白鳥編の登場人物
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/02 17:36 UTC 版)
白鳥みつる(しらとり みつる) 陸軍上等兵。狂四郎とは関東厚生病院時代の親友。狂四郎と同様に高い戦闘能力を持つが、本格的な人殺しが出来ず、大戦中は味方の危機を敵兵を殺して助けることの出来ない「出来そこない」として陸軍の兵士達からは何かと差別され(集団リンチを受けたり、何か問題が起こると真っ先にその犯人にされる等)、ついには衛生班として専ら死体運びの日々であった。討伐部隊の一員として11年ぶりに狂四郎と再会する。人は殺せないものの格闘、刀剣、銃の扱いに優れ銃に関しては数キロ先の標的もピンポイントで狙撃できたり、向かってくる兵士の防護服の酸素供給チューブのみをことごとく撃ち抜く事が出来たりという程の凄腕で、本来の実力は狂四郎と互角に渡り合える程である。 狂四郎を殺すことだけを考えていたがマイカの純粋な愛に触れ、最終的には捕らえにきた兵士からマイカを守るため狂四郎と共闘し、人も殺せるようになった後に狂四郎とは別れマイカと共に去る。 最終話においてはマイカと共に旅を続けており、北海道から脱出した狂四郎たちの乗った戦闘機を目撃している。 マイカ 男性との性行為のためだけに生み出された、遺伝子操作によるデザインヒューマンで、自主的に行動したり、話をすることは遺伝子的に不可能とされているが、会話はある程度理解出来ているような描写があり、狂四郎や白鳥と接することで自我と発話能力を獲得しつつあった。 反政府の人間を追跡するためのおとり(白鳥班が監視)として野に放たれ、狂四郎に保護されるが、後に白鳥の内面に惹かれ愛し合う仲になる。 有島博士、石川球太、山崎まゆ子(ありしま、いしかわ きゅうた、やまざき まゆこ) 反政府軍として脱走者の救援活動を行う。元はゲノム党員として遺伝子研究を行っていた。救援が果たせなかった場合、その人間の遺伝子を保存しており、実はゲノムによって遺伝子改造がなされる以前の、原種としての日本民族の遺伝子保護を、より大きな目的としている。狂四郎とは微妙な意見の相違を残して、別れる事になる。 バル 極地戦闘用歩兵に開発されたデザインヒューマンだったが、自我を持って生まれたために廃棄されていた所を反政府軍に救われる。 当初は言葉を話すこともままならなかったが、有島達の献身的な介護と教育により、言葉と自我を完全に身につけた。 北島大尉(きたじま ) かつて戦場で白鳥に助けられて出世した男。しかしその事を公にされる事を恐れ、白鳥の抹殺を謀る。 M型遺伝子理論の真偽について、無条件支持(M型遺伝子異常真性者を反社会的・ネガティブなモノとして差別)が全面否定(遺伝子による先天的な人間の優劣を認めない)のどちらかに登場人物の信条が振り分けられてきた作品世界に於いて、M型遺伝子異常真性者が実は遺伝子的に優れた人物だという"真実"を知っている数少ない人間(ただし国家機密を知ったというより、白鳥の能力により悟らされた様子)。 宇治田(うじた ) 関東厚生病院時代の回想に登場。狂四郎たちと同期の少年(遅れて入ってきたとされる)。 体力をはじめ最低の成績だが、トップクラスの狂死郎や白鳥に食事の施しを受けながら代わりに豊富な性知識を授けるなど、非常に親しい間柄だった。 しかし2014年ごろ、院内大食堂での抜き打ち毒ガス訓練に耐え切れず一人死亡。「狂気の環境で消えていく弱者」の代表として描かれ、その悲劇は白鳥と狂四郎の病院脱出の大きなきっかけとなった。 その折に、愛用していたスプーンは白鳥の手により院外の樹の下に植えられ「ここがあいつの墓だ」と二人は偲んでから町に降りている。
※この「白鳥編の登場人物」の解説は、「狂四郎2030」の解説の一部です。
「白鳥編の登場人物」を含む「狂四郎2030」の記事については、「狂四郎2030」の概要を参照ください。
- 白鳥編の登場人物のページへのリンク