木幡の幡祭りとは? わかりやすく解説

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木幡の幡祭り

名称: 木幡の幡祭り
ふりがな こはたのはたまつり
種別1: 風俗習慣
保護団体名: 木幡幡祭保存会
指定年月日 2004.02.16(平成16.02.16)
都道府県(列記): 福島県
市区町村(列記): 二本松市木幡
代表都道府県 福島県
備考 12月第1日曜日
解説文: 木幡の幡祭りは、福島県安達【あだち】郡東和町【とうわまち】木幡十二月第一日曜日行われる行事である。木幡山鎮座する津島おきつしま神社氏子である木幡九地区から、木幡山祀られる隠津島神社経て羽山神社まで色とりどりの布を縫い合わせた大幡担いで行列する華やかな登拝行事であり、ゴンダチと呼ばれる一八前後初め行事参加する男子成人儀礼を伴う行事である。
 東和町福島県中央部よりやや北寄り、二本松市の東に位置する福島県東部南北縦貫する阿武隈高地抱かれ山勝ちの町で、水田稲作同時に近世以来養蚕業盛んな地域であった
 祭り昭和四十一年までは旧暦十一月十八日に行われ参加する男子三日ほど前から地区ごとの堂社と呼ばれる籠もり堂に籠もって身を清めてから祭り臨んだが、昭和四十二年からは十二月第一日曜日行われるようになり、お籠もり前日一日だけという所が多くなっている。堂社は、近年では九地それぞれの地域集団指していう言葉にもなっている。
 祭り前日までに色とりどりの布や白布五反幡や三反幡を縫う幡縫いや、梵天駒形法螺貝、ゴンダチの持つ太刀作りなどの準備が堂社の人びとによって行われる。これらの準備が終わる前日夕方祭り当日の朝に、各自地区祀られている神に梵天、幡などを持って参加者やゴンダチがお参りする小宮参【こみやまい】りが行われ、前日夜に参加者やゴンダチが水垢離をとる。
 お山かけとも言われる祭り当日は、各堂社ごとに集合して行列作り全体集合場所である木幡第一小学校に向かう。各堂社の行列小学校に着く時間になると地元田谷【たや】堂社は迎え幡と神酒持って出迎える。参加する九堂社が揃うと出立が行われ、隠津島神社宮司による修祓受けた後、行列組んで出発する。各堂社ごとに参加者の中から大将、副大将選ばれそれぞれの堂社を指揮し九つの堂社全体をまとめる役として木幡観光振興会長総大将になる。ゴンダチは藁縄作った袈裟を首にかけ、木を男根状に削った太刀を肩からさげて行列参加する隠津島神社参宿所【さんしゅくしょ】に着くと休憩し早め昼食をすませる。
 ここからは幡を持った一行とゴンダチの一行二手分かれ、ゴンダチ一行隠津島神社南側参道進み羽山神社へ向かう。一方、幡を持った一行尾根づたいに進み羽山神社一足先に着いてゴンダチ一行を待つ。ゴンダチ一行羽山神社の手前にある岩場に着くと、大きな割れ目くぐり抜ける胎内くぐり」を行う。これは袈裟太刀はずしたゴンダチがお賽銭とも呼ばれる小銭くわえて大岩割れ目くぐり抜ける行事である。小銭はくぐり抜けると一度地面落として拾い上げ羽山神社参拝する前に乳と呼ばれる粥をいただくときに差し出すものである。ゴンダチは全員胎内くぐりを終わると大岩前に並び大岩の上立った年長者大岩の下に立った者とが問答をし、胎内くぐりをして生まれかわったゴンダチに命名する儀礼をする。これを「ゴンダチ呼び」とか「ゴンダチ呼ばり」とも言う。この後ゴンダチ一行羽山神社上がり手前小屋で「食い初め」とか「乳を御馳走になる」と言って小豆入れて作った「乳」とも呼ばれる粥を食べる。これがすむとゴンダチの一行持参した梵天丸餅羽山神社供え別の道を登ってきた幡の一行と共に神社前に勢揃いしてお参りする。その後ゴンダチだけで羽山神社を拝む儀礼が行われる。最初に神社背を向けて拝む「背拝み」、次に神社向かって横を向いて拝む「横拝み」、最後に神社正面して拝み都合三回拝むことになっている。この拝み方は、古く一年目に「背拝み」、二年目に「横拝み」、三年目正面向いて拝むというように三年がかりで行われていたという。このように三年かかってゴンダチが羽山神社拝んでいたころも、袈裟太刀着けて登ったのは一年目だけであった
 羽山神社お参りがすむと、幡の一行とゴンダチの一行はいったん尾根上がってから下山し途中で隠津島神社参拝してそれぞれの堂社に帰る
 この行事は、初め参加するゴンダチが胎内くぐり命名の儀礼、食い初めなど生まれかわりの儀礼を行うことや、羽山神社では三回目初め正面向いて拝むことが許されるなど、一種成人式役割果たしていることをよく示している。木幡地区男子はゴンダチとしてこの行事参加しない一人前とは認められず、大人仲間入りができなかったという伝承もそれを裏づけている。

