鳩山町とは? わかりやすく解説

鳩山町

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/12 22:11 UTC 版)

はとやままち 
鳩山町
鳩山町旗 鳩山町章
1973年4月5日制定
日本
地方 関東地方
都道府県 埼玉県
比企郡
市町村コード 11348-4
法人番号 8000020113484
面積 25.73km2
総人口 12,793[編集]
推計人口、2025年4月1日)
人口密度 497人/km2
隣接自治体 東松山市坂戸市比企郡嵐山町ときがわ町入間郡越生町毛呂山町
町の木 アカマツ
町の花 ツツジ
町の鳥 ハト
鳩山町役場
町長 小川知也
所在地 350-0392
埼玉県比企郡鳩山町大字大豆戸184-16
北緯35度58分53秒 東経139度20分03秒 / 北緯35.98147度 東経139.33411度 / 35.98147; 139.33411座標: 北緯35度58分53秒 東経139度20分03秒 / 北緯35.98147度 東経139.33411度 / 35.98147; 139.33411
町庁舎位置
外部リンク 公式ウェブサイト

― 政令指定都市 / ― 市 / ― 町 / ― 村

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鳩山町(はとやままち)は、埼玉県の中部に位置し[1]比企郡に属する

東京都区部ベッドタウンとして開発された「鳩山ニュータウン」があることで知られ、通勤・通学流動では埼玉県内の各市町村よりも東京都が飛び抜けて多く27.0%を占めている(平成22年国勢調査)。東京都以外へは坂戸市東松山市川越市の3市が大半を占めている[2]

高齢化率は45.9%(2020年)であり、県内で最も高齢化率が高い自治体である。

地理

町内の大部分は岩殿丘陵の中央部に位置する。傾向として、町内北部が標高が高く、南部の方が低い。森林、畑地、住宅地が占めるが、町域外縁部にいくつかのゴルフ場が存在する。

町の東部は、東武東上線高坂駅東松山市)へ比較的近く、鳩山ニュータウン、東京電機大学埼玉鳩山キャンパス、山村学園短期大学宇宙航空研究開発機構地球観測センター日立製作所中央研究所といった大規模な教育機関や研究機関の施設が集中している。一方で町の北部や西部は、道路環境や公共交通の便が悪いこともあって東京からの距離の割には都市化が進んでおらず、山村地帯の風景が残っている。

比企郡に属しているが、隣接している坂戸市や入間郡毛呂山町越生町との結びつきも強く、警察は西入間警察署、消防は西入間広域消防組合消防本部が管轄している。

気候

鳩山町には気象観測所(アメダス)があり、関東地方の平野部としては記録的な気温が出やすく、2020年8月11日には最高気温40.2℃を観測した。観測所のある町中央部を取り囲むように丘陵地帯が広がっており、町中央部は小さな盆地のような地形になっていることから、盆地気候の特徴である夏の日中は暑くなりやすく、冬の早朝は冷え込む傾向が出やすいためである(1月の平均最低気温は-4.0℃と山形市よりも低く、年によっては氷点下10度近くを記録することがあり、冬の最低気温は秩父市とほとんど同じである)。隣接自治体と比べても気温差が激しいのが鳩山町の特徴と言える。また冬の鳩山町は最低気温が-5度前後まで冷え込む事が多い一方で最高気温が10度前後まで上昇する事も多いため朝と昼の気温差が15度前後となり1日の気温の変化が非常に大きい。

