日本の風神とは? わかりやすく解説

日本の風神

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/19 00:33 UTC 版)

風神」の記事における「日本の風神」の解説

『古事記』『日本書紀』記され神話の中では、シナツヒコ風神とされている。『古事記』では、神産みにおいてイザナギイザナミの間に生まれた神であり、風の神であるとしている。『日本書紀』では神産み第六一書で、イザナミ朝霧吹き払った息から級長戸辺命しなとべのみこと)またの名を級長津彦命という神が生まれ、これは風の神であると記述している。 『太平記』の記述として、(元寇の際)伊勢神宮風宮青い鬼神が現れ土嚢(※風袋のこと)から大風起こしたとあり、少なくとも室町時代には風神ビジュアル風袋持った青鬼)が確立していたことがわかる(※風袋に関して大陸渡来であることは別項風神雷神図」に詳しい)。このような鬼神型の風神は、青鬼の姿で表現される一方で遠くヘレニズム文化から伝播したと見られる風袋(※これをふいごのようにして風を起こす)を背負った様式描かれる俵屋宗達風神雷神図屏風はその代表的なものである。また、このような風神の神と密接に関係しており、を呼ぶ稲妻司る雷神は、風神と対をなす存在となっている。 平安時代歌学書袋草子』、鎌倉時代説話集十訓抄』には、災害病気もたらす悪神としての風神鎮めるための祭事があったことが述べられている。奈良県龍田大社では7月4日風神祭りが行われている。 風の又三郎かぜのまたさぶろう)は、東北地方各地信仰されてきた半ば妖怪ともいえる風の神であり、古来神社祀られてきた。新潟県などで信仰されてきた風三郎/風の三郎(かぜのさぶろう)も同根である。このような形の風神は、日本各地似たようなものが見られる宮沢賢治短編小説風の又三郎』とその先駆作『風野又三郎』はこの風神に材を採った作品である。また、日本の楽曲北風小僧の寒太郎』にも少なくとも発想の上影響見られる疫病神としての風の神は、空気流動農作物漁業への害をもたらし、人の体内入ったときは病気引き起こすという、中世信仰から生まれたのである。「かぜをひく」の「かぜ」を「風邪と書くのはこのことに由来する考えられており、江戸時代には風邪流行時に風の神象った藁人形を「送れ送れ」と囃しながら町送りにし、野外捨てたり川へ流したりしたという。江戸時代奇談集『絵本百物語』では、風の神邪気のことであり、風に乗ってあちこちさまよい物の隙間暖かさ寒さ隙間狙って入り込み、人を見れば口から黄色い息を吹きかけ、その息を浴びたものは病気になってしまうとされる。また「黄なる気をふくは黄は土にして湿気なり」と述べられており、これは中国黄土地帯から飛来する黄砂のことで、雨天前兆風による疫病発生暗示しているものといわれる。西日本各地では、屋外急な病気発熱遭うことを「風にあう」といい、風を自然現象ではなく霊的なものとする民間信仰みられる

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