はくちょう‐の‐うた〔ハクテウ‐〕【白鳥の歌】
リスト:白鳥の歌(シューベルト)
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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リスト:白鳥の歌(シューベルト) | Schwanengesang S.560 R.245 | 作曲年: 1838-39年 |
楽章・曲名 | 演奏時間 | 譜例![]() |
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1 | 町 Die Stadt | No Data | No Image |
2 | 漁師の娘 Das Fischermädchen | No Data | No Image |
3 | 我が宿 Aufenthalt | No Data | No Image |
4 | 海辺で Am Meer | No Data | No Image |
5 | 別れ Adschied | No Data | No Image |
6 | 遠い国で In der Ferne | No Data | No Image |
7 | セレナード Ständchen | 6分30秒 | No Image |
8 | 彼女の絵姿 Ihr Bild | No Data | No Image |
9 | 春の憧れ Frühlingssehnsucht | No Data | No Image |
10 | 愛の便り Liebesbotschaft | No Data | No Image |
11 | アトラス Der Atlas | No Data | No Image |
12 | 影法師 Der Doppelgänger | No Data | No Image |
13 | 鳩の便り Die Taubenpost | No Data | No Image |
14 | 戦士の予感 Kriegers Ahnung | No Data | No Image |
白鳥の歌
白鳥の歌
白鳥の歌
白鳥の歌
白鳥の歌
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/02/13 16:15 UTC 版)

白鳥の歌(はくちょうのうた)あるいはスワンソング(英語: swan song)は、人が亡くなる直前に人生で最高の作品を残すこと、またその作品を表す言葉である。個別には、シューベルトの歌曲集が著名である。
概要
ヨーロッパの伝承で、白鳥は死ぬ時に美しい声で鳴くと言われている。「白鳥の歌」とはつまり「瀕死の白鳥の歌」であり、人が亡くなる直前に人生で最高の作品を残すことを例えで指している[1]。紀元前5世紀から3世紀にこうした伝承が生まれたと言われていて、ヨーロッパで繰り返し使われてきた表現である。
白鳥の歌の起源
ギリシャ神話では、白鳥はアポロに捧げられた聖なる鳥であり、調和と美しさの象徴と見なされ、その限られた能力にもかかわらず、歌う鳥としての地位に挙げられてきた。
イソップの「ガチョウと白鳥」の寓話には[2]、白鳥の歌の伝説が組み込まれている。ガチョウの代わりに誤って捕まえられたが、その歌によって分かったとき、その命は救われた。続いて、アイスキュロスの『アガメムノン』(紀元前458年、1444–5節)に次の引用がある。その劇では、クリュタイムネーストラーは死んだカサンドラを「最後の最後の嘆きを歌った」白鳥に例える。プラトンの『パイドン』(84d)では、ソクラテスが「白鳥は普段歌うが、死ぬ前に一番美しく歌う。」と言ったと記録している。さらに、アリストテレスは『動物誌』(615b)で、白鳥が「音楽的であり、主に死の接近で歌う」と述べた。紀元前3世紀までに、こうした信念はことわざになった[2][3]。
オウィディウスはこれに「ピークスとカネーンスの物語」(『変身物語』、第XIV巻:320–396)で言及している。「彼女は、白鳥が歌っているように、悲しみと調和して、涙を流しながら、悲しみの言葉を涙で流した、あたかも白鳥が死に瀕して自分の弔いの歌を歌うように。」[3]
白鳥はまた、詩人のウェルギリウスとマルティアリスの作品で歌う鳥として説明されている。
議論
文学の分野において古代より使われてきた比喩だが、博物学(生物学)の視点から、これが果たして適切かという議論が行われてきた。まず、ヨーロッパで最も一般的なコブハクチョウは、死ぬ時に歌うとか何か音を立てることはない。これは古代ローマの泰斗大プリニウスが『博物誌』(紀元77年、第10巻第32章)で言及している。
しかし、地中海東部に冬渡ってくるオオハクチョウは長く響くように鳴くことで知られていて、17世紀ドイツの自然学者ペーター・パラスは、これが原因で白鳥の歌の伝承が生まれたのだろうとしている。コブハクチョウもオオハクチョウも、古代エジプトやギリシャの芸術には出てくる。
ナキハクチョウと関係が深いナキハクチョウやコハクチョウも、その鳴き声で知られている。アメリカの動物学者ダニエル・ジロード・エリオットは、コハクチョウを銃で撃った時に1オクターブにわたって鳴くような声を発したことを1898年に記録している[4]。
中世以降
- チョーサーは「白鳥は死に当たって鳴く」といっている[5]。レオナルド・ダ・ヴィンチも「白鳥は真っ白く、死に当たって鳴き、その歌で命を終る。」と記している[6]。
- シェイクスピアの『ヴェニスの商人』ではポーシャが、『オセロ』ではエミリアが、白鳥の死と歌について話している。
- ギボンズのマドリガル「銀色の白鳥」 (The Silver Swan) では、白鳥の歌について詳しく述べられている。
- テレマンの『オーボエと弦楽器のための協奏曲』は、別名『白鳥の歌』とされている。
- 『オックスフォード英語辞典』では、英語の「Swan song」はドイツ語の「Schwanen(ge)sang」、「Schwanenlied」が語源としている。スコットランドの牧師ジョン・ウィリソンは1747年に、旧約聖書の『詩篇』48番はクリスチャンの「白鳥の歌」であると、自身の説教で述べている[7]。
- ニコライ・アビルゴールは『オシアン、白鳥の歌を歌う』(1780年 – 1782年)と題する絵を描いた。
- フランツ・シューベルトの『白鳥の歌』(D 957)は、友人たちや出版社が遺作をまとめてシューベルトの死後に出版した歌曲集である。なお、シューベルトはこれとは別に『白鳥の歌』と題する歌曲を2曲作曲している。
- 詩人コールリッジはこの伝承について、おどけて書いた。
白鳥が死ぬ前に歌う――もしも、人によっては
歌う前に亡くなってくれたらいいね。
- テニスンの詩『瀕死の白鳥』は、この白鳥の歌についての感激を表していて、あたかもそうした状況に接したように詳しく書かれている。
脚注
- ^ 白鳥の歌(読み)ハクチョウノウタ(コトバンク)
- ^ a b イソップの白鳥とガチョウ
- ^ a b Metamorphoses (Kline) 14, the Ovid Collection, Univ. of Virginia E-Text Center; Bk XIV:320–396: The transformation of Picus
- ^ Johnsgard, Paul A. (January 2013). "The Swans of Nebraska". Prairie Fire.
- ^ Skeat, Walter W. (1896). Chaucer: the Minor Poems. Clarendon Press., p. 86
- ^ Leonardo da Vinci. The Notebooks of Leonardo da Vinci, Complete.
- ^ FIVE SACRAMENTAL SERMONS. by John Willison
外部リンク
白鳥の歌
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/05 17:45 UTC 版)
「ルキウス・リキニウス・クラッスス」の記事における「白鳥の歌」の解説
彼の最高の弁論は、死の直前に行ったものである。それは紀元前91年、護民官ドルススの法案を巡って執政官ピリップスが元老院を否定する暴挙に出たときのことで、ピリップスが彼を束縛するために差し向けたリクトルの手をかいくぐり、「君が私を議員と見なさないなら、私も君を執政官とは認めない」と宣言すると、こう続けた。 君はこれまで、散々元老院の権威を踏みにじってきておきながら、今更私個人を懲罰すると脅した程度で、この私が怯むとでも思ったのか。私を怯ませたければ、この舌を引き抜いてみせるがいい。例えそうなっても、私はこの吐く息だけで、誰にも邪魔されることなく、君のその薄汚れた欲望を非難し続けてみせよう。 キケロ『弁論家について』3.4 クラッススは、肺の激痛に耐え、油汗を流しながら激烈な弾劾を行い、「元老院はこれまで国民の付託に応え、共和国への助言と義務を絶え間なく果たしてきたことを宣言すべし」という動議を提出し、満場一致で決議された(拒否権で取り消された)。キケロはこのクラッススの演説を白鳥の歌に例え、死後も議場に行ってその残響を感じようとする程に名残惜しんでいる。 『弁論家について』におけるクラッススの描写は、プラトンが師ソクラテスを称揚したのに倣っているとも思われ、歴史家フリードリヒ・ムンツァー(英語版)は、大げさなものと切り捨てているが、現在では一定の信頼性はあるものと考えられている。その評価は意外にも、雄弁さよりも賢さを称えており、ソクラテスやソロンに対しては3回だった「最も賢い(sapientissimus)」を、クラッススに対しては7回使っているという。
※この「白鳥の歌」の解説は、「ルキウス・リキニウス・クラッスス」の解説の一部です。
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