遣独潜水艦を指揮、戦死とは? わかりやすく解説

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遣独潜水艦を指揮、戦死

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/20 03:34 UTC 版)

木梨鷹一」の記事における「遣独潜水艦を指揮、戦死」の解説

木梨1942年昭和17年11月海軍中佐進級し1943年昭和18年10月伊29潜水艦長転じた木梨潜水艦長補される前に伊29潜水艦は、数少ない同盟国であり、潜水艦による以外は交通手段がないドイツに「遣独潜水艦」として派遣されることが決まっていた。 軍令部部員大本営海軍参謀潜水艦作戦担当)の職にあった井浦祥二郎海兵51期海大33期)は、海軍省人事局主務課員から、連合軍対潜哨戒太平洋とは比較ならないほど厳重になっている大西洋赴く伊29潜水艦潜水艦長に誰を充てるべきか意見求められ海兵51期同期生である木梨推薦した木梨ワスプ撃沈する偉勲挙げていたことに加え、井浦が大尉伊54潜水艦(のちの伊154潜水艦先任将校水雷長)を務めた際に(昭和7年 - 8年)、木梨が同潜水艦航海長であり、木梨卓越した技量知悉していたからであった木梨指揮する伊29潜水艦は、ドイツ目指し1943年昭和18年11月5日に呉を出港し14日シンガポール入港したシンガポールで、ドイツ切実に求めていた東南アジア物資キニーネ生ゴム・錫・タングステン・コーヒーなどを積み込んでいた12月5日に、連合軍厳重な対潜哨戒行っている大西洋無事に脱出し日本へ戻る途中の遣独潜水艦伊8潜水艦シンガポール入港した木梨は、伊8潜水艦長内野信二大佐海兵49期)から、航海上の難所である喜望峰沖の海象気象連合軍大西洋で対潜哨戒状況、特に連合軍対潜警戒厳しビスケー湾目的地であるロリアンビスケー湾の奥に位置する)への進入手順などを詳しく聞いた軍令部指示により、伊8潜水艦からドイツ海軍の「最新型電波探知機(1)」を譲り受け伊29潜水艦装備したドイツへ向かう準備整えた伊29潜水艦は、ドイツに向かう16名の便乗者を乗せ12月16日シンガポール出港した12月23日インド洋中央付近で、インド洋行動するドイツUボートへの補給担当していたドイツ補給船と会合しドイツへ到達するのに十分な燃料補給受けた。この時、木梨海兵51期同期親し間柄だった井浦祥二郎宛てた手紙を、ドイツ補給船に託した結果として木梨絶筆となったこの手紙は井浦に無事に届き戦災逃れて戦後まで残り、井浦が1953年昭和28年)に上梓した『潜水艦隊』に全文収録されている。 連合軍レーダー技術の進歩著しく伊29潜水艦シンガポールドイツから帰国中の伊8潜水艦から譲り受け装備した最新型電波探知機(1)」は既に旧式化しており、連合軍対潜哨戒突破するため、ドイツ海軍指示により、伊29潜水艦アゾレス諸島南方600海里指定地点で、1944年昭和19年2月13日ドイツUボート会合しドイツの海軍中尉が「最新型電波探知機(2)」を携えて伊29潜水艦に乗組んだ。この地点から、ドイツ海軍空軍勢力圏に入るビスケー湾内の会合地点到達するまでは、大半行程潜航し厳重な警戒態勢で進まねばならず、3月10日会合地点到達しドイツ海軍空軍部隊合流してその護衛下に入るまで1か月近く要した3月11日伊29潜水艦ロリアンへの入港果たしたロリアンで、伊29潜水艦は、ドイツでも僅か20基しか製作されていなかった「最新型電波探知機(3)」の提供を受け、装備した4月16日伊29潜水艦は、日本に向かう18名の便乗者(日本人14名、ドイツ人4名)を乗せてロリアン出港した。なお、これに先立ち3月30日ロリアン出港して日本向かったドイツから日本譲渡されUボートである呂501潜水艦潜水艦長乗田貞敏少佐)は、戦後判明したところでは、5月13日大西洋西アフリカ沖で連合軍対潜部隊捕捉され撃沈されている。 伊29潜水艦は、ビスケー湾からアゾレス諸島付近までの、連合軍対潜哨戒濃密な危険地帯を、長時間潜航続け何度も爆雷攻撃を受けつつも通過することに成功し喜望峰回ってインド洋入り7月14日シンガポール入港したシンガポールドイツからの便乗者を全て下ろした伊29潜水艦は、整備終えて7月22日内地に向けシンガポール出港したが、7月25日台湾ルソン島の間にあるバリンタン海峡水上航行している時、3隻のアメリカ潜水艦待ち伏せを受け、3隻のうちのソーフィッシュの雷撃沈没した下士官1名の生存者除き木梨以下の全員1944年昭和19年7月26日付で戦死した認定され木梨同日付で海軍少将進級した二階級特進)。満42歳没。 連合艦隊司令長官豊田副武大将は、1945年昭和20年4月25日付で木梨功績全軍布告した

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