自律型移動都市(レギオス)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 03:20 UTC 版)
「鋼殻のレギオス」の記事における「自律型移動都市(レギオス)」の解説
自律型移動都市は円形の都市の土台に生活空間が築かれ、その外周に移動のための巨大な脚が多数備わっている。また、脚の上端部からはエアフィルター(空気の膜)が出力され、これが汚染物質が都市内に流入するのを防いでいる。このほかにも有機的な建材による自然修復機能など様々な機能が備わっている。都市を作ったのは過去の錬金術師(アルケミスト)達と言われ、その建造技術は既に失われており都市の中枢部分は都市民にとってブラックボックスである。 大気中に充満する汚染物質が無線通信を遮ってしまい、都市と都市を結ぶ交通や通信の手段は危険で時間も掛かる(後述)「放浪バス」に限られるため、各都市同士のコミュニケーションは非常に希薄であるが、その分、ほとんどの都市は自給自足が成り立っており、都市ごとに独自の文化が栄えていることも珍しくなく、大抵の人間は生まれた都市から外に出ること無く一生を終える。また、都市自体にも幾つかのタイプがあり、生活に必要な全ての機能を備えた標準型や、特定の機能に特化した都市もある(特化型の都市でも自給自足は成り立っている)。 都市の動力となる「セルニウム」は世界が汚染されてから発掘されるようになった金属で、都市は自身が保有するセルニウムの鉱山を中心とした一定範囲内を移動し、定期的に補給を行う。保有する鉱山が多い都市ほど移動半径も広がり、地域の移動による季節の変化も訪れる。また、都市がほかの都市と鉱山の保有権を賭けて戦争を行う「戦争期」は2年に1度で、基本的に同型の都市としか戦争を行わない。 自立移動都市は「楽土」と呼ばれる存在を形にした物であり、移動するのは危機を回避するためである。 グレンダンでの決戦後、汚染物質の減少とそれによる汚染獣の減少により、危機回避を行う必要が無くなったためか、自律型移動都市は徐々に移動を停止させ、ついには完全に停止した。この停止によって圧縮植物による有機プレートが暴走し、周囲の大地に根を張って一本の巨大な樹となり、自然界の循環を再生させた。後にこの現象は「萌芽」と呼ばれるようになり、人々は自律型移動都市からの脱却を余儀なくされ、急速に大地への移住が進められる。この世界の大変貌により、暦は「新土暦」と改められる事となる。 放浪バス 都市間の移動には、汚染された大地を金属製の多足で移動する「放浪バス」と呼ばれる乗り物が利用される。都市外の移動には常に汚染獣に襲われる危険が付き纏い、汚染獣の襲撃を避けるために遠回りしたり数日間停止することもある。また、常に動き回る自律型移動都市全ての正確な位置を把握しているのは「交通都市ヨルテム」と呼ばれる都市のみであり、全ての放浪バスは最終目的地に関係なくヨルテムを経由する必要がある。以上、危険性と時間的な不便さから、ほとんどの人間はほかの都市に行くことは無いが、一方で都市から都市へと旅をする旅行者や、都市間の交易を目的としたキャラバンなども存在するため、日々多くの放浪バスが都市間を渡り歩いている。 学園都市 機能特化型都市の1つに、教育機関として特化した機能を持つ「学園都市」がある。学園都市は住人の大半が学生で大人がほとんどおらず、都市の機能も全て学生によって管理、運営され、教育に関しても上級生が下級生の授業を受け持つ。その性質上、人の入れ代わりが激しくあらゆる分野でベテランを欠くという欠点を持つ。基本的には通常の都市同様の独立した存在だが、多くの学園都市は「学園都市連盟」と言う組織に加盟し、そのバックアップを受けている。 学園都市では、学園都市連盟主催の武芸大会と言う交流試合の形式で戦争を行う。相手都市の都市旗の奪取を勝敗の条件とし、使用される武器は全て殺傷力を減退させる安全装置を掛けた状態で戦う。「学生らしい健全な戦い」を名目にこのような体裁を取っており、人的被害も少なく済むが、勝敗が都市の寿命を左右すると言う結果は標準型の都市で行われる戦争と変わらない。
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