ひょう‐りゅう〔ヘウリウ〕【漂流】
漂流
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/31 21:07 UTC 版)
漂流(ひょうりゅう)は、水面や水中を物体が漂い流れること。および、物が漂流するのと同じように人間や動物が当てもなくさすらうことをいう。同義語(同意語)に「漂泊」がある。
陸に達してその場に留まった漂流物(自然的および人工的ごみ、瓦礫)は漂着物といい、漂着ごみを含む。
英語ではdrifter、あるいは複数形のdriftersである。
漂流記録
漂流した人物
- 小栗重吉 - 484日(2023年春に「物証のある世界最長海上漂流記録」としてギネス記録に認められた。)。佐久島生まれの船頭[2]。漂流の記録は新城藩家老によって漂流記『船長日記』(おさふねにっき)にまとめられる[3]。
- ホセ・サルバドール・アルバレンガ - 438日(2012年11月17日Pijijiapan沿岸で遭難 ‐ 2014年1月30日マーシャル諸島で発見、発見時は36歳か37歳と自称)。メキシコ南部チアパス州チョコウイタル(Chocohuital)という村に住む漁師、漂流前から亀の血を飲んだり、生魚を食べていたのが功を奏したとされる[4][5][6]。
実験漂流
計画的漂流として、なんらかの実験のために漂流した例である[7]。
- アラン・ボンバール - フランスの医師・生物学者。ゾディアックボート製造のゴムボート「 l'Hérétique (異端者号)」に乗り込み、食料を持たず、魚を漁獲し、飲料水に海水を混ぜて増やして飲むなど計画的に行い1952年10月19日- 12月23日の期間をかけて大西洋を横断した。それらの記録は『実験漂流記』としてまとめられた[7][8]。
- 斉藤実 - 冒険家。ヘノカッパⅠ世号、ヘノカッパⅡ世号などで多人数による実験を行った。実験の尿、血液検査を海上労働科学研究所の久我医師と連携して行い海水・水割り・真水組による比較実験などが4回行われ、海水を雨水などの真水などに混ぜることで飲用水を増やして飲め、魚を得られれば長期間生きられることを証明した[8]。
「漂流」を主題とした作品
- 漂流 (小説) - 吉村昭の小説。同名で映画化された。
- 漂流に関連する作品 - 『ロビンソン漂流記』(ロビンソン・クルーソー)、『十五少年漂流記』、ほか多数。
出典
- ^ 池野, 茂 (1976年10月1日). “近世琉球の遭難漂流記録をめぐる諸問題”. 桃山学院大学社会学論集. pp. 47–87. 2024年6月27日閲覧。
- ^ “ジョン万次郎よりも前!484日間漂流→米国上陸した尾張の重吉さん:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル (2024年4月30日). 2024年6月27日閲覧。
- ^ “佐久島出身船頭・小栗重吉がひっそりギネス登録 「物証のある世界最長海上漂流記録」:中日新聞Web”. 中日新聞Web. 2024年6月27日閲覧。
- ^ Lah, Kyung (2016年1月8日). “Real-life castaway survived 438 days lost at sea” (英語). CNN. 2024年6月27日閲覧。
- ^ “太平洋13か月漂流の男性、カメの血飲むのは昔から 友人らが証言”. www.afpbb.com (2014年2月6日). 2024年6月27日閲覧。
- ^ Tuckman, Jo (2014年2月4日). “José Salvador Alvarenga's 13 months at sea backed by fishermen and officials” (英語). The Guardian. 2024年6月27日閲覧。
- ^ a b “世界一有名な漂流記"コン・ティキ号"の乗組員が「消しゴム味」と嫌った日本人にはおなじみのある食材 椎名誠「あらゆる漂流記の中で最高」 (2ページ目)”. PRESIDENT Online(プレジデントオンライン) (2021年9月5日). 2024年6月27日閲覧。
- ^ a b 実験漂流 著:福地 章
関連項目
- 「漂流」で始まるページの一覧
- 放浪
- プランクトン - 漂い放浪することから、放浪者・漂流者の意味をもつ ギリシア語planktós から命名された。
- 海上で失踪した人物一覧、海難事故の一覧
- キャストアウェイ ‐ 漂流して上陸した人。
- 行方不明
- 漂流者用避難所(英語:Castaway depot)
漂流
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/12/30 18:01 UTC 版)
済州島において推刷敬差官として奉職している間の1488年2月12日、羅州から奴婢がやってきて、崔溥の父が亡くなったことを知らせた。 儒教的価値観にしたがって、崔溥は直ちに職を辞し、喪に服す準備に入った。 しかしながら、43人の供回りの者らとともに朝鮮半島本土へ向けて出航しようとした矢先、嵐に吹かれ、14日間もの間、荒れた海を漂流した。船は寧波の近く台州に漂着した。漂流が始まって5日目に崔溥は以下のように記している。 霧が深くて何も見えない。足下にあるものすら何か分からないほどである。夕方まで激しい雨が降り続いて、夜になるといくらか和らいだ。恐ろしい波が大山のようにうねって、船を空へ持ち上げては波の底へと落とす。波のうねりが砕ける音で天地が裂けるほどである。私たちはいつ溺れ死んでもおかしくなかった。 — Khair (2006, p. 155) 崔溥は、供回りの者をせかして自らの着衣を死に装束に替えさせ、天に祈っていかなる罪科がこのような運命を導いたのか問うた。 漂流6日目、天候が回復し船は黄海内のある群島にたどり着いたが、そこは海賊の根城だった。 海賊らは崔溥一行の船の糧食を奪い櫂や錨を海に投げ捨てた上、船を海上に置き去りにして漂流するまま任せた。
※この「漂流」の解説は、「崔溥」の解説の一部です。
「漂流」を含む「崔溥」の記事については、「崔溥」の概要を参照ください。
漂流
「漂流」の例文・使い方・用例・文例
- 海を漂流して
- 氷山の漂流
- 15日の漂流後,私たちは陸が見えた
- 目が覚めてみると我々は大海原を漂流していた。
- 彼の船は無人島に漂流した。
- 潮流がその船を外海へと漂流させた。
- 顧みられぬ無数の漂流者が家を求めてる。
- 俺は絶海の孤島の漂流者。
- マストが折れて僕たちの船は漂流し始めた。
- その船は漂流して外海に出た。
- その船は波のなすがままに漂流していた。
- その船は海を漂流した。
- いかだは岸からずっと遠くへ漂流した。
- 大海原を漂流する.
- ロビンソンクルーソー漂流記.
- 小舟が漂流して[下流へ流されて]いった.
- 船を漂流させる.
- 彼らはある島に漂流した.
- 3 日間漂流してやっと岸にたどり着いた時は, 彼はもう精根使い果たしていた.
- 3 日間飲まず食わずで海上を漂流した.
固有名詞の分類
品詞の分類
- >> 「漂流」を含む用語の索引
- 漂流のページへのリンク