破風の形式とは? わかりやすく解説

破風の形式

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/20 13:49 UTC 版)

破風」の記事における「破風の形式」の解説

破風には入母屋破風唐破風などの種類がある。以下に書き出した入母屋破風いりもやはふ入母屋屋根にできる破風寺院建築神社建築近世城郭建築天守など)や書院造建物など多く見ることができる。特に大きなものは大入母屋破風おおいりもやはふ)といい、破風板懸魚合わせて大きくなる日本建築では、法隆寺金堂を代表とする寺院建築神社建築桂離宮二条城御殿などの殿舎住宅建築姫路城大天守などの城郭建築見られる朝鮮建築では大韓民国の大統領官邸である青瓦台意匠取り入れられている。古建築では寺院建築のほか、宮殿では景福宮などに現存例がある。中国建築では北京天安門のほかに、西安都城建築群や平遥古城の市嘉峪関建物群などにみられるそのほかベトナムフエ王宮や、日本沖縄県首里城入母屋破風意匠がある。 比翼入母屋破風(ひよくいりもやはふ) 元は大入母屋から作り出されたと考えられ、主に天守建築見られる比翼入母屋破風は、規模大きな天守見られ初期のもの大入母屋代わりに比翼入母屋破風造り和歌山城大天守のように不整形平面からの歪み整え役割兼ねることがあった。 古写真など記録上では、名古屋城大天守、備後国福山城天守讃岐高松城天守見られ現存する城郭建築では、姫路城大天守にのみみられる切妻破風きりつまはふ) 切妻造られる破風比較シンプルに造られることが多く大規模なものは造られることが少ない。 日本の寺院建築のほかに、神社建築では大社造流造のものなどで見ることができる。城郭建築現存例では弘前城天守彦根城天守讃岐国高松城着見櫓富士見など江戸城名古屋城本丸隅櫓などにみられる。古写真絵図などの記録上では、若松城天守尼崎城天守高島城天守白河小峰城三重白石城三重などに見られた。 千鳥破風ちどりはふ切妻破風葺き降ろし屋根直接置いて造られる妻側の面を正面据えるように付けるので据破風すえはふ)ともいう。古くは、大きな屋根などで、窓の開口難しくなった階層などに出窓のように突起して屋根被せたもの(破風の間)で、時代が下がるにつれて単に飾りとなり、小屋裏部屋さえも持たなくなることが多くなった。 主に、八棟造神社建築天守建築に見ることができる。 比翼千鳥破風(ひよくちどりはふ日本の城郭建築御殿屋根千鳥破風2つ並列して据え置いたものをいう。全くの飾りとして付けられる住宅建築としては、19世紀中ごろ1860年万延元年)に再建され江戸城本丸御殿大広間南面建地割図に比翼千鳥破風描かれている。現存する城郭建築では、宇和島城天守見られる彦根城天守の1重目屋根みられる比翼様の破風千鳥破風ではなく切妻破風によって構成されている。そのほか写真絵図などの記録上では、広島城大天守、大垣城天守大洲城大天守、江戸城および大坂城寛永度天守などにあった。「大坂夏ノ陣屏風黒田本)」では豊臣氏大坂城とされる天守の1重目屋根比翼千鳥破風描かれている。 唐破風からはふ唐破風日本特有の破風形式で、切妻のむくり屋根先に曲線連ねた形状破風板付けられる。古いものは勾配が緩やかで、新しいものは勾配急になる平安時代にはすでに同様のものがあったと考えられており、現存する最古のものと考えられているものでは、石上神宮奈良県)の摂社である出雲建雄神社の拝殿鎌倉時代)のものなどがある。 神社建築城郭建築近世寺院など多く見られ装飾性がある。邸宅役所式台玄関妓楼出入り口屋根装飾としてつけられることもあり、首里城正殿通称「からふぁーふ」は正面唐破風付けられていることから由来している。そのほか山王祭[要曖昧さ回避]や祇園祭、くんちなどの神輿山車屋形屋根装飾、石の祠や仏具厨子仏壇、墓などにも意匠として用いられる墓石での意匠使用例沖縄破風墓顕著な例が見られる唐破風には向唐破風軒唐破風2つ形式がある。 向唐破風(むこうからはふ妻側正面としたときの呼称である。屋敷店舗出入り口として造られることがあり、近現代日本の建築では、東京歌舞伎座松山市道後温泉などに見られる。古建築では、川越城本丸御殿玄関京都本願寺飛雲閣舟入の間、東京大学本郷キャンパス通称赤門」と呼ばれる加賀前田家上屋敷御守殿門番所城郭建築では、伊予松山城大天玄関宇和島城天守玄関などに見られる。また葺き下ろし屋根の上に千鳥破風のようにして造られ宇和島城天守丸亀城天守現存例がある。出窓として造られたものもあり、城郭建築では松本城大天守、犬山城天守備中松山城天守岡山城月見櫓金沢城現存や塀などに現存例があり、そのほか熊本城天守群や福井城天守久保田城本丸御出書院などでの例があった。 軒唐破風のきからはふ) 軒の一部にむくりをつけるか、むくりをつけた切妻に付けて造られる城郭建築寺社建築住宅建築などで見ることができる。

※この「破風の形式」の解説は、「破風」の解説の一部です。
「破風の形式」を含む「破風」の記事については、「破風」の概要を参照ください。

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