鳩山(1991年 - 2020年)の気候
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
最高気温記録 °C°F 19.9
(67.8)
24.9
(76.8)
27.1
(80.8)
32.3
(90.1)
35.8
(96.4)
39.9
(103.8)
40.1
(104.2)
40.2
(104.4)
38.5
(101.3)
32.6
(90.7)
27.6
(81.7)
25.7
(78.3)
40.2
(104.4)
平均最高気温 °C°F 9.7
(49.5)
10.6
(51.1)
14.0
(57.2)
19.6
(67.3)
24.2
(75.6)
26.7
(80.1)
30.6
(87.1)
32.1
(89.8)
27.6
(81.7)
21.9
(71.4)
16.6
(61.9)
12.0
(53.6)
20.5
(68.9)
日平均気温 °C°F 2.6
(36.7)
3.8
(38.8)
7.5
(45.5)
12.8
(55)
17.8
(64)
21.4
(70.5)
25.2
(77.4)
26.3
(79.3)
22.3
(72.1)
16.4
(61.5)
10.2
(50.4)
4.8
(40.6)
14.3
(57.7)
平均最低気温 °C°F −4.0
(24.8)
−2.8
(27)
0.9
(33.6)
6.2
(43.2)
11.8
(53.2)
16.9
(62.4)
21.1
(70)
22.1
(71.8)
18.3
(64.9)
11.8
(53.2)
4.5
(40.1)
−1.5
(29.3)
8.8
(47.8)
最低気温記録 °C°F −10.7
(12.7)
−10.2
(13.6)
−9.0
(15.8)
−4.9
(23.2)
0.9
(33.6)
7.5
(45.5)
12.4
(54.3)
14.1
(57.4)
6.8
(44.2)
1.1
(34)
−4.6
(23.7)
−9.5
(14.9)
−10.7
(12.7)
降水量 mm (inch) 39.2
(1.543)
35.2
(1.386)
75.0
(2.953)
96.4
(3.795)
111.4
(4.386)
167.8
(6.606)
179.3
(7.059)
187.0
(7.362)
218.5
(8.602)
183.1
(7.209)
56.6
(2.228)
36.1
(1.421)
1,377.4
(54.228)
平均降水日数 (≥1.0 mm) 3.7 4.2 7.8 8.5 9.7 13.0 12.5 10.3 12.0 9.8 6.0 4.0 101.1
平均月間日照時間 197.8 185.1 184.4 180.4 179.6 122.5 139.1 172.3 128.5 134.4 157.6 180.8 1,958.8
出典1:Japan Meteorological Agency
出典2:気象庁[3]

河川

  • 一級河川
  • 準用河川
    • 大橋川 - 鳩川の支流。ときがわ町境辺りから県道とほぼ平行して東進し、大橋で南進して鳩川の東側を平行し、中央公民館の東で鳩川に合流する。
    • 石坂川 - 石坂を北から南に流れ、鳩川を経由せずに直接越辺川に合流する。
    • 石田川 
    • 泉井川
    • 内川 - 今宿交差点の下を東から西へ流れている。
    • 唐沢川
    • 黒石川

特徴

河川の周囲に水田が作られ、南、あるいは東に開ける谷戸が数多くある。だが町内面積に比して水田はさほど多くなく、他は畑地山林であり、昭和中期までは養蚕業を営む農家が多くクワ畑が多かった。現在、クワ畑はほとんど見られない。

1980年代に町内の山林はいくつかのゴルフ場に開発され、町内面積として無視できない広さとなった。

地名

  • 楓ヶ丘
  • 鳩ヶ丘
  • 松ヶ丘
  • 大字赤沼
  • 大字石坂
  • 大字泉井(いずい)
  • 大字今宿
  • 大字大橋
  • 大字奥田
  • 大字熊井
  • 大字小用(こよう)
  • 大字須江
  • 大字高野倉
  • 大字竹本
  • 大字大豆戸(まめど)

歴史

奈良時代須恵器などの窯業の一大産地として栄えた。武蔵国国分寺の瓦を焼いた窯跡など多数の窯跡の遺跡が出土している。(南比企窯跡群)また、8世紀前半と推定される小用廃寺の遺跡などから、早くから渡来文化・仏教文化を持った人たちが住んでおり、関東の古代寺院建立を担っていた人たちがいたことがうかがわれる。町の南西数キロ離れた所には当時渡来人を集めてつくられた、かつての高麗郡(716年設置)があり、このことと関係があるか、研究が待たれる。

平安時代後期から中世にかけて荘園が発達すると、年代や領主は詳細不明だが町内の地域の大部分は東松山市南部の早又・正代・宮鼻・高坂・元宿・下青鳥・石橋・岩殿・毛塚・田木・神戸と併せ、亀井庄になっていたようである(「新編武蔵国風土記稿」)。さらに鎌倉時代鎌倉街道上道が整備されると、軍事上の要衝・宿場町や、材木の中継地として賑わいを見せた。今宿という地名は越辺川対岸の苦林宿の新興地という意味からきている。

1352年、南北朝時代の観応の擾乱における武蔵野合戦では新田軍(南朝方)が鎌倉街道の笛吹峠(鳩山町嵐山町境)に布陣し、足利軍(北朝方)との戦いがあった。『太平記』には町内の地名として「旗山」が見える(鳩山中学校より県道を挟んだ西南側丘陵地)。

