用途別・形態別の主な椅子
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/25 13:55 UTC 版)
椅子は用途によって、パソコン用、一般事務学校用、会議・談話・食事用、休息・安楽用、寝椅子用に分類される。パソコン用、一般事務学校用、会議・談話・食事用は、通常は机やテーブルとともに使用される椅子である。 パイプ椅子 鉄製のパイプとクッション材を組み合わせた、安価で大量生産を可能とした椅子。一般的に「パイプ椅子」という場合、収納時に折りたたんで平坦に出来るタイプのものを指すことが多い。 事務用椅子 事務作業で用いる椅子の総称。座面の支柱が一本で、複数に分かれた脚部の先に車輪がついていることが多い。背もたれは金属ばね、ガス圧、油圧を用いた自動復元式が一般的で、少数ながらねじによる固定式がある。パソコン作業向けの製品は、両側に肘掛けを持ち、座面、背もたれ、肘掛けの高さや角度の調節が細かくできるものが多い。 スツール(ストゥール、ストール)(en:Stool (seat)) 背もたれやひじ掛けのない椅子。英語では「chair(チェアー)」と区別される。座面が円形のものも多く、それらを丸椅子と呼ぶこともある。以前の郵便物の棚への仕分けなど、席の離着や座ったままの移動が多い仕事向けに、事務用椅子と同様の車輪付きの脚を持つものもある。バーなど、飲食店のカウンター席用の背の高いものもスツールに分類される。 ミルクスツール 3本脚の小さな椅子で、ヒモを付けて壁に掛けられる。牛の乳絞りの際に用いるため、搾乳用腰掛とも言う。日本人向けの他の椅子の座面の高さが約40cm程度であるのに対し、こちらは約25cmと低い。 アームチェア(肘掛椅子) 肘掛けのある椅子。 ロッキングチェア(揺り椅子) 一般には椅子の脚の接地面側に橇状の湾曲した部材が取り付いており、重心を動かすことで前後に揺れる機能を有した椅子。 安楽椅子 ロッキング機能に加えて、背当て部分が倒れるなどのリクライニング機能が加わった椅子の総称。ときにロッキングチェアと同義で扱われる場合がある。 ソファ ソファーと表記されることも多いが、英語の発音は「ソウファ」に近い。接客目的で用いる背もたれの付いた長椅子。肘掛けを持たないものもある。表装は布製(ファブリック)や皮革(レザー)製品があり、表皮の張りとクッションの反発力は強いものから弱いもの(ルーズクッション)まで様々である。また、背もたれが水平まで倒れ、簡易ベッドとなるソファベッド(ソファーベッド)もある。 寝椅子 身体を横にすることができる椅子の総称。病院の診察室などで用いられることが多く、座った時の高さが通常の椅子と同じ高さになっていることから就寝用家具のベッドと区別する。シェーズ・ロング(長椅子)など。 カウチ 長椅子のうち、ソファが正式な接客目的で使われるのに対し、より小型でプライベートな目的で用いられる位置付けのものを指す。簡易的なベッドとして休息するために寝そべることができる。そのカウチに寝そべって怠惰な生活を指すカウチポテト族で知られるようになった。 座椅子 畳・床面等に尻をつけて座る、あるいは正座する姿勢と同様の座る姿勢を補助するもので、脚部が無く、座(=尻をのせる面・板)と背もたれが基本構成となっているもの。なお、肘掛けの有無は問わない。 ベンチ 形状は横長だけでなく、樹木の周りに沿わせた円形のものもあり、複数の人が腰掛けることができるようにした長椅子全般を指し、乗り物用のベンチシートもこれに由来する。部材は長いものの他、樹脂成形の一人用の椅子を複数並べたものもある。野外に置かれることが多く、木材・熱可塑性樹脂・FRP・金属など、一般に耐候性に優れた材質を用い、熱可塑性樹脂以外は表面加工を施したものが多い。公共の場に置かれることが多いため、近年は寝そべりや就寝による独り占めを防止する袖仕切りや凹凸を設けたものも増えている。 スローン ドラムを座って演奏するためのドラム椅子を「ドラムスローン」(drum throne)と呼ぶ場合がある。物理的な椅子としての王座や、幼児用の便器であるオマルを示すが、英語一般のスローンの意味は物理的な椅子というよりは王位や「王座」、頂点の座という意味合いが強い。
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