心意(インカーネイト)システム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 03:26 UTC 版)
「アクセル・ワールド」の記事における「心意(インカーネイト)システム」の解説
BBプログラムには、プレイヤーのイメージを源泉にデュエルアバターの操作を補助する機能が設けられている。これを「イマジネーション回路」といい、通常は補助操作系として、主に人体に本来備わっていない機能(シルバー・クロウの翼やブラック・バイスの多重層など)を思い通りに動かすために機能している。劇中で「心意」と呼称する場合は、この回路に強力なイメージを押し付けることで「事象の上書き」(オーバーライド)を引き起こし、システム以上の現象を意図的に発現させる行為を示すことが多い。 熟達すれば加速世界のバランスを崩すほどの能力をデュエルアバターに与えるが、パッチを当てるなどの対処がなされた様子がないなど、ある意味で加速技術以上に謎が多い。高レベルリンカーたちによって、ある程度系統立てられ訓練方法も確立されているが、同時に習得・使用には自らのアバターを創り出した「心の傷」と向き合わなければならず、乱用すると心の闇に呑み込まれてしまう危険性を孕み、かつてそれによって災禍の鎧を生み出した危険性からその存在は秘匿されており、特に心意技による先制攻撃は御法度とされている。心意技の発動には発声も重要であるが必殺技のように必須というわけではなく、長い時間をかけて訓練すれば無声でも発動することができるようになる。 心意システムの根源は、大天使メタトロンによると「自らの存在そのものを保ち、守ろうとする意思」と考えている。それに対してハルユキは自分の心を守る壁でありデュエルアバター誕生過程は心意システムそのものと考えている。 心意攻撃には3つの段階が存在する。 第一段階:基本4種として《攻撃威力拡張》《装甲強度拡張》《移動能力拡張》《射程距離拡張》がある。ただしほとんどのアバターは4つ全てを使うことは不可能とされている。また心意技は対象が個人であるか範囲であるか、希望や勇気などに根ざす正の心意であるか、怒りや憎しみに根ざす負の心意であるかによっても分類され、それぞれの組み合わせによって計4種のパターンに分かれる。 第二段階:基本4種を組み合わせる、あるいは全く新しいイメージを具現化することでよりオーバーライドの規模を高めたもの。《空間侵食》を伴う第四象限に属する破壊の心意もこの段階に含まれる。第一象限の心意技《範囲を対象とする正の力》の使い手が、第四象限の心意技《範囲を対象とする負の力》を行使することは精神に過大な負荷を生み、耐えきれずに昏倒してしまうことすらある。 第三段階:別名《絶対理論》。「ハイエスト・レベルでの情報直接干渉」をすることで、心意を一点に極限まで集中することで発動できる。これはいわゆる「結果のごり押し」による高次元から事象操作であり、見た目の派手さはないものの距離や攻撃力、防御力などを一切無視して有無を言わせず事象を書き換えることができる。プレイヤーである以上《心より出づる意志》という大原則に捕らわれてしまうため、第三段階をマスターしたバーストリンカーはいないが、これを極めたものは加速世界の神にも等しい力(≒管理者権限)を得ることになるとされる。現在までに登場した第三段階の使い手は全てオリジネーターであり、純色の七王では青と緑の王は使えるのが確実視されている。 なお楓子やバイスによれば、単純に心意攻撃を行うだけなら正の心意より負の心意の方が扱いやすいらしい。また、心意攻撃は同じ心意攻撃でしか防御できず、必殺技やアビリティでは対処できないという絶対的な性質がある。 過剰光(オーバーレイ) 心意技を使用した際に発生する光。色は心意使用時の心理状態や元となった感情に左右され、「希望」や「勇気」など正の心意なら銀や赤などの鮮やかな色に、「怒り」や「憎しみ」など負の心意なら黒や灰色などの暗い色になる。第一段階より第二段階の方が派手なライトエフェクトが発生するが、イマジネーションを変換する際に生じるノイズでしかないため心意が収束される第三段階では余剰光も小さくなる。 零化現象(ゼロフィル) 魂からアバターに伝わる信号が0(ゼロ)に埋め尽くされた状態。無力感や諦めのようなイメージがイマジネーション回路に大量に流れ込んだ結果、デュエルアバターが「動けない」状態に上書きされてしまう現象。ゼロになるのはあくまでアバターを動かすための運動命令であり、量子回路すなわち魂からは負の心意が大量に出力されている。 逆流現象(オーバーフロー) 零化現象の上位版。怒りや憎しみといった負の心意が溢れ、制御できなくなること。本来は加速世界においてアバターに起こる現象だが、稀に負の心意技を身に着けたバーストリンカーが現実でも起こすことがある。 オーバードライブ 零化現象とは逆に、自身の闘志や戦意を高めることで若干の能力強化を行うコマンド。システム外の存在ではあるが、厳密には心意技ではない(あくまで軽い自己暗示でしかない)ため、効果もそれほどのものではない。黒雪姫/ブラック・ロータスは、近接攻撃力を強化する「モード・ブルー」、遠隔攻撃力を強化する「モード・レッド」、防御力を強化する「モード・グリーン」の3種に体系化して活用している。
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