環境対応とは? わかりやすく解説

環境対応

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/26 01:21 UTC 版)

ディーゼル自動車」の記事における「環境対応」の解説

WHO(世界保健機関)はディーゼル排出ガス肺癌誘発する1級発ガン物質’(グループ1)に分類した。これはたばこの煙、酒、石綿プルトニウムヒ素などと同じである。米NCI国立研究所)が1万2000人の鉱夫調査した結果ディーゼル排出ガス強く露出した喫煙鉱夫肺癌発生率一般非喫煙者の7倍であり、間接喫煙よりディーゼル排気ガスを吸うことの方が危険だとしている。WHOの付属機関国際がん研究機関膀胱癌リスク増大にも「明らかな関連性」があると発表している。。 また、ディーゼル自動車排ガス花粉症引き起こす一つ原因とされる調査結果があるが、東京都依頼受けて調査行ったディーゼル車排出ガス花粉症関連に関する調査委員会は、平成15年5月に「ディーゼル車排出ガス曝露花粉症患者割合増加させているという疫学的証明得られなかった」と発表している(後述するが、当時石原都知事ディーゼル車大規模な排ガス規制断行した)。 粒子状物質 (PM) と窒素酸化物 (NOx) は燃焼状態により発生状況異なるので、現状では片方減らそうとすれば、もう片方増加してしまう。大量EGR噴射数回分けることで燃焼時の急激な温度と圧力の上昇を防いでNOx発生抑え、さらに、DPFPM捕捉する方式商用車乗用車実用化されている。NOxについては、排気尿素水噴射し、一旦アンモニア生成し、それを触媒によって窒素還元し無毒化する、尿素SCR還元システムトラックバス実用化され、一部乗用車にも採用されている。 トヨタのDPNRはDPFNOx吸蔵還元触媒機能追加PM浄化時にNOx同時還元できる。欧州向け乗用ディーゼル国内トラック採用されている。2006年9月ホンダ乗用車用適した二層構造NOx吸蔵還元触媒発表した。これはアンモニア触媒内部生成するもので、従来触媒より効率良くNOx還元できる。2007年8月日産二層構造NOx吸蔵還元触媒発表した吸着したHCにO2を加えてNOx還元する2008年4月フォルクスワーゲン (VW) は高圧低圧2つEGR組み合わせたシステムDPFNOx吸蔵還元触媒組み合わせて米国排ガス規制クリアするシステム発表した。ただしフォルクスワーゲンディーゼル自動車は、排出ガス規制不正にごまかしていたことが2015年判明したフォルクスワーゲン#排出ガス規制不正問題参照)。このスキャンダルにより、全メーカーディーゼル自動車実際の環境対応性能について強い疑念生じることとなったスペース余裕のあるトラックバスではNOx発生抑えてDPF適用してPM浄化するか、PM発生抑えて尿素SCR還元システムNOx吸収するという方法規制クリアしているが、スペース限られた乗用車ディーゼルではDPFNOx後処理装置NOx吸蔵還元触媒尿素SCR還元システム)を欧州日本・米国で規制値合わせて組み合わせていると思われる

※この「環境対応」の解説は、「ディーゼル自動車」の解説の一部です。
「環境対応」を含む「ディーゼル自動車」の記事については、「ディーゼル自動車」の概要を参照ください。

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