横結びと縦結び
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/18 05:37 UTC 版)
「結び方」の節で説明したときのステップ2で紐の上下を誤ると、強度が低くもつれやすい縦結び(Granny knot)になってしまう。正しく本結び(横結び)をつくるためには、ステップ1で紐を絡めたあと、手前から出てきた端が手前に、奥から出てきた端が奥になるように絡めればよい。正しく結べたかどうかは、結び終わったあと、2つの動端の残りの紐の部分に対する向きで見分けることができる(平行なら横結び、垂直なら縦結びである)。 1本のロープの端と端を本結びする場合、ステップ1の段階でロープには止め結びができており、ステップ2でその上にさらに止め結びをつくっていることになるが、この2つの止め結びの向きが同じならば縦結び、異なれば横結びということになる。 位相幾何学の一分野である結び目理論では、横結びと縦結びが異なる結び目であることを数学的に明らかにすることができる。結び目理論では、横結びは「左手型三葉結び目と右手型三葉結び目を合成したもの」、縦結びは「左手型三葉結び目同士(または右手型三葉結び目同士)を合成したもの」と解釈できる(前者は非交代結び目、後者は交代結び目となる)。結び目理論では紐の両端を閉じて考えるため、本結びの図は下図のようになる。これらの2つの結びが異なるということ(つまり紐を切ったりせずに片方から他方に変形することはできないということ)は、符号数などの結び目不変量を使って示すことができる。 結び目理論においては、横結びは「交点数が最も少ない非交代結び目」という特徴を持っている。 また、ロープマジックやシルクマジックを演じる上で、ロープやシルク(絹製のハンカチ)を結ぶ際に横結びにするか縦結びにするかが重要になることがある。 横結び 縦結び 右手型三葉結び目 左手型三葉結び目 結び目理論における横結びの図
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