芸術としての映画とは? わかりやすく解説

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芸術としての映画

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 19:56 UTC 版)

トーキー」の記事における「芸術としての映画」の解説

イギリスの映画学者 Paul Rotha は1930年The Film Till Now の中で「音声スクリーン上の映像同期した映画は、映画本来の目的とはかけ離れたのである。それは映画本来の用途退行させ破壊する誤った試みであり、真の映画含めることはできない」と宣言したこのような意見映画芸術形態1つ見ていた当時の人々としては珍しいものではない。ヨーロッパでトーキー製作して成功収めていたアルフレッド・ヒッチコックも「無声映画映画の最も純粋な形態だ」とし、初期トーキー多くが「人々会話する様子写した写真」とほとんど違わない断言して憚らなかった。ドイツでは舞台映画監督であるマックス・ラインハルトトーキーについて「舞台演劇スクリーン持ってきたもので(中略)独自の芸術形態だった映画演劇下位分野貶めるもので(中略絵画複製のようなのである」と語っている。 映画史家映画ファン多くは(当時後世も)、1920年代後半無声映画芸術として最高潮達しその後トーキー芸術性という面ではそれに遥かに及ばなかったという。例えば、映画時代と共に忘れ去られるものだが、Time Out 誌が1995年行った100周年記念した映画人気投票トップ100には、無声映画11本も入っていた。トーキー盛んになったのは1929年からだが、1929年から1933年までの映画上記トップ100入った映画全て無声映画1929年の『パンドラの箱』、1930年『大地』1931年『街の灯』)だった(『街の灯』音楽効果音サウンドトラック付きだが、台詞がないため一般に無声映画分類されている)。この人投票最初にランクインしているトーキーは、ジャン・ヴィゴ監督フランス映画アタラント号』(1934年)である。ハリウッド映画トーキーでは、ハワード・ホークス監督1938年の『赤ちゃん教育』が最初である。 一般的に大きく賞賛された最初長編トーキーとしては、1930年4月1日公開された『嘆きの天使』がある。この映画ジョセフ・フォン・スタンバーグ監督したもので、ベルリンUFAスタジオ英語版ドイツ語版製作したアメリカ映画最初に広く賞賛されたトーキールイス・マイルストン監督の『西部戦線異状なし』で、同年4月21日公開された。他に国際的に賞賛されたトーキーとしては、ゲオルク・ヴィルヘルム・パープスト監督の Westfront 1918 がある。歴史家 Anton Kaes はこれを「新たな迫真性」の一例だとし、「無声映画催眠的な惹きつけ方の強調光と影象徴性さらには寓意的人物像を好む時代錯誤性」によるものとした。文化史研究家らは、1930年末に公開されルイス・ブニュエル監督フランス映画黄金時代』を当時最高の芸術映画だとしている。当時、その性的不敬で反ブルジョワ的な内容一種スキャンダル巻き起こしたパリ警察はこれをすぐに上映禁止とし、50年上映できなかった。初期トーキーで今では多く映画史家から傑作呼ばれている作品が、1931年5月11日公開されフリッツ・ラング監督の『M』である。ロジャー・エバートは「多く初期トーキーが常に台詞入れようとしていたのに対してラングカメラ通り安酒場でうろつかせ、ネズミ視点表現した」と評している。

※この「芸術としての映画」の解説は、「トーキー」の解説の一部です。
「芸術としての映画」を含む「トーキー」の記事については、「トーキー」の概要を参照ください。

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