【F-5】(えふご)
- Lockheed F-5 Lightning
P-38戦闘機の偵察機型。
サン=テグジュペリ最期の乗機として知られる。
- Northrop F-5 "FreedomFighter" / F-5E・F "Tiger2" / RF-5E "Tigereye"
T-38を原型に、途上国向けの機体として開発された戦闘機。
機首にレーダーやM39 20mmリボルバーカノンを2門装備し、翼端や翼下・胴体下にハードポイントも追加された。
運動性が高いうえ爆弾などで武装することもでき、簡易的な戦闘攻撃機として位置づけられた。
アメリカ国防総省の提唱した軍事援助プログラムによって、韓国や台湾など、共産国と対峙する多くの国へ輸出された。
また、カナダのカナデア社ではライセンス生産も行われた。
ベトナム戦争が激化し正規の戦闘機を消耗させたアメリカ空軍は、その数を補うため安価なF-5に着目した。
F-5Aのアビオニクスを強化し、空中給油受油プローブを追加するなどの小改良を施したF-5C、通称「スコシタイガー」が少数生産され、試験的に実戦投入された。
またベトナム戦争中に南ベトナム軍へ供与されたA/B型の空中戦をノースロップが分析した結果、機動性を向上させたF-5E「タイガー2」を開発した。
具体的には、強力なエンジンへの変更とそれにともなう胴体構造の強化、主翼面積の増大やストレーキの追加、そして小型機ながら火器管制装置を装備するなどの強化がなされている。
F-5Eはその大きさや運動性がMiG-21に似ているといわれ、そのことからレッドフラッグやトップガンなどのアグレッサーとして用いられたことでも知られる。
一部の機体は「シャークノーズ」と呼ばれる空力特性に優れた平型の機首を採用しており、これはF-20に活かされた。
スペックデータ
乗員 | 1名(F-5A/E) 2名(F-5F) |
全長 | 14.38m(F-5A) 14.69m (F-5E) |
全高 | 4.01m(F-5A) 4.02m(F-5E) |
全幅 | 7.87m(翼端増槽含む)/7.70m(増槽除く)(F-5A) 8.13m(主翼端AAM含まず)/8.53m(AAM含む)(F-5E) |
主翼面積 | 15.8㎡(F-5A) 17.3㎡(F-5E) |
空虚重量 | 3,667kg(F-5A) 4,392kg(F-5E) |
最大離陸重量 | 9,379kg(F-5A) 11,193kg(F-5E) |
最大兵装搭載量 | 2,810kg(F-5A) 3,175kg(F-5E) |
エンジン | GE J85-GE-13ターボジェット(推力12.10kN/18.15kN(A/B使用時))×2基(F-5A) GE J85-GE-21Aターボジェット(推力15.6kN/22.2kN(A/B使用時))×2基(F-5E) |
速度 (最大/巡航) | 802kt/556kt(F-5A) マッハ1.6/450kt(F-5E) |
海面上昇率 | 8,748m/min(F-5A) 10,500m/min(F-5E) |
実用上昇限度 | 15,390m(F-5A) 15,590m(F-5E) |
フェリー航続距離 | 1,400nm(F-5A) 1,270nm(F-5E) |
戦闘行動半径 | 485nm(Hi-Lo-Hi)(F-5A) 570nm(Hi-Hi-Hi、制空ミッション)/120nm(Lo-Lo-Lo、攻撃ミッション)(F-5E) |
固定武装 | ポンティアック M39 20mmリボルバーカノン×2門(F-5A) M39A2 20mmリボルバーカノン×2門(F-5E) |
兵装 | AIM-9、AGM-65、Mk.82/84無誘導爆弾、CBU-24/49/52/58クラスター爆弾、ロケット弾ポッド、 増槽等 |
バリエーション
- F-5A「フリーダムファイター」:
単座戦闘機型の初期型。
- F-5B:
F-5Aから機関砲を外し、複座化した練習機型。
T-38の機首を流用している。
- F-5C「スコシタイガー」:
空中給油能力や装甲の追加などが施された型。
ベトナム戦争での実戦テストに供された。
- F-5D:
C型の練習機型。
- F-5E「タイガーII」:
A型のエンジンなどを強化したタイプ。エンジンはGE J85-21を搭載。
- RF-5E「タイガーアイ」:
F-5Eのレーダーと機関砲を取り外し式にし、偵察用カメラへ交換できるようにした偵察機型。
- RF-5S:
RF-5Eのシンガポール空軍での近代化改修型。
- F-5EM:
E型のブラジル空軍での近代化改修型。
アビオニクス類や航法装置、コクピットが近代化された。
レーダーはF-5S/Tと同じく「グリフォF」を搭載する。
- F-5S:
E型のシンガポール空軍での近代化改修型。
右側の機関砲を撤去してレーダーを「グリフォF」多モードレーダーに換装し、AMRAAMおよびパイソン空対空ミサイルの運用能力を付加した。
また、HUD、多機能ディスプレイ、HOTAS概念、慣性航法装置などが導入された他、機動性強化のため主翼のストレーキも拡大されている。
- F-5T ティグリス:
イスラエルの協力で改修された、E型のタイ空軍での近代化改修型。
レーダーはタイガーIIIと同じEL/M-2032に換装されたが、視程外戦闘能力は付加されていない。
- RF-5E「タイガーアイ」:
- F-5F:
F-5Eの武装を残し、複座化した練習戦闘機型。
- F-5N:
スイスで余剰となったF-5Eが米海軍でアグレッサーとして再就役した際の呼称。
- F-5G:
後のF-20。詳しくはF-20の項を参照。
- X-29:
グラマン社がF-5他の部品より製造した前進翼実験機。詳しくは項を参照。
- F-5A(G)/B(G):
ノルウェー軍仕様。
寒冷地での運用のため、JATOやアレスティングフック、キャノピーの除氷装置を追加している。
- CF-5A(CF-116A):
カナデア社がライセンス生産したカナダ軍仕様。
A型を少し改良し、J95-15エンジンを搭載する。
- CF-5B(CF-116B):
カナダ軍仕様でB型を少し改良、カナデア社でライセンス生産された型。
- NF-5B:
CF-5Bの輸出仕様。
- NF-5B:
- CF-5D(CF-116D):
カナダ軍仕様でD型を少し改良、カナデア社が生産した。
- SF-5A:
A型のスペイン軍仕様。(ノックダウン生産)
- SF-5B:
B型のスペイン軍仕様。(ノックダウン生産)
- SRF-5A:
スペイン軍仕様でA型に偵察能力を追加、CAS社が生産した。
- タイガーIII:
イスラエルの協力によって改修された、E/F型のチリ空軍での近代化改修型。
レーダーはラビ用に開発されたものを改良したEL/M-2032に換装し、イスラエル製の偵察ポッドやパイソン、ダービーの運用が可能。
HUD、多機能ディスプレイ、HOTAS概念などが導入された点はF-5S/Tと同様。
- タイガーIV:
ノースロップ社が独自に開発したF-5Eの近代化改修デモンストレーター。
HUD、多機能ディスプレイ、HOTAS概念などが導入された点はF-5S/Tと同様だが、右側の機関砲を撤去してレーダーをF-16 MLUと同じAN/APG-66(V)に換装し、機体構造を強化している。
- アザラフシュ:
イランのHESAがF-5をベースに開発した戦闘機。
基本的な構造はF-5Eのままだが、全体的に10%~15%大型化されている。
レーダーはN-019「トパーズ」の発展型を搭載しているという。
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