福島交通7000系電車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/29 04:51 UTC 版)
福島交通7000系電車(ふくしまこうつう7000けいでんしゃ)は、福島交通で使用されていた通勤形電車である。
概要


飯坂線の架線電圧1,500Vへの昇圧に伴い、在来車を一掃するため東京急行電鉄から7000系を譲り受けた車両である。
全車が中間電動車デハ7100形が種車となっており、制御電動車のデハ7100形[1]とデハ7200形、付随車のサハ7300形の3形式に分かれている。また1両を除いて、東洋電機製造製の電装品を装備した車両(東洋車)からの改造である。制御装置は電動カム軸式抵抗制御、台車はオリジナルのパイオニアⅢ形台車が使用されている。
種車が中間電動車であることから、先頭車には新たに非貫通型の運転台が設置されている。東急7000系を譲り受けた他社の改造先頭車とほぼ同様の形態だが、尾灯が角型になっている点が異なる(他社の車両は丸型)。
2両編成3本(デハ7101+デハ7202、デハ7103+デハ7204、デハ7105+デハ7206)のみ床置式冷房装置が設置されており、形式もデハ017100形+デハ017200形として区分されている。
編成表
両数 | 編成数 | 総数 | 編成概要
← 福島
飯坂温泉 →
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2両編成 | 4本 | 8両 | デハ7100 (017100) |
デハ7200 (017200) |
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3両編成 | 2本 | 6両 | デハ7100 | サハ7300 | デハ7200 |
- () 内は冷房車
- 3両編成は平日朝のみの運転であった。それ以外の時間帯と土休日はすべて2両編成での運転。ただし運用上、2両編成が使用できない場合は夕方に3両編成を使用する場合があった。
引退
福島交通では7000系の置き換え用として、2016年10月から1000系電車の導入を開始した[2]。これに伴い7000系は、同年8月末にデハ7109+デハ7210が引退したのを皮切りに順次置き換えが進み[3][4][5]、2019年3月31日に行われたデハ7101+デハ7202のラストランをもって定期営業運転を終了した[6][7]。
同年4月以降、デハ7101+デハ7102は鉄道イベントや貸切列車などで活用されていたが[7]、曽根田駅の改装に伴って同駅の休憩所として整備されることになったため、2022年に曽根田駅に移動し、同年4月29日から休憩所「お休み処ナナセン」として保存されている [8][9]。
車両番号の変遷
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脚注
- ^ ただし、車番は整理されて東急時代から変わっている。
- ^ 「いい電」が変わります。福島交通飯坂線に新車両が導入されます。 (PDF) - 福島交通
- ^ a b 福島交通飯坂線7000系「7111号車+7212号車」ラストランのお知らせ - 福島交通 飯坂電車
- ^ a b 本日(11月21日)の「7103号車+7204号車」運用について - 福島交通
- ^ a b 「7113号車+7315号車+7214号車」ラストランのお知らせ - 福島交通 飯坂電車
- ^ 「7101号車+7202号車」ラストランのお知らせ - 福島交通 飯坂電車、2019年3月30日作成、2019年4月23日閲覧
- ^ a b 「「7000系車両」別れ惜しむ鉄道ファンら 飯坂線で営業運転終了」『福島民友新聞』福島民友新聞社、2019年4月1日。2019年4月14日閲覧。
- ^ “福島交通,曽根田駅をリニューアルオープン|鉄道ファン・railf.jp|鉄道ニュース|2022年5月4日掲載|鉄道ファン・railf.jp”. 鉄道ファン・railf.jp. 2022年12月10日閲覧。
- ^ “曽根田駅がリニューアル!旧車両が休憩スペースに。『伏見珈琲店』のコーヒーも楽しめる|株式会社エス・シー・シー|2022年6月10日掲載|CJ Monmo シティ情報ふくしま”. CJ Monmo シティ情報ふくしま. 2022年12月10日閲覧。
- ^ “ニュース詳細 | 福島交通 飯坂電車 福島県 福島市 飯坂町 ローカル電車”. ii-den.jp. 2019年1月5日閲覧。
関連項目
福島交通7000系電車
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「東急7000系電車 (初代)」の記事における「福島交通7000系電車」の解説
1991年6月24日に750Vから1500Vへの昇圧が行われるのに先立ち、6月中に2両編成5本と3両編成2本の東洋車16両が譲渡された。先頭車は全車デハ7100形を先頭車化改造したものである。一部には冷房装置が搭載され、在来車を全て置き換えた。2001年に福島駅での事故で2両が廃車された。
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