日本自動車殿堂
特定非営利活動法人の日本自動車殿堂(JAHFA、小口泰平会長=芝浦工大名誉学長)が11月10日、東京・上野の国立科学博物館で08年度(第8回)日本自動車殿堂表彰式を行いました。独自の理念をもって日米自動車市場をひらいた元米国日産社長の片山豊氏(99歳)ら5人が選ばれ、殿堂入りを果たしました。また殿堂の08~09年カーオブザイヤーにはトヨタ自動車の「iQ」を選出しました。低燃費ながら高い安全性、運動性能を兼ね備えて新しいコンパクトカー像をつくり出したことが評価されました。
自動車殿堂は小口会長が呼びかけ、国立科学博物館の鈴木一義理工学研究部研究主幹ら学識経験者や自動車評論家を中心とする理事・会員約20人、ノーベル賞受賞者の江崎玲於奈氏や奥島孝康元早稲田大学総長ら顧問約10人で発足しました。01年から毎年5~6人の殿堂入りを選び、今年の5人を含めて44人が殿堂者になっています。
日本の自動車産業は欧米の自動車技術や産業を学ぶところから出発しましたが、現在、生産量や性能・品質、環境対応など世界の水準を凌駕(りょうが)し、わが国の主要産業の地位を得ています。周辺の関連産業分野を含め、自動車は高度な工業製品であり、先人たちのさまざまな工夫と叡智(えいち)があってはじめて、今日の地位を築くことができたわけです。しかし、こうした努力の足跡は時の経過とともに埋もれ、その多くが忘れ去られることが世の常です。優れた自動車の産業・学術・文化などに情熱を傾けた人々と、その偉業を永く後世に伝承してゆくことが必要との考えから、殿堂は設立されました。
小口会長は「技術立国と呼ばれるわが国にあって、その未来を担う青少年たちが、有用な技術の成果に目を向け、技術力や創造性の大切さ、発明や工夫の面白さを認識するためにも、この活動は意義あるものと考える」と、殿堂の意義を説明しています。
自動車殿堂は米国と欧州にもありますが、日本の場合は産業、技術だけでなく、“文化”にも着目している点が特色だそうです。最近、産業遺産や機械遺産など、先人の偉大な足跡を新しい知識や発想の参考にしようという温故知新の流れが出ています。自動車殿堂はそのさきがけといえるかもしれません。
今年殿堂入りしたのは片山氏のほか、電気自動車、ガソリン車の開発で多大な功績を上げた元日産自動車専務・元日産ディーゼル工業副社長の田中次郎氏(91歳)、スズキ初の軽自動車の開発をリードした稲川誠一元スズキ会長(83歳)、2輪車産業黎明期に性能評価を通じて基礎技術の確立に貢献した景山克三日本大学名誉教授(故人)、交通安全適性テストの開発、普及に尽力した美安達子電脳社長(79歳)。美安氏は女性初の殿堂入りです。
ちなみに、殿堂の選考は「自動車社会構築の功労者」を主題とし、①技術分野=日本の自動車技術開発に尽力された方②産業分野=日本の自動車及び自動車産業の基盤を開拓された方③学術分野=日本の自動車工学・学術に貢献された方④社会分野=日本の自動車社会(自動車交通・道路・行政・安全環境活動など)および自動車文化(スポーツ・アートなど)の発展に貢献された方―のいずれかを満たす方とする、となっています。
(掲載日:2008/11/27)
自動車殿堂は小口会長が呼びかけ、国立科学博物館の鈴木一義理工学研究部研究主幹ら学識経験者や自動車評論家を中心とする理事・会員約20人、ノーベル賞受賞者の江崎玲於奈氏や奥島孝康元早稲田大学総長ら顧問約10人で発足しました。01年から毎年5~6人の殿堂入りを選び、今年の5人を含めて44人が殿堂者になっています。
日本の自動車産業は欧米の自動車技術や産業を学ぶところから出発しましたが、現在、生産量や性能・品質、環境対応など世界の水準を凌駕(りょうが)し、わが国の主要産業の地位を得ています。周辺の関連産業分野を含め、自動車は高度な工業製品であり、先人たちのさまざまな工夫と叡智(えいち)があってはじめて、今日の地位を築くことができたわけです。しかし、こうした努力の足跡は時の経過とともに埋もれ、その多くが忘れ去られることが世の常です。優れた自動車の産業・学術・文化などに情熱を傾けた人々と、その偉業を永く後世に伝承してゆくことが必要との考えから、殿堂は設立されました。
小口会長は「技術立国と呼ばれるわが国にあって、その未来を担う青少年たちが、有用な技術の成果に目を向け、技術力や創造性の大切さ、発明や工夫の面白さを認識するためにも、この活動は意義あるものと考える」と、殿堂の意義を説明しています。
自動車殿堂は米国と欧州にもありますが、日本の場合は産業、技術だけでなく、“文化”にも着目している点が特色だそうです。最近、産業遺産や機械遺産など、先人の偉大な足跡を新しい知識や発想の参考にしようという温故知新の流れが出ています。自動車殿堂はそのさきがけといえるかもしれません。
今年殿堂入りしたのは片山氏のほか、電気自動車、ガソリン車の開発で多大な功績を上げた元日産自動車専務・元日産ディーゼル工業副社長の田中次郎氏(91歳)、スズキ初の軽自動車の開発をリードした稲川誠一元スズキ会長(83歳)、2輪車産業黎明期に性能評価を通じて基礎技術の確立に貢献した景山克三日本大学名誉教授(故人)、交通安全適性テストの開発、普及に尽力した美安達子電脳社長(79歳)。美安氏は女性初の殿堂入りです。
ちなみに、殿堂の選考は「自動車社会構築の功労者」を主題とし、①技術分野=日本の自動車技術開発に尽力された方②産業分野=日本の自動車及び自動車産業の基盤を開拓された方③学術分野=日本の自動車工学・学術に貢献された方④社会分野=日本の自動車社会(自動車交通・道路・行政・安全環境活動など)および自動車文化(スポーツ・アートなど)の発展に貢献された方―のいずれかを満たす方とする、となっています。
(掲載日:2008/11/27)
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