廃車・解体
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/22 04:44 UTC 版)
鉄道車両の耐用年数は車種によってまちまちであるが、事故や災害などで使用不能になるケースを除くと、おおむね在来線車両で20 - 30年程度、高速運転を行う新幹線車両は十数年程度である。 鉄道車両としての登録から削除する(車籍を抜く)ことを廃車という。 車両の耐用年数を決定する要素としては、物理的命数・経済的命数・陳腐的命数の3つがある。物理的命数は、車両を構成する重要部品が物理的に使用に耐えなくなる限界を指し、主に台枠や構体の耐用年数によって決定される。経済的命数は、老朽化に伴って故障が増え、修繕費が増加して新型車両に置き換えた方が安くなる年数を指す。陳腐的命数は、時代の変化やより新型の車両の投入などにより古い車両が時代遅れになることによる耐用年数を指す。近年では陳腐的命数による耐用年数の決定が主である。 廃車になった車両は多くの場合解体処分される。解体処分には主要機器を取り外して構体を溶断・切断していく方法と、重機などにより叩き壊して解体する方法がある。1990年代以降では車体などの金属をリサイクルして新型車両に使う例もあり、また車両廃車後のリサイクル率を高められるように設計する車両もあるなど、解体後の活用法まで踏まえた指針も多くなっている。 一部の価値が認められた車両は保存鉄道で動態保存が行われたり、公園や博物館・車両基地などで静態保存が行われることもある。
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