果てしなき航海
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/10/20 15:09 UTC 版)
「天を見つめて地の底で」の記事における「果てしなき航海」の解説
ウィリアム・ロード 愛称「ウィル」。番外編「果てしなき航海」で、ロバート・ウィルカックス男爵に甘やかされた所為で、使用人の分をわきまえない傲慢な性格に堕落した少年。 秋が深まるある日、ウィルカックス男爵の後継としてやって来たセイと出会い恋するが、自身を守ろうとして真の姿を晒してしまった聖の角を見て悪魔と叫び、存在自体が罪だと宗教上の偏見から聖を拒絶し傷つけてしまう。ストラウス夫人に罪を犯したことのない人間なんて存在しないと諭され、自身の愚かさを悔いて聖に告白しながらも幼い兄弟ルイ&ロロを託してタイタニック号と運命を共にした。 チャールズ・ロングフォード ロングフォード侯爵家の長男。階級制度を心から侮蔑し、貴族の家に生を受けた我が身を恥じている男性。聖が堕天使、しかも悪魔の角を有しているという点までは知らないが、人間ではないと知った上で、ウィルとの恋の橋渡しをする。タイタニック号の事件の被害者の一人。ウィルと共に心静かに北の海に命を終えた。名前は後に「リチャード」とされ、前半と後半で異なる理由については不明である。 ログ・ゴードン ウィルカックス男爵邸の執事。心から亡くなった男爵に仕え、ウィルの将来を案じていた。 イサドル・ストラウス ウィルに愛を説いた貴婦人。キリスト教は所詮は人間が自分達に都合良く作り出したモノだが、それゆえに歪んだ部分を鵜呑みにした人間が多い中で「貴方は罪を犯したことはないの? いいえ、そんな筈はないわよね。人はみな生まれながらに罪を背負っているのですもの! 」とウィルの愚かさを指摘し、彼の言動に傷ついた聖の心を思い遣るように諭した。救命ボートに乗ることを拒絶し、愛する夫と共に氷海に沈む。 ルイ、ロロ タイタニック号事件で本当に洗濯かごに入れられて海上を漂流し、奇跡的に生き残った兄弟。実在の救助された乗客である。 ジャック・フィリップス局長、ハロルド・ブライド タイタニック号の通信局に勤務する無線通信士。乗客からの電報の依頼数が多くてイライラしていたことも事実だが、他の船の通信士からの善意の忠告を踏み躙ったため、氷山の危険を知らせようとした船員の声が届かなくなる元凶になった。タイタニック号の助けを求めるSOSはその所為で、聞けば救助に来てくれる船もあったにも関わらず、他の船に届かなかったのはこの2名の罪である。
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果てしなき航海
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第5巻1冊に纏められた長編。洋が生を受ける遙か昔、1912年にタイタニック号が沈む前年の晩秋、英国のウィルカックス男爵の隠し子「セイ」として聖が男爵邸にやって来たことから始まる。男爵を心臓麻痺に見せかけて毒殺した彼の弟夫婦に対する復讐に時間を浪費した所為でサタンに見つかり、口封じに殺されたとも知らず妹の死を嘆く少年ウィルをギルフォード(ウィルカックス男爵の弟)殺しの犯人にされ聖は自身の不覚を悔いる。なんとかウィルをアメリカに行かせようと手配した船は、かの名高きタイタニック号だった。女装してウィルを見守る聖だったが、サタンが仕向けた海の魔物から守った折に角を目撃され、神を裏切らせようとした敵だと叫んだウィルは守ってくれた聖を拒絶する。事情は知らないながら聖に想いを寄せ、優しく慰めるロングフォード侯爵。ウィルは、夫が誰にも許されない罪を犯し地獄に堕ちるのなら自身も共に地獄に行くという初老の婦人イサドル・ストラウスに諭され、沈没間際の混乱の中で"捨てようとした想い"を聖に告げ、幼い兄弟を託してロングフォード侯爵と共に氷海に沈む。聖は恋人と友人を救えなかった自身と彼らを含め大勢の人間を殺したサタンを憎み、なおもさ迷う孤独と嘆き苦しみを癒す洋との邂逅まで、更なる歳月を経なければならなかった。
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