製法と品質等級とは? わかりやすく解説

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製法と品質等級

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/19 06:12 UTC 版)

オリーブ・オイル」の記事における「製法と品質等級」の解説

オリーブ・オイル抽出工程は、他の植物からの抽出異な利点を持つ。すなわち、生の果肉から非加熱果汁絞って放置しておくだけで、自然に果汁表面浮かび上がり、これを分離することで得ることが出来のであるオリーブ同様に果肉から多量の油が得られるアブラヤシ果実からパーム油採油する場合原産地であり伝統的栽培地帯である西アフリカ熱帯雨林地帯における伝統的手法でも、パーム油飽和脂肪酸多く含むため常温では固形であり、砕いた果肉煮沸しなければ抽出できないのとは大きな違いである。一般に種子果実から採取される植物油多くが、加熱工程溶剤抽出工程経て得られ、特にほとんどの場合植物組織から油を分離するのに加熱工程不可欠であるのに対してオリーブ・オイルのこの容易な抽出特性最大特性のひとつとなっている。これは、ワインが本来、限られた季節にしか得られないブドウ果汁一年中飲むことが出来保存果汁したものとして発展したのと同様、オリーブ・オイルも同じ地中海文化の中で、正に油という形で保存された生の果汁として発展したと言えるオリーブ・オイル性質は、食品化学的にも、文化的にも、このような歴史的背景色濃く持っている収率上のため、果実すりつぶして絞った果汁遠心分離機掛け採油する伝統品質重んじる採油所では、この果実すりつぶし伝統的な石臼用いられているが、工業的に大量に処理する採油所では機械による粉砕が行われている。オリーブ絞り用の石臼は、東アジア穀物粉砕用の石臼のように溝を切った二枚の石の円板水平に重なり合って回転し、磨り合う形態ではなく巨大な石の皿の上垂直に立てられた石の円板が、車輪のように転がりながら円運動をする形態のものである果汁から遠心分離などの機械的処理のみで得られた油をヴァージン・オリーブ・オイル呼びその中で風味官能検査で味や香り欠陥がひとつもなく、酸度が 0.8% 以下のものを特にエクストラ・ヴァージン・オリーブ・オイルと呼ぶ。また、品質の悪いヴァージン・オリーブ・オイル精製脱酸脱臭脱色等)したもので、酸度が 0.3% 以下のものを精製オリーブ・オイルといい、この精製オイル中程度品質ヴァージン・オイルブレンドし酸度 1.0% 以下にしたものオリーブ・オイル日本ではピュア・オリーブ・オイル)と呼ぶ。ただし、これらの品質等級規格国際オリーブ理事会en:International Olive Council,IOC)の定めたもので、IOC加盟していない日本ではこれらの品質等級規格沿った製品表示でなくとも法的に何の問題もない。 果実含まれる油を無駄な回収するため、果汁絞った絞りかすから再度遠心分離機石油有機溶剤使って抽出したオイル粗製オリーブ・ポマース・オイルと呼ぶ。オリーブ・ポマース・オイルは上記オリーブ・オイルとは成分異なるため、IOC規定により「オリーブ・オイル」と表示してはいけないと定められており、食用ではなく工業用として扱われている。ただし、オリーブ・ポマース・オイルを精製し酸度を 0.3% 以下にした精製オリーブ・ポマース・オイルは、その国の基準日本であれば JAS法)をクリアていれば食用として販売は可能である(その代わり容器には「ポマース」と明確に表記なければならない)。オリーブ・ポマース・オイルは精製オリーブ・ポマース・オイルにヴァージン・オリーブ・オイルブレンドしたもので、格安オリーブ・オイルとして出回っているものの多くはこのオリーブ・ポマース・オイルである。 オリーブ種子から溶剤抽出によって得られた油をオリーブ油と呼んでいる。 品質等級 酸度(%) 等級規格 精度 (mg/kg) エクストラ・ヴァージン・オリーブ・オイル ≦ 0.8 ヴァージン・オリーブ・オイルのうち風味官能検査で味や香り欠陥がひとつもないもの ≦ 250 ヴァージン・オリーブ・オイル2.0 ヴァージン・オリーブ・オイルのうち風味官能検査で味や香り若干欠陥があるもの ≦ 250 オーディナリー・ヴァージン・オリーブ・オイル ≦ 3.3 ヴァージン・オリーブ・オイルのうち風味官能検査で味や香り複数欠陥があるもの(日本では非食用) ≦ 300 ランパンテ・ヴァージン・オリーブ・オイル > 3.3 ヴァージン・オリーブ・オイルのうち酸度高く食用には不向きで、精製必要なもの非食用) ≦ 300 精製オリーブ・オイル ≦ 0.3 ヴァージン・オリーブ・オイル精製したもの ≦ 350ピュアオリーブ・オイル1.0 精製オリーブ・オイルヴァージン・オリーブ・オイルブレンドしたもの ≦ 350 精製オリーブ・ポマース・オイル ≦ 0.3 精製オリーブ・オイル絞りかすポマース)からさらに抽出したもの > 350 オリーブ・ポマース・オイル ≦ 1.0 精製オリーブ・ポマース・オイルにヴァージン・オリーブ・オイルブレンドしたもの > 350

※この「製法と品質等級」の解説は、「オリーブ・オイル」の解説の一部です。
「製法と品質等級」を含む「オリーブ・オイル」の記事については、「オリーブ・オイル」の概要を参照ください。

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