建築作品と作風の概要とは? わかりやすく解説

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建築作品と作風の概要

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/21 01:02 UTC 版)

増田友也」の記事における「建築作品と作風の概要」の解説

増田友也先生退官記念 著作・作品目録』によると、増田友也建築作品84作で、内訳実施61作、計画案23作であるという。長岡大樹増田言論に基づき3つの設計態度作風)の抽出行っている。 1967年8月建築と絵との体質的な差異について<建築絵画彫刻のように何ものかを再現しようとしていません それは林檎とか風景とか人体とかはもちろんのこと 青 海の蒼をも再現しようとはしていません それは理想的に一色大理石でも作るのが本来の建築なのです 線と面と光と翳 それだけ建築単語なのです 建築と言う考え成立した当初はまさにこの通りだったのです>。 文脈から察するに、増田自らの設計思想論じた文章とは異なるため、ここから設計態度作風)を導き出すことが適切であるかは、議論余地があり、それでいていくらか恣意的な印象感じなくもないが、「A:建築は何ものかを再現するものではない。B:一種類の材料色彩)で作ることが本来の建築である。C:建築単語は「線と面と光と翳」だけである」とまとめており、これを (1)建築矩形基調とし、過度な形態操作をしない(A) (2)コンクリート打放し仕上げ大部分占める(B/58 作が鉄筋コンクリート造で、うち50 作品打放し仕上げ(3)陰影を線・面の構成建築表現する整理するとりわけ建築意匠面での特徴として、長岡大樹(3)陰影を線・面の構成建築表現する注目しており、壁の造形表現移り変わりを見ることで増田作風捉えることができるとして、論文発表されているのが「増田友也建築と壁の造形」(2011年)である。 この研究論文では、「庇・屋根壁」有無組み合わせ造形的特徴から、次のように8種類の「壁面構成手法」として整理行っている。 張出し庇:庇が壁体からキャンティレバー張出しファサード平の帯を与える。 壁面全体の門型枠:庇の役割を果たす屋根スラブ両サイド袖壁が、壁面全体を門型( 型)にづける。 屋根持ち上げ屋根を壁から持上げて、壁の輪郭(特に壁の上辺)を際立たせる柱梁による方形架構建物骨組である柱・梁方形架構壁面全体表出させる。 重厚な一枚壁:一枚重厚な壁を建物正面据え内外隔てる。 バルコンバルコニー)のルーバー分割外壁からガラス後退させて設えバルコン垂直にルーバー並べる。 垂直ルーバー壁:GL から軒まで届く垂直ルーバーを壁体に組み込む雁行屈折壁:隣り合う室を雁行型にずらして並べ屈折する壁面構成する。 この8種類の「壁面構成手法」に加えて手すりなど「壁の付加要素」、壁面凹凸となる「外壁面の断面形状」、ガラス・壁・手すりなどの前後関係である「壁面要素前後関係」を検討材料に、増田友也建築作品における壁の造形7つパターン4期区分整理行っている。 I期初期1957年1959年 延長体である張出し庇がファサードをめぐり、各層ごとに平の帯が走る。 方形架構横架材による日型のパタン壁面全体を覆う。 II期前期1960年1963年 袖壁屋根スラブファサード全体を門型にづけている。 III期中期1963年〜1971年 壁はコーナー回り込まず袖壁として余分に伸び、「一枚壁」として明確に分節化している。 コンクリート壁の懐に深く入り込んだバルコンバルコニー)を垂直ルーバー区画するため、壁面には彫りのある矩形が並ぶ。 IV期後期1968年1980年 (垂直ルーバー壁によって)中期彫塑的な壁から転じて、「開きつつ閉じる」半透明の相をした壁を実現している。 部屋の数だけ屈折する壁面ファサード形成している。さらに上階部屋を下階から後退して屋上庭園ルーフテラス)を設けることも多い。

※この「建築作品と作風の概要」の解説は、「増田友也」の解説の一部です。
「建築作品と作風の概要」を含む「増田友也」の記事については、「増田友也」の概要を参照ください。

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