杉孫七郎とは? わかりやすく解説

杉孫七郎

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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/12 14:18 UTC 版)

杉孫七郎

杉 孫七郎(すぎ まごしちろう、1835年2月13日天保6年1月16日)- 1920年大正9年)5月3日)は、日本武士長州藩士明治・大正期の官僚華族子爵)。は重華。は子華。通称は徳輔・忠次郎・少輔九郎。は松城・聴雨。

来歴・人物

植木五郎右衛門の次男として周防国吉敷郡御堀村(現・山口県山口市)で生まれる。母は周布政之助の姉である。杉考之進盛倫の養子となり、藩校明倫館で学んだ他、吉田松陰にも師事した。藩主小姓を務めた後、1861年文久元年)、藩命により江戸幕府の遣欧使節である竹内保徳松平康英らに従って欧米諸国を視察する。正式の使節団員ではなく、賄方並小使雇人の杉徳輔としての同行だった[1]。帰国後、下関戦争では井上馨とともに和議に尽くし、元治の内乱では高杉晋作を支持しつつも、保守派との軍事衝突には最後まで反対した。四境戦争では長州軍の参謀として活躍した。

明治維新後には山口藩副大参事となる。廃藩置県後の1871年(明治4年)、宮内大丞秋田県令を歴任後、再度宮内大丞を務める。1874年(明治7年)に宮内少輔1877年(明治10年)に宮内大輔1878年(明治11年)に侍補を兼務、後に皇太后宮大夫に転じる。

明治17年から同20年まで皇居御造営事務局長をつとめる。1887年(明治20年)に子爵に叙せられる。1897年(明治30年)に枢密顧問官に転じ、死去時までつとめた。その間、1898年(明治31年)から1900年(明治33年)まで、初代の東宮御所御造営局長をつとめる。

書にも優れていた。墓所は青山霊園立山墓地。杉聴雨墓と刻まれており、分かりづらい。

日本ホテル協会会長などを務めた原範行は曾孫[2][3]

刊行史料

栄典

位階
勲章等
外国勲章佩用允許

脚注

  1. ^ 幕末の遣欧使節竹内下野守一行大阪毎日新聞 1928.5.17-1928.5.30 (昭和3)
  2. ^ 新井恵美子原三渓物語』神奈川新聞社、284頁
  3. ^ 日外アソシエーツ『熊本県人物・人材情報リスト、2007』
  4. ^ 『官報』第994号「叙任及辞令」1886年10月21日。
  5. ^ 『官報』第3301号「叙任及辞令」1894年7月2日。
  6. ^ 『官報』第5525号「叙任及辞令」1901年12月2日。
  7. ^ 『官報』第110号「叙任及辞令」1912年12月11日。
  8. ^ a b 『官報』第2325号「叙任及辞令」1920年5月5日。
  9. ^ 『官報』第1027号「叙任」1886年12月1日。
  10. ^ 『官報』第1156号「叙任及辞令」1887年5月10日。
  11. ^ 『官報』第1351号「彙報 - 官庁事項 - 褒章 - 黄綬褒章下賜」1887年12月28日。
  12. ^ 『官報』第1928号「叙任及辞令」1889年11月30日。
  13. ^ 『官報』第4050号「叙任及辞令」1896年12月26日。
  14. ^ 『官報』第6450号「叙任及辞令」1904年12月28日。
  15. ^ 『官報』第251号・付録「辞令」1913年6月2日。p6
  16. ^ 『官報』第363号「叙任及辞令」1884年9月11日。

外部リンク

公職
先代
(新設)
東宮御所御造営局長
1898年 - 1900年
次代
堤正誼
先代
児玉愛二郎
図書
1895年 - 1896年
次代
都筑馨六
先代
(新設)
内蔵頭
1884年 - 1892年
次代
芳川顕正
先代
三条実美
皇居御造営事務総裁
皇居御造営事務局長
1884年 - 1887年
次代
(廃止)
先代
万里小路博房(→欠員)
宮内大輔
1877年 - 1884年
次代
(欠員→)吉井友実
先代
吉井友実(→欠員)
宮内少輔
1874年 - 1877年
次代
(欠員→)土方久元
その他の役職
先代
谷干城
斯文学会会長
1911年 - 1917年
次代
小松原英太郎
日本の爵位
先代
叙爵
子爵
杉(孫七郎)家初代
1887年 - 1920年
次代
杉七郎




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