8艦6機体制の策定(3〜4次防)
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「護衛艦隊」の記事における「8艦6機体制の策定(3〜4次防)」の解説
DDH「しらね」 DDG「あさかぜ」 第3次防衛力整備計画(1967年(昭和42年)〜1971年(昭和46年)度)において、船団の直衛に必要な護衛艦隻数を8隻、効果的な対潜攻撃を実施するために展開する必要のあるヘリコプターの機数を4機、この4機を常時展開可能な状態におくために必要な機数を6機と見積もり、これが基本的な考え方となった。1971年(昭和46年)2月に、第4護衛隊群(横須賀)が創設され、外航・内航の各2個護衛隊群による計4個護衛隊群の体制が確立された。 編成(1971年(昭和46年)2月1日) 護衛艦隊旗艦(横須賀) - DD-161 あきづき 第1護衛隊群(横須賀)群直轄艦(横須賀)- DDG-163 あまつかぜ 第8護衛隊(横須賀)- DD-104 いそなみ, DD-106 しきなみ 第22護衛隊(呉)- DD-116 みねぐも, DD-117 なつぐも, DD-118 むらくも 第2護衛隊群(佐世保)群直轄艦(佐世保)- DD-164 たかつき 第1護衛隊(呉) - DD-165 きくづき, DD-166 もちづき 第21護衛隊(佐世保)- DD-113 やまぐも, DD-114 まきぐも, DD-115 あさぐも 第3護衛隊群(舞鶴)群直轄艦(舞鶴)- DD-167 ながつき 第10護衛隊(舞鶴) - DD-107 むらさめ, DD-108 ゆうだち, DD-109 はるさめ 第12護衛隊(佐世保)- DD-101 はるかぜ, DD-102 ゆきかぜ 第4護衛隊群(横須賀)群直轄艦(横須賀)- DD-162 てるづき 第9護衛隊(横須賀)- DD-103 あやなみ, DD-105 うらなみ 第11護衛隊(呉)- DD-110 たかなみ, DD-111 おおなみ, DD-112 まきなみ 第4次防衛力整備計画(1972年(昭和47年)〜1977年(昭和52年)度)においては、オペレーションズ・リサーチの手法によって、計画はさらに具体化された。この結果、護衛艦は8隻が必要であることは間違いないが、仮に直衛線の突破を許して船団が攻撃されたとき、護衛艦単独では、原子力推進の潜水艦を再捕捉することは困難であることが判明した。このとき、ディッピングソナーを装備したヘリコプター4機を同時投入できれば、3機がソナーにより敵潜水艦を追跡し、追い詰めたうえで、1機が魚雷攻撃によってこれを撃破できることから、極めて高い有効性を期待できることが導き出された。さらに、この時点で長距離の対潜兵装として運用されていた無人対潜ヘリコプターよりもさらに遠距離での攻撃が可能であり、船団への攻撃以前に敵潜を捕捉・撃破できる公算も向上することが確認された。 一方、船団に対する経空脅威に対処するため、縦深を持った対空火網の構築も模索された。艦対空ミサイルとしては、当時唯一のミサイル護衛艦(DDG)であった「あまつかぜ」(35DDG)に続いてターター・システムが適当であると判断された。また、ターターを補助して長射程の防空射撃を行なうために高性能のMk.42 54口径5インチ単装速射砲が必要と考えられたが、予算などの問題から全艦への装備は困難と考えられた。 これらの検討を経て、護衛隊群を戦術単位とし、その編成はHSS-2対潜ヘリコプター3機搭載のヘリコプター護衛艦(DDH)2隻、ターター・システム搭載のミサイル護衛艦(DDG)1隻、対空/多目的護衛艦(DDA)1隻、そしてこれらを補佐する対潜護衛艦(DDK)4隻による8艦6機体制とする構想が策定された。DDH、DDG、DDAは54口径5インチ単装速射砲によって艦隊防空を行なうが、DDKについては50口径3インチ連装速射砲による個艦防空能力を有するに留まることとなっていた。このコンセプトに基づき整備されたのが、はるな型(43DDH)、たちかぜ型(46DDG)、たかつき型(38DDA)、やまぐも型(37DDK)およびみねぐも型(40DDK)であり、4次防中のしらね型(50DDH)の就役により、1981年(昭和56年)までに、外航の第1・2護衛隊群は8艦6機体制を実現したが、内航の第3・4護衛隊群は、実現の目処も立っていない状態であった。また4次防の計画段階においては、これらの航空運用能力と艦隊防空ミサイル運用能力を1隻で充足しうる艦として8700トン級DLHの構想もあったが、これは見送られている。 編成(1981年(昭和56年)3月27日) 護衛艦隊旗艦(横須賀) - DD-161 あきづき 第1護衛隊群(横須賀)群直轄艦(横須賀)- DD-164 たかつき 第22護衛隊(呉)- DD-116 みねぐも, DD-117 なつぐも, DD-118 むらくも 第51護衛隊(横須賀)- DDH-142 ひえい, DDH-143 しらね 第61護衛隊(横須賀)- DDG-163 あまつかぜ, DDG-169 あさかぜ 第2護衛隊群(佐世保)群直轄艦(佐世保)- DDG-168 たちかぜ 第1護衛隊(呉)- DD-165 きくづき, DD-166 もちづき 第23護衛隊(佐世保)- DD-115 あさぐも, DD-119 あおくも, DD-120 あきぐも 第52護衛隊(佐世保)- DDH-141 はるな, DDH-144 くらま 第3護衛隊群(舞鶴)群直轄艦(舞鶴)- DD-167 ながつき 第10護衛隊(舞鶴)- DD-107 むらさめ, DD-108 ゆうだち, DD-109 はるさめ 第21護衛隊(佐世保)- DD-113 やまぐも, DD-114 まきぐも, DD-121 ゆうぐも 第4護衛隊群(横須賀)群直轄艦(横須賀)- DD-162 てるづき 第9護衛隊(横須賀)- DD-103 あやなみ, DD-105 うらなみ 第35護衛隊(大湊)- DE-218 とかち, DE-220 ちとせ, DE-225 のしろ
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