煙草 (小説)
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『煙草』(たばこ)は、三島由紀夫の短編小説。三島が戦後に書いた短編小説で最も古いものである[1]。学習院中等科に通っていた少年時代の「感覚的記憶」を題材・背景に、初めて吸った煙草の感覚と、その煙草をくれた上級生に同性愛的な恋心を抱く「私」の大人への精神構造変換の心境を綴った短編作品[1][2]。終戦前に執筆した『中世』と共に川端康成の推薦を受け、戦後文壇への足がかりとなった作品である[1][2][3]。また三島が自身の「四つの処女作」の一つとしている作品でもある[4][5]。
注釈
出典
- ^ a b c d e f g 「解説」(真夏・文庫 1996, pp. 289–294)。36巻 2003, pp. 202–207に所収
- ^ a b c d e 長谷川泉「煙草」(旧事典 1976, p. 250)
- ^ a b c d e f g 「私の遍歴時代」(東京新聞夕刊 1963年1月10日-5月23日号)。『私の遍歴時代』(講談社、1964年4月)、遍歴 1995, pp. 90–151、32巻 2003, pp. 271–323に所収
- ^ a b c 「四つの処女作」(文学の世界 1948年12月号)。27巻 2003, pp. 122–124に所収
- ^ a b c d e f 高橋新太郎「煙草」(事典 2000, pp. 222–223)
- ^ a b c d 田中美代子「解題――煙草」(16巻 2002, pp. 752–755)
- ^ a b 「解題――跋に代へて(未刊短編集)」(26巻 2003, p. 653)
- ^ a b c 「跋に代へて(未刊短編集)」(1946年夏に執筆)。26巻 2003, pp. 587–589に所収
- ^ a b 山中剛史「著書目録――目次」(42巻 2005, pp. 540–561)
- ^ 久保田裕子「三島由紀夫翻訳書目」(事典 2000, pp. 695–729)
- ^ a b c 「わが思春期」(明星 1957年1月号-9月号)。遍歴 1995, pp. 7–89、29巻 2003, pp. 339–408に所収
- ^ a b 臼井吉見・中村光夫「対談・三島由紀夫」(文學界 1952年11月号)。佐藤 2006, pp. 57–58
- ^ a b c d e 「戦後派ならぬ戦後派三島由紀夫」(本多・中 2005, pp. 97–141)
- ^ 「第三章――昭和21年」(年表 1990, pp. 53–59)
- ^ 「作家白描――三島由紀夫」(木村 1995, pp. 143–168)
- ^ a b 「第二章 戦中・戦後の苦闘」(佐藤 2006, pp. 39–72)
- ^ 「木村徳三宛ての書簡」(昭和21年5月3日付)。38巻 2004, pp. 484–487に所収
- ^ a b 長谷川泉「川端康成」(旧事典 1976, pp. 101–102)
- ^ 井上謙 1994, p. 469 [1]
- ^ 村松定孝「浮説昭和文壇史」(文学者 1985年11月号)。本多・中 2005, p. 101
- ^ 「少年」(人間 1948年5月号-1949年3月号)。小説10 1980, pp. 141–256に所収
- ^ 田中美代子「死の冥想と失楽園の予感」(『三島由紀夫短篇全集1』月報 講談社、1971年1月)。事典 2000, p. 223
- ^ a b c d e 山内由紀人「戦後耽美派の誕生――三島由紀夫と中井英夫:第三章『二度目の遺書』」(山内 1998, pp. 33–43)。事典 2000, p. 223
- ^ 「あとがき」(『三島由紀夫短篇全集1 花ざかりの森』講談社、1965年2月)。33巻 2003, pp. 404–405
- ^ 三好行雄編『三島由紀夫必携』(学燈社、1983年5月) 改装版は1989年4月、1993年6月。ISBN 978-4312005229
- ^ a b 「『煙草』異稿」(1946年1月18日執筆)補巻 2005, pp. 324–327に所収
「煙草 (小説)」の例文・使い方・用例・文例
- 彼女はマリファナ煙草所持の疑いで逮捕された。
- 煙草が灰皿の中でくすぶっている。
- おばあさんは煙草屋を畳んだ。
- 先進国の煙草・葉巻の市場に関する今後の見通しは暗い。
- 彼は数年前に煙草をやめた。
- 煙草を止めようと考えてます。
- 私は煙草を吸わない。
- 私は絶対に煙草を吸わない。
- 煙草を吸っていたのを先生にみつかる。
- 煙草は控えてください。
- 私は彼らのためにも煙草を吸うことは出来ない。
- 私はここで煙草を吸ってもよろしいですか。
- 彼は仕事をさぼって煙草を吸っていました。
- 彼は柱のようなものにもたれて煙草を吸っています。
- 彼女は煙草を吸って休憩している彼を見つけました。
- 彼らのためにも煙草を吸うことは出来ない。
- ここで煙草を吸ってもよろしいですか。
- 煙草を吸いません。
- 私は少しだけ煙草を吸って来ます。
- ここで煙草を吸っても良いですか?
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