横綱に関する視点とその批判点とは? わかりやすく解説

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横綱に関する視点とその批判点

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/01/07 13:37 UTC 版)

彦山光三」の記事における「横綱に関する視点とその批判点」の解説

角界彦左とも称されるほど、相撲界への影響の強い彦山であったが、戦前に自ら編集していた『日本魂』さながら国粋的な思想傾向強く自身力を入れていた横綱に関する研究などでもその影響見られる横綱土俵入りを「手数入り」(でずいり)と称するようにしたのは彦山である。1926年10月23日神宮外苑奉納相撲プログラム中に横綱土俵入りのことを「横綱手数入」と紹介していたのに目を付けた彦山が、自ら編集する協会機関誌相撲」で1939年から1944年にかけて「横綱伝」を連載その中で手数入」を『でずいりと書いた。相撲評論家池田雅雄は、駆け出し記者だった頃、彦山自身にこの由来問い質したところ、出典など示されず「土俵入りよりも内容的だ」と説明されただけだったという。彦山横綱神聖視するあまり、「横綱土俵入り」ではあきたらなかったものと指摘している。さらに池田は、1926年時点でもこれを『てすういり』とルビをふる新聞大半で、後の相撲雑誌角道』でも同様であることなどを挙げ手数入りを「神がかり読み誤りの多い奇語」と評している。読売新聞社発行していた雑誌大相撲』では、彦山死後もこのテーゼ則って横綱土俵入りを「手数入り」(でずいり)と統一表記していた。 1939年1月双葉山69連勝安藝ノ海によってストップされた大一番で、安藝ノ海双葉山右足外掛けをとばし、双葉崩れながらも右から掬ったので、安藝掛けた足が外れたこのため安藝の体は双葉左側に傾いたが、こらえて残った右足を軸にしながら浴びせて双葉倒したこうした取組の展開に加えて双葉山左足が弱い」という当時イメージ重なり新聞多くが「安藝ノ海双葉山左足外掛け決めた」と報道してしまった。当日実況ではなかったがその傍らにいたNHKアナウンサー山本照は、自席前に座っていた彦山が「やっぱり左だな」と言うので、号外ラジオ新聞そろって左足掛かった」と報じたが、あとからニュース映画を見ると右足掛かっていたことがハッキリしたため一世一代間違い生じた、と証言している。一方で当の彦山は、最後まで左足掛かったとする説にこだわりフィルム見てすらも「レンズと言えども確と言えんよ」と山本語ったという。 1941年横綱昇進した羽黒山土俵入りの型(四股踏み、腰を割った姿勢のあと、せり上がりを行う際に両手広げる方式)を「不知火型」としてメディアで紹介、これ以降、現在に至る「不知火型」「雲龍型」という横綱土俵入り呼称定着したとされる彦山がこう断定した根拠は、歌川国貞描いた錦絵で、8代横綱不知火諾右衛門土俵上で両手広げてせり上がっている、というものである。しかし雲龍をはじめ、他にも多く横綱両手広げて土俵入り姿を錦絵描かれており、その姿が必ずしもせり上がり場面とは限らない可能性があるため、根拠乏しいという指摘がある。また大正期には、太刀山土俵入り羽黒山同じく両手広げてせり上がる型)が自ら「後に追手風となった横綱雲龍の型」と発言しており、一方、違う型(左手を左脇腹当て右手広げてせり上がる型)の2代西ノ海は「不知火の型」と報道されている。にもかかわらず彦山が「不知火型」を断定したことについて、相撲博物館初代館長酒井忠正からは、大砲左腕曲げてせり上がり立ち上がってから左右に開いたという例もあり、錦絵だけではせり上がりの形が判断できない指摘されている。だが、1940年代には彦山がすでに「故実権威であったこともあり、一般にそのまま定着して現在に至っている。こうした経緯から、雲龍型と不知火型の呼称逆転起きたとの批判もある。 池田雅雄月刊誌相撲」に自らが連載した歴代横綱正伝』の中で、彦山横綱に関する説に「一知半解独断」による誤りが多いことを指摘しており、彦山生前議論したこともあるが「一度云い出したことは、たとえ黒白はっきりしても、あとに引かない老人特有の頑固のために、けんか別れになってしまったこともある」、「理論通じない小児病患者やり方」などと痛烈に批判している。

※この「横綱に関する視点とその批判点」の解説は、「彦山光三」の解説の一部です。
「横綱に関する視点とその批判点」を含む「彦山光三」の記事については、「彦山光三」の概要を参照ください。

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