木幡の幡祭り

名称: 木幡の幡祭り
ふりがな こはたのはたまつり
種別1: 風俗習慣
保護団体名: 木幡幡祭保存会
選択年月日 1994.12.13(平成6.12.13)
都道府県(列記): 福島県
市区町村(列記): 安達郡東和町木幡
代表都道府県 福島県
備考 所在地同一都道府県内のもの(このデータ種別1から移行しています)
解説文: 木幡の幡祭りは、福島県安達【あだち】郡東和町【とうわまち】木幡十二月第一日曜日行われる行事である。木幡山鎮座する津島おきつしま神社氏子である木幡九地区から、木幡山祀られる隠津島神社経て羽山神社まで色とりどりの布を縫い合わせた大幡担いで行列する華やかな登拝行事であり、ゴンダチと呼ばれる一八前後初め行事参加する男子成人儀礼を伴う行事である。
 祭り前日までに色とりどりの布や白布五反幡や三反幡を縫う幡縫いや、梵天駒形法螺貝、ゴンダチの持つ太刀作りなどの準備が堂社の人びとによって行われる。これらの準備が終わる前日夕方祭り当日の朝に各地区に祀られている神に梵天、幡などを持って参加者やゴンダチがお参りする小宮参【こみやまい】りが行われ、前日夜に参加者やゴンダチが水垢離をとる。
 お山かけとも言われる祭り当日は、各堂社ごとに集合した後行列を作って木幡第一小学校に向かう。各堂社の行列が着く時間になると地元田谷【たや】堂社は迎え幡と神酒持って出迎える。参加する九堂社が揃うと出立が行われ、行列組んで出発する。ゴンダチは藁縄作った袈裟を首にかけ、木を男根状に削った太刀を肩からさげて行列参加する。           隠津島神社参宿所【さんしゅくしょ】に着くと休憩し早め昼食をすませ、ここからは幡を持った一行とゴンダチの一行二手分かれ、ゴンダチ一行隠津島神社南側参道進み羽山神社へ向かう。一方、幡を持った一行尾根づたいに進み羽山神社一足先に着いてゴンダチ一行を待つ。ゴンダチ一行羽山神社の手前にある岩場に着くと、大きな割れ目くぐり抜ける胎内くぐり」を行う。ゴンダチ全員胎内くぐりを終わると大岩前に並び大岩の上立った年長者大岩の下に立った者とが問答をし、胎内くぐりをして生まれかわったゴンダチに命名する儀礼を行う。これを「ゴンダチ呼び」とか「ゴンダチ呼ばり」とも言う。この後ゴンダチ一行羽山神社上がり手前小屋小豆入れて作った「乳」とも呼ばれる粥を食べる。これがすむとゴンダチの一行持参した梵天丸餅羽山神社供え別の道を登ってきた幡の一行と共に神社前に勢揃いしてお参りする。その後ゴンダチだけで羽山神社を拝む。最初に神社背を向けて拝む「背拝み」、次に神社向かって横を向いて拝む「横拝み」、最後に神社正面して拝み都合三回拝むことになっている
 羽山神社でのお参りがすむと、幡の一行とゴンダチの一行はいったん尾根上がってから下山し途中で隠津島神社参拝してそれぞれの堂社に帰る
 この行事は、初め参加するゴンダチが胎内くぐり命名の儀礼、食い初めなど生まれかわりの儀礼を行うことなど、一種成人式役割果たしていることをよく示している。


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