譲渡と保存
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/10 01:19 UTC 版)
「東急7000系電車 (初代)」の記事における「譲渡と保存」の解説
7700系へ改造された車両以外は全て他の鉄道事業者などへ譲渡された。デハ7100形には、秩父鉄道に譲渡された8両と福島交通に譲渡された2両を除き、東横車輌(現・東急テクノシステム)で先頭車化工事が施工された。譲渡後の処遇などは各記事を参照のこと。 弘南鉄道7000系電車 1988年10月から1990年12月までに合計24両が譲渡された。弘南鉄道大鰐線に日立車、弘南鉄道弘南線に東洋車が配置された。弘南線には先頭車化改造車もある。1997年の弘南線での事故で2両が1999年に除籍された。 北陸鉄道7000系電車 1990年7月に日立車10両が譲渡された。電機品と台車はJR・西武鉄道・営団地下鉄 ・京阪電気鉄道の廃車発生品を流用したものに交換され、600ボルトへの降圧改造が施工された。地方に譲渡された7000系のうち、台車を振り替えたのは北陸鉄道への譲渡分のみである。原型の先頭車と運転台新設車両の2タイプがあり、譲渡後に冷房化改造された車両がある。 水間鉄道7000系電車→1000形 1990年8月に東洋車10両が譲渡された。4両が先頭車化改造車で、4両が譲渡時に冷房化された。同時に1500Vへの昇圧が行われ、在来車を全て置き換えた。 譲渡された10両中8両が2006年から2007年にかけてリニューアル工事を受け、1000形へ改番された。一方で対象外となった2両は車籍を残したまま水間観音駅の車庫に留置されている。 福島交通7000系電車 1991年6月24日に750Vから1500Vへの昇圧が行われるのに先立ち、6月中に2両編成5本と3両編成2本の東洋車16両が譲渡された。先頭車は全車デハ7100形を先頭車化改造したものである。一部には冷房装置が搭載され、在来車を全て置き換えた。2001年に福島駅での事故で2両が廃車された。 2017年に1000系(元東急1000系)が導入されて置き換えられ、1編成を除いて廃車となった。 秩父鉄道2000系電車 1991年11月と12月に東洋車16両が譲渡された。最後まで目蒲線で運用されていた4連がほぼそのままの状態で譲渡され、外観上の改造は前面の帯が青色に変更される程度だった。 非冷房の車両はすでに時代遅れであり、冷房化もされないまま、1999年から2000年にかけて5000系に置き換えられ、2000年2月に全車廃車・解体された。事故廃車を除けば元東急7000系として初の廃車であった。 東急車輛製造(→総合車両製作所) こどもの国線で運用されていたデハ7057とデハ7052の2両が2000年6月に東急車輛製造に譲渡され、入換車として使用された。 その後、自社の発展に貢献した製品を「東急車輛産業遺産」として保存する事業を進めていたが、デハ7052が2009年8月に同社敷地内に開設された「横浜製作所歴史記念館」横で保存された。同遺産への指定は5200系デハ5201に続いて2例目で、現地ではデハ5201と背中合わせで保存されている。地上から電力が供給され、車内灯や標識灯などは点灯させることができる。ただし、東急車輌はこの2両と記念館はいずれも一般公開しない方針としているが、2012年2月に1度だけこの2両を含め「東急車輛産業遺産」が一般公開されている。 また、この2両は、2010年5月15日に産業考古学会(JIAS)から推薦産業遺産の認定を受けているほか、2012年8月7日に日本機械学会から機械遺産第51号(2012年度認定分の一つ)の認定を受けた。 弘南鉄道7000系大鰐線所属のオリジナルの先頭車 弘南鉄道7000系中間車の先頭車化改造車 水間鉄道1000形(旧7000系)オリジナルの先頭車 水間鉄道1000形(旧7000系)中間車の先頭車化改造車 北陸鉄道7000系オリジナルの先頭車 北陸鉄道7000系中間車の先頭車化改造車 福島交通7000系中間車の先頭車化改造車 秩父鉄道2000形 総合車両製作所横浜製作所に展示されているデハ7052
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