21世紀:現代ロシア音楽とは? わかりやすく解説

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21世紀:現代ロシア音楽

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/15 19:57 UTC 版)

ロシアの音楽」の記事における「21世紀:現代ロシア音楽」の解説

「w:Russian pop」および「w:Russian rock」も参照 今日ロシアポップ・ミュージック順調に発展しMTVロシアやMuz-TV、ラジオ局などのポップ・ミュージック・メディアを通じてメインストリームとして成功謳歌している。数々のポップ・アーティストが近年になって頭角現し始めたロシア2人組グループt.A.T.uは、今日における最も成功したロシアン・ポップバンドである。他に人気のあるアーティストとしては、ユーロビジョン・ソング・コンテスト2008優勝したことで知られるジーマ・ビラーン始めフィリップ・キルコロフヴィタスアルスーらが有名である。音楽プロデューサーのイゴール・クルトイ、マキシム・ファデーフ、イワン・シャポヴァーロフ、イゴール・マトヴィエンコ、コンスタンティン・メラゼらは、ロシアポップ・ミュージック市場大部分シェア支配しており、ある点でソヴィエト時代スタイルによるアーティスト・マネジメント続けている。他方、ネオクラバーなど一部インディペンデント系のグループは、このような時代遅れソビエト式の音楽プロモーション避けるために、より新時代的なプロモーション手段駆使して活動行っている。 ロック音楽シーンは、欧米にも見られたように単一ロック潮流からいくつもサブジャンルへの細分化されながら進化していった。ポップ・ロックオルタナティブ・ロックジャンルでは、ムミー・トローリ、ゼンフィーラ、スプリーン、Bi-2、ズヴェリらが代表的である。また、パンク・ロックスカグランジジャンルでは、Korol i ShutPilotレニングラードDistemperエリシウムらが代表的である。ヘヴィ・メタルシーン成長目覚しくカタルシス、エピデミア、シャドウホスト、メカニカル・ポエットなどといったパワー・メタルプログレッシブ・メタル音楽グループ次々と登場している。 ロック・ミュージックメディアは、現代ロシア時代入り普及した。最も著名なメディアとして、クラシック・ロックポップ・パンク推進する「ナッシュ・ラジオ」がある。この放送局運営するChart Dozen』 (Чартова дюжина) は、ロシア主要なロック・チャートとして知られ同じくナッシュ・ラジオが運営する『Nashestvie』は毎年10万人が訪れロック・フェスティバルであり、「ロシアウッドストック」の愛称知られる他のメディアとしては、オルタナティブ・ロックハードコア専門に扱うテレビ放送局A-One」がある。A-Oneは、アマトリー、トラクター・ボウリング、スロットといったバンドプロモーション手掛けており、これら多くに「ロシア・オルタナティブ音楽賞」を授与している。その他の放送局に、ロシア西洋現代ポップロック放送する「ラジオ・マキシマム」がある。 その他の音楽スタイルでは、フォーク・ロック代表的アーティストに、Melnitsa)、トリップ・ホップリンダ)、レゲエ(ジャー・ディヴィジョン)がある。ヒップホップラップでは、バッドバランス、Kasta、Ligalize、Mnogotochieらが有名である。ラップコアと呼ばれる実験的な音楽シーンも、ドルフィン、Kirpichiを先導出現している。 ロシア独特の音楽ジャンル生まれた犯罪者の歌、バルドロマンス音楽混合させた「ロシアン・シャンソン」と呼ばれるジャンルであり、この新し音楽プロモーションを主に手がけたのがラジオ・シャンソンだったことからこの名で呼ばれる。ロシアン・シャンソンの主要アーティストに、Mikhail Krug、Mikhail Shufutinsky、アレクサンダー・ローゼンバウムらがいる。日常的な生活と社会についての歌詞有し、しばしば犯罪地下社会ロマンティックなものとして扱うロシアン・シャンソンは、下流社会階級成人男性中心に人気呼んでいる。 音楽産業隆盛する現代ロシアであるが、電子音楽に関しては、他のジャンル比べて発展遅れている。これは主にプロモーション欠如起因するのである一部インディペンデントアンダーグラウンドな場では、IDM、ダウンテンポ、ハウストランス、ダーク・サイトランス(トラッカー・ミュージックを含む)などを演奏したり、インターネット・ラジオ通じて自分達の音楽放送するといった活動が行われている。このようなアーティストの例としては、パラセンス、ファンガス・ファンク、キンザザ、レスニコフ-16、Yolochnye、Messer Für Frau Müllerらがいる。中には数少ないもののメインストリーム・メディアへの進出成功したアーティスト存在しソビエト時代映画サウンドトラックをダンス・リミックスに取り込んだことで知られるPPK代表的である。 今日ロシアにおけるクラシック音楽コンサートホール音楽は、ロシア国内における商業的ポピュラー音楽台頭や、ソビエト連邦崩壊後にそれらのプロモーション担い手がいなくなったことなどを原因として、影に隠れてしまっているのが現状である。しかし数多く作曲家1950年代以降生まれいくらかインパクト社会与えている。著名な例にレオニード・デシャトニコフがおり、彼はボリショイ劇場委嘱した新作オペラ(『ローゼンタールの子どもたち』)を作曲した数十年で初めての作曲家であり、彼の音楽ギドン・クレーメルやロマン・ミンツといった音楽家擁護されている。また、グバイドゥーリナは、引き続き作曲活動によりロシア国外では高い評価を受け続けており、近年ではヴァイオリニストアンネ=ゾフィー・ムター献呈した『今この時の中で』(2007年)を作曲した2000年代前半ロシアではミュージカル流行した当時、『ノートルダム・ド・パリ』、『ノルドオスト』、『ロミオとジュリエット』、『ウィ・ウィル・ロック・ユー』はモスクワ市内の劇場繰り返し上演された。しかし、この流行2002年モスクワ劇場占拠事件によって終焉してしまう。ロシアミュージカル人気が再び訪れたのは、2000年代終盤になってからだった。

※この「21世紀:現代ロシア音楽」の解説は、「ロシアの音楽」の解説の一部です。
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