日本の風景とは? わかりやすく解説

日本の風景

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/28 01:13 UTC 版)

風景」の記事における「日本の風景」の解説

古代以来伝統として、和歌歌枕があった。名歌詠まれ土地名所)を訪れ古人偲んで歌を詠む、という伝統があり、住吉の浜などが有名な歌であった中国発達した山水画日本にも大きな影響与えた山水画では、名所として瀟湘八景湖南省洞庭湖付近風景)が選ばれ好んで画題とされていた。日本画人瀟湘八景題材としたが、その影響室町時代以降近江八景琵琶湖付近風景)が選ばれた。また、雪舟水墨画天橋立図」も有名である。 江戸時代初期松島宮島天橋立が「日本三処奇観」と呼ばれ、やがて日本三景として定着した江戸時代各国地理関心高まった時代で、『都名所図会』『江戸名所図会』などの刊行や、葛飾北斎の「富嶽三十六景シリーズなども自然風景への関心示していると言えよう。 明治時代中期ベストセラーとなった志賀重昂の『日本風景論』(1894年)は、日本人新しい風景観もたらしたと言われるナショナリズム立場から、日本の風景が変化富み優れていることを説いたのであるが、自然の中に美を見出そうとする態度は後に大きな影響与えたまた、登山について実用的な案内行っており、登山ブームきっかけにもなった(アルピニズム参照)。 新たな風景観の中で尾瀬上高地などが自然風景として評価されるようになった1934年には国立公園として瀬戸内海雲仙霧島の3箇所初め指定され同年阿寒大雪山日光中部山岳阿蘇山の5箇所追加された。また同じ頃、外貨獲得のため観光地整備するという政策取られ、その一環上高地雲仙志賀赤倉阿蘇蒲郡唐津松島琵琶湖川奈日光などに国際観光ホテル建設された。鉄道など交通機関発達も、日本の風景に大きな影響与えたといえる。 なお、日本における風景原義は、風光であり、景そのものではなく風と光の織りなすものといった意味があるとの指摘もある。景観比較して風景は自然が中心で・人工物点景である。風景景観同じく主体との関係はあるのだが、これを鑑賞できる一定の教養前提にしているから、その水準での主観性をもちやすい。日本三景近江八景などはその例である。風景のほうは多分に心情的な面が強く古くから使われてきたから市民的には使いやすい言葉である。「風景」という言葉には、文学的芸術的なニュアンス多く含まれており、景観よりも柔らか心情的な響きがあって、こちらのほうが的確に表現できる場合もある。文芸評論家奥野健男の『文学における原風景』は作者の心に内在する風景取り上げたものだが、それ以来原風景」という用語がよく使われるようになったとされる。これを「原景観とは言えない。

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