的に不可能であり、また、コピーガード加えたとしても除去が容易であると推測されアナログ端子からの出力作品海賊版などが作られる懸念された。そこで、BDHD DVDでは、AACSという新し規格で、HD信号出力制限した。これにより、HD画質映像アナログ出力できる機器の製造新規販売全面禁止された。 ところが1990年代まで発売されたアナログハイビジョンテレビや、旧式ビデオプロジェクターなどにはHDMI端子搭載されていないため、これらの機器ではHDTV対応であるにもかかわらずHD高精細映像では楽しめない事になってしまう。このため旧来のAVファンから反発の声が上がった。そこで、対象機器一般的に5〜6年程度で、新し機能など求めて新機種に買い替えられるなど、消費者動向根拠として、AACSではHD画質でのアナログ出力規制段階的に実施することとした。まず2011年からアナログ出力SD画質のみに限定され(2012年から規格制定前の製品継続販売対象)、そして2014年からは、既存製品中古品除きアナログ出力端子設置され機器の製造/販売全面禁止になる。 なお、映像視聴目的であってもHDCPに対応していないHDMI(またはDVI-D)入力端子テレビモニターでは映像が映らない事から、消費者や一部のクリエイター中には、HDCPの位置づけは「アクセス制御技術ではないかという見方もあったが、日本では2012年著作権法改正で、暗号化を伴う技術的保護手段として、これを回避して複製私的複製対象外として違法行為に当たるということ明文化された。

※この「HDCP(High-bandwidth Digital Content Protection)」の解説は、「コピーガード」の解説の一部です。
「HDCP(High-bandwidth Digital Content Protection)」を含む「コピーガード」の記事については、「コピーガード」の概要を参照ください。

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