1693年元禄6年)には赤沼を領していた旗本内藤正勝が大坂定番に任ぜられ、1万石加増されて大名となり赤沼藩が立藩する。後を子の内藤正友が継ぎ、1703年(元禄16年)に岩村田藩(信濃国)に転封になるまで存続した。江戸時代の町内の地域は数家の旗本領・江戸近郊の藩領になることが多く、その領地が入り組む状態となり(「旧高旧領取調帳」)、町内では須江が前橋藩領、赤沼が岩槻藩領となっていた。

1869年(明治2年)6月29日、上記藩領を除いて町内の地域は韮山県となった。その後1871年(明治4年)の廃藩置県により、町内の地域は旧藩領を含め入間県となる。さらにの統廃合が進められた結果熊谷県埼玉県に属することとなり、現在に至る。

人口

昭和30年代から昭和40年代にかけて人口は5,000人程度で推移した[4]。1974年(昭和49年)の鳩山ニュータウンの入居開始により、人口が急増し、18,000人を超えるまでになった[4]。その後、1995年(平成7年)をピークに減少に転じた[4]

鳩山町と全国の年齢別人口分布(2005年) 鳩山町の年齢・男女別人口分布(2005年)
紫色 ― 鳩山町
緑色 ― 日本全国
青色 ― 男性
赤色 ― 女性
鳩山町(に相当する地域)の人口の推移
1970年(昭和45年) 4,634人
1975年(昭和50年) 5,779人
1980年(昭和55年) 10,301人
1985年(昭和60年) 13,931人
1990年(平成2年) 16,812人
1995年(平成7年) 17,973人
2000年(平成12年) 17,008人
2005年(平成17年) 15,985人
2010年(平成22年) 15,304人
2015年(平成27年) 14,338人
2020年(令和2年) 13,560人
総務省統計局 国勢調査より


行政

広域行政

一部事務組合
  • 西入間広域消防組合 - 毛呂山町越生町とともに西入間広域消防組合の運営を行う。
  • 毛呂山・越生・鳩山公共下水道組合 - 毛呂山町、越生町とともに下水道事業を行う。
  • 坂戸地区衛生組合 - 坂戸市鶴ヶ島市、毛呂山町、越生町とともにし尿処理を行う。
  • 広域静苑組合 - 越生町、毛呂山町、鶴ヶ島市、坂戸市とともに越生斎場の運営を行う。
  • 埼玉西部環境保全組合 - 鶴ヶ島市、毛呂山町、越生町とともにごみ処理を行う。
過去に設置されていた一部事務組合

議会

町議会・県議会

  • 鳩山町議会 定数12[6]
  • 埼玉県議会西第9区:毛呂山町越生町・鳩山町(定数1、2015年3月施行)
    • 2015年3月より前の旧区割においては比企郡滑川町嵐山町小川町ときがわ町とともに旧西第15区(定数1)を構成していたが、一票の格差是正等の事情から、上述の入間郡域との結びつきを踏まえ鳩山町のみ比企郡の他の町から分離され、入間郡の毛呂山町・越生町による旧西第10区(定数1)と合区、現西第9区となった。

衆議院

当落 候補者名 年齢 所属党派 新旧別 得票数 重複
山口晋 38 自由民主党 96,153票
比当 坂本祐之輔 66 立憲民主党 90,214票

経済

企業

商業施設

金融機関

地域

病院

  • 麻見江ホスピタル
  • 福島内科医院
  • 鳩山第一クリニック

図書館

  • 鳩山町立図書館

鳩山町に住居・通勤通学していれば、東松山市坂戸市比企郡嵐山町滑川町小川町ときがわ町川島町吉見町、及び秩父郡東秩父村の市町村立図書館で相互利用が可能である。

公共施設

町の施設

  • 鳩山町役場東出張所
  • 中央公民館
  • 文化会館
  • 公民館亀井分館
  • 公民館石坂分館
  • 町民体育館
  • 多世代活動交流センター運動場・体育館
  • 梅沢運動場
  • 亀井運動場
  • 中央庭球場
  • 小用庭球場
  • ふれあいセンター
  • 今宿コミュニティセンター
  • 梅沢集会所
  • 総合福祉センター
  • 鳩ヶ丘のびのびプラザ

