真空管
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2極管約500本、3極管など約1200本の計約1700本。ENIACの17468本の1割しか使っていない、といった比較をする向きもあるが、これはENIACの設計が「力業的」であるためで技術的な吟味を欠いた不適切な比較である。とはいえ、同様に水銀遅延管を使っているなどいくつかの類似点があるEDSACが直列式で約3000本であることから、並列式でこの数はそれなりに節約されたものと言える。これは当時の真空管が非常にフィラメントが切れやすく、大量に使うほど保守の手間がかかるため極力使用を減らしたものである。それでも毎日2-3本は交換していたという。真空管に対してはこの他に、作動電圧を極力下げる、接点をハンダ付けするという方法で安定をはかっていた。日本ではその後すぐ国産の素子であるパラメトロンや、トランジスタを使ったコンピュータが登場したため、FUJICは真空管式による数少ない国産コンピュータとなった。FUJIC以外に完成を見た真空管式コンピュータとしては、東京大学と東芝の共同開発で1959年完成したTACしかない。
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真空管
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/22 05:54 UTC 版)
20世紀初頭にはまだ負性抵抗の物理的原因は理解されていなかったが、工学者はそれを使えば発振を起こせることは知っており、応用を行い始めた。ハインリッヒ・バルクハウゼンは1907年に発振器が負性抵抗を持たなければならないことを示した。エルンスト・ルーマー(英語版)とアドルフ・ピーパーは水銀灯が発振を起こせることを発見し、1912年にはAT&Tがこれを利用して電話線用の増幅中継器を製造した。 1918年、ゼネラル・エレクトリックのアルバート・ハルは真空管が二次電子放出(英語版)と呼ばれる現象により動作範囲の一部で負性抵抗を持ちうることを発見した。真空管中のプレート電極(英語版)は正バイアスによって電子を引き寄せるが、電位が高すぎると加速された電子がプレート表面から別の電子をたたき出すことがある。これにより、条件によってはプレート電圧を増加させると実質的にプレート電流が減少する。ハルは真空管にLC回路を接続することでダイナトロン(英語版)という一種の発振器を作成した。その後もジョン・スコット=タガート(英語版)による1919年のバイオトロン やハルによる1920年のマグネトロンのように負性抵抗を利用した真空管発振器の発明が続いた。 負性インピーダンス変換機はマリウス・ラトゥールが1920年ごろに行った研究に端を発する。ラトゥールは負性静電容量と負性インダクタンスを最初に報告した一人でもある。その10年後、ベル研究所でジョージ・クリソンらによって負性インピーダンス変換器が電話線中継器として開発され、大陸横断通話実現の道を開いた。1953年にリンヴィルがいち早くトランジスタを導入したことで負性インピーダンス変換器への関心は高まり、新しい回路やアプリケーションが次々と開発されていった。
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真空管(熱電子管)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/21 13:43 UTC 版)
「バイアス (電子工学)」の記事における「真空管(熱電子管)」の解説
ゼロ入力信号(定常状態)の動作条件を確立するため、真空管のカソードを基準としてコントロール・グリッドに供給されるDC電圧をグリッド電圧という。 一般的なA級電圧アンプや、オーディオパワーアンプのA級およびAB1級の電力増幅段では、カソードに対して負のDCバイアス電圧がグリッドに与えられる。瞬間的なグリッド電圧(DCバイアスとAC入力信号の和)は、グリッド電流が流れ始める値や、カットオフが起きる値には達しない。 汎用真空管を用いたB級アンプでも負バイアスが行われるが、グリッド電圧はプレート電流のカットオフが起きると予想される値に設定される。バイアス電圧源はグリッド電流を供給するため抵抗が低くなければならない。B級動作用に設計された真空管を使用する場合、バイアスはほぼゼロにできる。 C級アンプには、プレート電流のカットオフが始まる点をはるかに超えた負バイアスが与えられる。入力信号の1サイクルのうち、グリッド電流が流れる時間は半分を大幅に下回る。 真空管にグリッドバイアスを与える方法は多数あり、一つの真空管に複数のバイアス法を同時に用いることもある。 固定バイアス: DC電圧を通過させる適当なインピーダンスを介して適当な電圧源に接続することで、グリッド電位を定める方法。 カソードバイアス(英語版)(自己バイアス): カソードとグラウンドの間に直列抵抗を接続し、その抵抗で起きる電圧降下を利用する方式。グリッド回路のDCリターンをその抵抗の逆側に接続することで、グリッド電位をカソードに対して負にする。 グリッドリークバイアス:C級動作で見られるように、入力周波数サイクルの一部でグリッドが正に駆動されると、真空管中でグリッドに電子が飛び込む。入力側とグリッドの結合は容量性であり、結合コンデンサは負に帯電する。グリッドリーク抵抗を通って流れるグリッド電流によってコンデンサは放電されるが、時定数を入力信号の周期より大きく設定することで一定の帯電量を保つことができる。バイアス電圧はグリッドリーク抵抗とグリッド電流の積に等しくなる。 ブリーダバイアス: プレート電圧を供給するDC電源に抵抗を接続し、抵抗の中ほどから一定のグリッド電圧を取る。カソードはその抵抗のタップの一つに接続する。グリッドはDCパスとなる適当なインピーダンスを介してプレート電源の負側、もしくは抵抗の別のタップに接続される。 初速度バイアス(接触バイアス): グリッド電位がカソードと等しいとき、真空管中でカソードから放出される熱電子の一部はグリッドに入る。グリッドとカソードの間に通常1〜10 MΩの抵抗を入れておくと、この電子が流れる電圧降下によってグリッドがカソードに対して負の電位を持つ。グリッド電位と電流はやがて平衡値に達する。
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