Blu-ray Disc対HD DVD
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/09 09:06 UTC 版)
「Blu-ray Disc」の記事における「Blu-ray Disc対HD DVD」の解説
「第3世代光ディスク#規格争い」も参照 この第3世代光ディスクにおけるBlu-ray DiscとHD DVDの規格争いは「次世代DVD戦争」と呼ばれた。 次世代DVD戦争にはBlu-ray DiscとHD DVDが名乗りを上げた。2005年前半には規格統一の動きもあったが同年夏には統一断念となり、結果として2陣営が混在する形となった。 両陣営ともに満を持して世に送り出した規格であるが、日本のソフトメーカーは当初は新規格となる第3世代光ディスク(当時の「次世代DVD」)には消極的で、消費者もこうした規格対立や対応機器の高価さなどを理由に、買い控えの傾向にあった。先行き不透明な状況から、両規格に対応した機器としてパソコン用ドライブが発売されるなど、明確な決着がつくまでには相当な時間がかかることが予想されていた。 実際、一時期は両規格をめぐってハリウッドのエンターテインメント業界も2つに割れ、拮抗状態にあった。 ※以下、カッコ内は姉妹会社・傘下企業などの関連会社。 Blu-ray支持派20世紀フォックス(フォックス放送、FX局) ディズニー(ABC、ESPN、ディメンション・フィルムズ、ミラマックス、タッチストーン・ピクチャーズ、ブエナビスタ) ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメント(ソニー・コンピュータエンタテインメントのPlayStation 3とPlayStation 4が対応) など。 HD DVD支持派パラマウント映画(ドリームワークス、CBS、UPN、ブロックバスター・ビデオ) ワーナー・ブラザース(ニュー・ライン・シネマ、The WB) ユニバーサル・ピクチャーズ(NBC、USAネットワーク) マイクロソフト など。 ちなみに、パラマウント系やユニバーサル系の作品が多いスティーヴン・スピルバーグは、規格争いの形勢が明確になるまで慎重な姿勢を保ち、HD DVD規格では一切、映像ソフトを出さなかった。 一方で、パラマウントは、HD DVD規格を後押しするために『宇宙大作戦』(『スタートレック』シリーズ第1作)をデジタル処理で刷新し、既存のDVDとHD DVDの両規格に対応したハイブリッドBoxセットを発売した。なお、HD DVD規格は敗退したが、既存のDVD規格は2011年現在も使用されているため、再生が可能である。 このように新規格が完全に普及しない状況でありながら、以下の理由により徐々にBD陣営に優勢に傾いていった。 BDのほうが容量が多いこと。BDの最大50GBに対し、HD DVDは最大30GBであった。 日本家電メーカーの大半がBD陣営に付き、HD DVD陣営は東芝と三洋電機、NECのみであること。 BDの方がコピーガード機能が優れていたこと。これによりソフト供給側でBD支持が増えた。 BD参入をするHD DVD陣営のメーカーが増える一方、HD DVD参入をするBD陣営のメーカーは前者より少なかったこと。特にBD単独支持からHD DVD単独支持に転換したメーカーはなかった。 ゲーム機PlayStation 3にBDが搭載されたこと。DVD普及に貢献したPlayStation 2を彷彿とさせた。 書き込み可能型HD DVDの規格策定や製品化が遅れたこと。HD DVD陣営であったNECですら、BDドライブ搭載PCを販売していた。 大手レンタル会社のNetflix、ブロックバスターや、大手販売店のベスト・バイ、ウォルマート、サーキット・シティーなどが次々とBD支持に傾いたこと。 そして米国時間2008年1月4日、ワーナー・ブラザースが「Blu-ray Disc単独支持」への路線変更を行い、2007年8月20日からHD DVD単独表明をしていたパラマウント・ピクチャーズも単独表明の際の契約条項による「ワーナー・ブラザースが選択したフォーマットを追従できる権利」を行使するかどうかの決断を行っていた。 日本時間2008年2月19日、東芝がHD DVDの「事業終息」(事実上の撤退)を表明し、ハリウッド業界で最後までHD DVD陣営に残っていたパラマウント映画も現地時間2月28日にHD DVDの生産を停止。Blu-ray Disc対HD DVDの6年の次世代ビデオ戦争はBlu-rayに統一される形で終了した。東芝は撤退後もBDには参入しないと表明していたが、結局2009年9月4日に参入を発表し、以後BD製品を発売するに至った。 なお2009年には中国が中心となって新たに従来の赤色レーザーを使う「Red-ray Disc」を開発していることが報道された。
※この「Blu-ray Disc対HD DVD」の解説は、「Blu-ray Disc」の解説の一部です。
「Blu-ray Disc対HD DVD」を含む「Blu-ray Disc」の記事については、「Blu-ray Disc」の概要を参照ください。
Blu-ray Disc対HD DVD
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/13 16:51 UTC 版)
「ビデオ戦争」の記事における「Blu-ray Disc対HD DVD」の解説
詳細は「第3世代光ディスク#規格争い」を参照 第3世代光ディスクにおけるBlu-ray DiscとHD DVDの規格争いは「次世代DVD戦争」と呼ばれた。ここでの「次世代DVD」とはHD DVDの事をしめすことばではなく、それを含めた単にDVDの次のメディアを漠然と示す言葉である。かつてのVHSとベータマックスの「ビデオ戦争」に準えて「次世代ビデオ戦争」[要出典]とも呼ばれていた。 新規格にはBlu-ray Disc(BD)とHD DVDが名乗りを上げた。2005年前半には規格統一の動きもあったが、記録層の薄さ(0.1mm)や両陣営の光ディスクに対するビジネススタンスの違いから同年夏には統一断念となり、結果として2陣営が混在する形となった。 両陣営ともに満を持して世に送り出した規格であるが、日本のソフトメーカーは当初は新規格には消極的で、消費者もこうした規格対立・新規格機器の高価さ・動画共有サイトなどの台頭などを理由に、買い控えの傾向にあった。先行き不透明な状況から、両規格に対応した機器としてパソコン用ドライブが発売されるなど、明確な決着が付くまでには相当な時間がかかることが予想されていた。しかし新規格が完全に普及しない状況でありながら、以下の理由により徐々にBD陣営に優勢に傾いてきた。 技術的理由BDの方が容量が多いこと。BDの最大50GBに対し、HD DVDは最大30GBであった。 BDの方がコピーガード機能が優れていたこと。これによりソフト供給側でBD支持が増えた。 書き込み可能型HD DVDの規格策定や製品化が遅れたこと。この結果、NECなど一部のHD DVD陣営メーカーがBD製品も販売する事態が起こった。 デッキの製造・販売に関する動きによるもの日本家電メーカーの大半がBD陣営に付いたこと。それまで敵対していたパナソニックとソニーがいずれもブルーレイ陣営であったことは特記に値し、HD DVD陣営は東芝と三洋電機とNECのみであった。 BD参入をするHD DVD陣営のメーカーが増える一方、HD DVD参入をするBD陣営のメーカーは前者より少なかったこと。特にBD単独支持からHD DVD単独支持に転換したメーカーはなかった。 ゲーム機のPlayStation 3にBDドライブが標準搭載されたこと。DVD普及に貢献したPlayStation 2を彷彿とさせた。 HD DVD陣営が過剰な低価格路線を図ったこと。この結果、中華人民共和国など海外メーカーの尻込みや、HD DVDソフトの売れ行き不振露呈を生み、後述のワーナー離反・HDDVD終息へつながることとなる。 小売店がBD支持に傾いた。アメリカ合衆国最大手のレンタルビデオチェーンであるブロックバスターが、BD支持を打ち出したこと。 アメリカ合衆国の販売最大手ウォルマートが、BDプレイヤーのみを販売したこと。 そして米国時間2008年1月4日、ワーナー・ブラザースが「Blu-ray Disc単独支持」への路線変更を行い、2007年8月20日からHD DVD単独表明をしていたパラマウント・ピクチャーズも単独表明の際の契約条項による「ワーナー・ブラザースが選択したフォーマットを追従できる権利」を行使するかどうかの決断を行っていた。 日本時間2008年2月19日において、東芝がHD DVDの「事業終息」(事実上の撤退)を表明し、Blu-ray Disc対HD DVDの6年の次世代ビデオ戦争はBlu-rayで統一される形で終了した。東芝は撤退後もBDには参入しないと表明していたが、2009年9月4日に参入を発表し、BD陣営の軍門に下った。 なお2009年には、新たな第3世代光ディスクにおける独自規格として、中国が中心となって新たに従来の赤色レーザーを使う「Red-ray Disc」を発表した。しかし2014年現在まで、進展は見られない。同じく中国では「CH-DVD」も開発されている。
※この「Blu-ray Disc対HD DVD」の解説は、「ビデオ戦争」の解説の一部です。
「Blu-ray Disc対HD DVD」を含む「ビデオ戦争」の記事については、「ビデオ戦争」の概要を参照ください。
- Blu-ray Disc対HD DVDのページへのリンク