しづき‐ただお〔‐ただを〕【志筑忠雄】
志筑忠雄(しづきただお 1760-1806)
江戸後期の天文学者・蘭学者、「暦象新書」「八円儀測量法」著者。
志筑忠雄は、山片蟠桃の地動説と相前後してニュートン力学に理解を示した江戸後期の天文学者・蘭学者である。志筑忠雄は、長崎で通詞の家に生まれ、初めは中野姓を名乗った。通詞志筑家に養子に入り家を継ぎ、一時通詞見習いとなったが、これを辞し、和漢の書を読み天文・暦学を研究した。オックスフォード大学の天文学教授ジョン・ケイル(John Keill, 1671年-1721年)の講義録「物理学入門」(オランダ語版)の翻訳にあたった。
ニュートン科学に出会った最初の日本人となった志筑は、天文学の入門書となる「暦象新書』を完成させる。
志筑の特徴は、ニュートンなどの著書の単なる翻訳・紹介にとどまらず、他書からの引用や独自の解釈を加えた独創性にある。ニュートン力学等の理解については、江戸時代を通じて最高の水準にあり、天文学の入門書「暦象新書」(享和2年 1802)、八分儀について記した「八円儀測量法」(1798)、「日蝕絵算」などを刊行した。また、「混沌分判図説」(1793)で、宇宙生成に関して、次のように述べているという。
「天地の初め語るにあらず、後世必ずこれを詳にする者あらん、或いは西人既に其説あらんも 知らず。唯未だ聞かざると」
志筑忠雄は、山片蟠桃の地動説と相前後してニュートン力学に理解を示した江戸後期の天文学者・蘭学者である。志筑忠雄は、長崎で通詞の家に生まれ、初めは中野姓を名乗った。通詞志筑家に養子に入り家を継ぎ、一時通詞見習いとなったが、これを辞し、和漢の書を読み天文・暦学を研究した。オックスフォード大学の天文学教授ジョン・ケイル(John Keill, 1671年-1721年)の講義録「物理学入門」(オランダ語版)の翻訳にあたった。
ニュートン科学に出会った最初の日本人となった志筑は、天文学の入門書となる「暦象新書』を完成させる。
志筑の特徴は、ニュートンなどの著書の単なる翻訳・紹介にとどまらず、他書からの引用や独自の解釈を加えた独創性にある。ニュートン力学等の理解については、江戸時代を通じて最高の水準にあり、天文学の入門書「暦象新書」(享和2年 1802)、八分儀について記した「八円儀測量法」(1798)、「日蝕絵算」などを刊行した。また、「混沌分判図説」(1793)で、宇宙生成に関して、次のように述べているという。
「天地の初め語るにあらず、後世必ずこれを詳にする者あらん、或いは西人既に其説あらんも 知らず。唯未だ聞かざると」
志筑忠雄
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/04 08:44 UTC 版)
志筑 忠雄(しづき ただお、宝暦10年〈1760年〉- 文化3年7月3日〈1806年8月16日〉)は、江戸時代長崎の蘭学者、阿蘭陀稽古通詞(のち辞職)。
- ^ 松尾龍之介 (2009). “(研究ノート)志筑忠雄の実家―中野家に関するノート”. 『洋学史研究』 第26号: pp. 105-111..
- ^ 渡辺庫輔『阿蘭陀通詞志筑氏事略』、p. 31 - 35。
- ^ 原田博二「阿蘭陀志筑家について」、p. 24 - 25。
- ^ イサベル・田中・ファン・ダーレン「オランダ史料から見た長崎通詞 - 志筑家を中心に -」、p. 32 - 34。
- ^ 田尻佐 編『贈位諸賢伝 増補版 上』(近藤出版社、1975年)特旨贈位年表 p.42
- ^ 鳥井裕美子「志筑忠雄の生涯と業績 - 今なぜ志筑忠雄なのか?」、および大島明秀『「鎖国」という言説 - ケンペル著・志筑忠雄訳『鎖国論』の受容史 - 』、p. 68 - 69、表3参照。
- ^ “暦象新書. 上,中,下編”. 早稲田大学図書館. 2020年12月14日閲覧。
- ^ 大森 実「『暦象新書』の研究 : 主としてその物理学について」『法政史学』第15巻、法政大学史学会、1962年、doi:10.15002/00010679。
- ^ 久保誠『阿蘭陀通詞 志筑忠雄の思想 : 近世日本における統一的宇宙観の展開』 聖学院大学〈博士(学術) 甲第024号〉、2013年。NAID 500000731339 。
- ^ 『日本哲学思想全書 第6巻(科学 自然篇)』平凡社、1956年。全国書誌番号:51002270。
- ^ 大島明秀「志筑忠雄「三種諸格」の資料的研究」『シーボルト記念館鳴滝紀要』第28巻、シーボルト記念館、2018年、7-21頁、CRID 1050845760837585024、ISSN 0918-0087。
- ^ 大島明秀 2019, p. 39, 表1.
- ^ 大島明秀「志筑忠雄「万国管闚」の文献学的研究」『雅俗』第17巻、雅俗の会、2018年7月、52-72頁、CRID 1050845763336305792、hdl:2324/2328864、ISSN 13437577。
- ^ 大島明秀 2019, p. 37-54.
- ^ 大島明秀「志筑忠雄「阿羅祭亜来歴」の訳出とその書誌」『雅俗』第12巻、雅俗の会、2013年7月、33-47頁、CRID 1050001335882491392、hdl:2324/1449085、ISSN 1343-7577。
- ^ 「概要」の記述は、全て大島明秀『「鎖国」という言説 - ケンペル著・志筑忠雄訳『鎖国論』の受容史 - 』に拠って記された。
- ^ 吉田光邦『江戸の科学者たち』p. 156
[続きの解説]
「志筑忠雄」の続きの解説一覧
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- 2 志筑忠雄の概要
- 3 参考文献(和文)
- 4 外部リンク
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