第一次世界大戦と市電黄金期とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > 第一次世界大戦と市電黄金期の意味・解説 

第一次世界大戦と市電黄金期

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/07 19:58 UTC 版)

東京都電車」の記事における「第一次世界大戦と市電黄金期」の解説

東京市電発足後東京市電気局路線網大規模拡充図り1913年大正2年)度から1916年大正5年)度までの4年間に総額13176000円を投じて未成線128.7kmを整備する第一次継続事業計画着手した東京市電発足時点で既に営業キロ98.8km(軌道延長192.4 km)、局員7861名、車両1054両、1日乗客数51万人という規模有していたが、東京鉄道時代特許権取得して開業至っていない未成線も180km余り引き継いでおり、市有化で電車整備が進むと市民から大きな期待寄せられていたためであった当初全ての未成線を4カ年計画整備する予定であったが、財政への悪影響懸念した監督官庁指導計画第一期第二期分割しこのうち第一期線第一次継続事業計画対象となった積極的な拡大方針により、東京市電営業キロ市有化から1914年大正3年)度末までの5年弱のうちに30km上伸びて128.0 km軌道延長255.3 km)となり、市内のみならず目黒渋谷新宿大塚巣鴨など当時まだ東京市外の郡部だった地域にも電車開通した。ところが1914年8月第一次世界大戦勃発すると、金融市場混乱市債発行による資金調達難しくなった上、日本国内では大戦景気呼ばれる好景気物価著しく高騰し路線整備にも支障をきたすようになったやむなく市電気局は第一次継続事業計画見直し行い1915年大正4年2月には市会議決得て修正予算案と事業期間の2年延長決定したが、1915年度新規開業はわずか0.4 km1916年大正5年)度は皆無終わり大規模な新線建設市有化後の数年推進されただけで頓挫してしまった。運賃物価高騰に伴い1916年7月には片道4銭から5銭(往復9銭)、1920年(大正9年)6月には7銭(往復14銭)へと値上げされた。 一方で好景気とあって交通需要増大著しく1日乗客数1916年度の約72万人から1919年大正8年)度には約108万人1922年大正11年)度には約1314000人と6年あまりで約1.8倍の増加となった。これにより営業係数34.3 を記録した1917年(大正6年)頃から経営状況好転し以降1921年(大正10年)度、1922年度には減債基金積立や市経済への繰入行ってなお400万円上の剰余金計上するなど大幅な黒字経営転換した。この時期東京市電はほとんど唯一の近代的交通機関として市内交通の8割を担っており、1910年代後半から20年代前半にかけての時期はまさに東京市電の「黄金期であった。 もっとも、乗客増えてもそれを輸送する路線電車整備進んでいなかったため、黄金期市電では慢性的な混雑大きな問題となった。特に1910年代から出現した通勤ラッシュ時の混雑は深刻で、乗車まで30分から1時間待ちになることや乗り切れない乗客車外にまで鈴なりにぶら下がるといったことが常態化し、「東京名物満員電車」として当時絵葉書俗謡東京節)の題材にされるほどであった。この事態市電気局は日本の路面電車車両としては初の3扉電車1653形200両を製造したほか単車呼ばれる小型電車の2両連結運転を行うなどの対策を採ったが、より抜本的な解決策として1920年度から新たに第二次継続事業計画着手した第二次継続事業計画は総事業費1億3230万円投じて未成線約80kmの建設車両2050両の新造及び改造車庫15か所と変電所20か所の新設、さらに既設線の架線軌道改良も行う一大プロジェクトであったが、結局関東大震災発生見直し余儀なくされた。

※この「第一次世界大戦と市電黄金期」の解説は、「東京都電車」の解説の一部です。
「第一次世界大戦と市電黄金期」を含む「東京都電車」の記事については、「東京都電車」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「第一次世界大戦と市電黄金期」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「第一次世界大戦と市電黄金期」の関連用語

第一次世界大戦と市電黄金期のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



第一次世界大戦と市電黄金期のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの東京都電車 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS