第一次世界大戦と国体とは? わかりやすく解説

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第一次世界大戦と国体

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 14:34 UTC 版)

国体」の記事における「第一次世界大戦と国体」の解説

1914年大正3年)夏、第一次世界大戦勃発する。これは世界未曾有の大乱であり、その惨禍思想界に動揺もたらす思想動揺大戦初期から徐々に始まり大戦末期近づくにつれて表面化する。特に大戦末期ロシア革命米国参戦により、過激思想米国流のデモクラシー日本押し寄せる。ある者はこれを利用しようとし、ある者はこれを排除しようとし、思想界は未曽有の混乱呈する。しかもこの間自由思想国民教育普及新聞雑誌勢力増大により徐々に内発的になってゆく。 第一次世界大戦の勃発により欧米においてデモクラシー論が盛んになり、日本その影響受けてデモクラシー論議増えてゆく。明治末年民本主義という言葉造語したといわれる茅原華山1915年大正4年1月中央公論』誌に「新しき世界 将に生まれんとす」と題し民衆政治的経済的勢力増大する傾向紹介する同年4月太陽誌上織田萬が「戦争デモクラシー消長」を説き千賀鶴太郎が「民主主義開戦」と題して第一次世界大戦デモクラシーの関係を述べるなど、デモクラシー議論広がっていく。同年10月には鈴木正吾が『新愛国心』を著す。同書次のように言う。 序文曰く日本民本政治実現せしめんとする努力足跡である」と。 「光栄なる謀反人」という節で曰く我ら危険思想家・謀反人という言葉を、官僚思想対す危険思想家、官僚政治対す謀反人という意味に解釈して躊躇なく承認する」と。 「民本政治へ」という節で曰く「『人民のために人民作った人民政府』を実現することによって日本人真の国民性出て来る」と。 「革命行進曲」という章で曰く鐘が鳴る鐘が鳴る」、「偶像断末魔」、「日本人美し偶像時々刻々破壊せられて行く」と。 著者らが携わる雑誌第三帝国』でいうところの第三帝国とは「政治的の意味における民本主義である」「デモクラシー政治の上現れ帝国である」といい、「そういう帝国速やかに建設しなければならぬ」、「偶像片端から壊していかなければならぬ」と主張する国体論者は、民本主義中に日本国体害するものがあるかもしれない恐れ、これに対抗してますます国体宣明ようとする。ただし従来異な新し国体論が登場したわけではない当時主な国体論として、佐藤範雄世界大乱と吾帝国』、廣池千九郎伊勢神宮国体』、市村光恵帝国憲法論』、大隈重信『我国体精髄』、千家尊福国家祭祀』、深作安文国民道徳要義』などがある。 1916年大正5年1月吉野作造が『中央公論』に「憲政本義説いて其(その)有終の美を済(な)すの途(みち)を論ず」と題して百頁を超える長大論文掲げて民本主義鼓吹する吉野作造民主主義民本主義区別する点で上杉慎吉と同じであるが、上杉民本主義単なる善政主義に過ぎないに対して吉野民本主義善政主義民意権威主義加え民意権威主義要求として参政権拡張議院中心主義主張する吉野民本主義論は大きな反響呼び上杉慎吉室伏高信茅原華山植原悦二郎大山郁夫など、いわゆる民本主義論者反対批評を受ける。このほか津村秀松永井柳太郎安部磯雄小山東助などが民本主義論じる。これらの中では室伏高信の説が異彩を放つ1916年大正5年7月内務省神社局長塚清治地方官会議席上で「敬神思想根本及び国体の関係」を説くその後国学院雑誌』に国体に関する論説数々載る。すなわち、同年11月号に植木直一郎が「国体基本」と題して日本国体が特殊である所以論じる。翌6年1月号に白鳥庫吉が「国体儒教」と題して日本国体儒教異同するところ述べ同月号に市村瓚次郎が「国体忠孝」を載せる河野省三同年8月号に「我が国体」を載せ、さらに翌月国民道徳史論』を著し、その第4章に「我が国体」と題して一層具体的に説明する

※この「第一次世界大戦と国体」の解説は、「国体」の解説の一部です。
「第一次世界大戦と国体」を含む「国体」の記事については、「国体」の概要を参照ください。

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