その他の施設

警察

消防

電話番号

市外局番は町内全域が「049」。市内局番が「2XX」の地域との通話は市内通話料金で利用可能(川越MA)。収容局は鳩山局のみ。

郵政

郵便番号は町内全域が「350-03xx」(鳩山郵便局)である。

  • 鳩山郵便局
  • 鳩山鳩ヶ丘郵便局
  • 東京電機大学内簡易郵便局

自動車登録

熊谷自動車検査登録事務所の管轄区域に属し、町内においては「熊谷」ナンバーが交付される。また、車庫証明は西入間警察署に申請を行う。

軽自動車については、当町を含む比企郡は車庫証明の申請を義務付けられていない。

教育

東京電機大学埼玉鳩山キャンパス

小学校

  • 鳩山町立今宿小学校
  • 鳩山町立亀井小学校
  • 鳩山町立鳩山小学校

中学校

高等学校

大学・短期大学

交通

鉄道

町内を通る鉄道路線は存在しない。

町の東側を走る東武鉄道(東武)東上本線坂戸駅」「高坂駅」、および西側を走る東武越生線東日本旅客鉄道(JR東日本)八高線越生駅」から路線バス4路線によって町内各地を結んでいる。

バス

鳩山町を走る路線バスは、すべて東武グループ朝日自動車グループ)の川越観光自動車が運行する。また、鳩山町がコミュニティバスとして鳩山町営路線バスを運行しており、「大橋」バス停で一般路線との乗り換えが可能である。

また過去には、コミュニティバスとして鳩山町内循環バスを運行していたが、2022年令和4年)3月31日をもって運行終了し廃止されている[7]

道路

町内に高速道路および国道は通っていない。

高速道路でのアクセスは、関越自動車道鶴ヶ島インターチェンジ鶴ヶ島市)、または東松山インターチェンジ(東松山市)から隣接自治体を経由してのアクセスとなる。

主要地方道
一般県道

タクシー

名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事

祭事

  • 商工会主催おしゃもじ山つつじ祭(毎年4月末開催)
  • 商工会主催納涼祭
  • 今宿八坂神社祭り囃子(毎年8月第3週土曜日日曜日開催)
  • 熊井毛呂神社屋台囃子
  • 泉井神社ささら獅子舞
  • 鳩山ニュータウン夏祭り(毎年8月第1週土曜日曜日開催)
  • はとやま祭(毎年11/3文化の日開催)

特産品

  • 鳩山友愛焼(おしゃもじ食品)- 登録商標
  • 鳩豆うどん(美味の会)- 登録商標
  • 鳩山焼酎呑舞(鳩山町大豆組合)
  • 宇宙っこまんじゅう(おしゃもじ食品)

名所

ゴルフ場

出身者

備考

鳩山家との関係

1955年昭和30年)、2村が合併し鳩山村が誕生した記念に、当時首相だった同じ名前の鳩山一郎に書を依頼しようということになり、村会議長が東京都まで鳩山の自宅を訪れ、鳩山家の家訓である「友愛」の書を書いてもらった。額縁に入れられ現在も役場内に掲げられている。

2009年平成21年)7月23日には孫の鳩山由紀夫が選挙活動の合間を縫って鳩山町役場を訪問し、祖父が書いた「友愛」の書と対面している[8]

脚注

  1. ^ コトバンク鳩山町
  2. ^ 都市計画マスタープラン p.15”. 鳩山町. 2021年7月12日閲覧。
  3. ^ 鳩山 過去の気象データ検索”. 気象庁. 2025年1月9日閲覧。
  4. ^ a b c 第2章 鳩山町の地域特性”. 鳩山町. 2025年3月7日閲覧。
  5. ^ 新ごみ施設だより 第11号(最終号)”. 埼玉中部資源循環組合 (2020年3月10日). 2020年7月5日閲覧。
  6. ^ ○鳩山町議会議員定数条例”. 鳩山町. 2019年5月10日閲覧。
  7. ^ 鳩山町内循環バスの運行終了のお知らせ 川越観光自動車
  8. ^ “鳩山代表、鳩山町に 埼玉で遊説本格スタート”. asahi.com (朝日新聞社). (2009年7月23日). http://www.asahi.com/senkyo2009/news/TKY200907230256.html 

関連項目

外部リンク





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