庭園や公園の池
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 16:43 UTC 版)
「池泉」も参照 人が地面を掘り、くぼみを作り、そこに水をためたものも池と言う。水が地下に逃げないようにする必要があるが、この種で代表的なのは庭の池で、通常は審美的な目的で野生生物の生息地を提供するため、または水泳のために、庭または風景に構築されたウォーター・フィーチャーをいう。庭の池は優れた野生生物の生息地となるため淡水野生生物の保護に貢献できうる。トンボやカブトムシなどの無脊椎動物や両生類は、新しい池にすばやく定着することができまた所有者は、庭の池が複製する小さな水域の生態を多くの独創的かつ貴重な観察を行うこともある。 ただし庭の池も問題を引き起こし、特に外来の植物が広がる経路にもなる場合もある。英国では淡水を保護する上でかなり実用上の問題を引き起こす非在来種のクラッスラ属helmsiiとMyriophyllum aquaticum(オオフサモ)は 両方とも庭の池より逃れて侵入を引き起こすことが知られる。 池は、自然のプロセスまたは人の手によって施工されるが、池で見つかる野生生物の種類は地面の穴の起源はにほとんど違いをもたらさない。さらに重要なのは、池が汚染されているかきれいであるか、他の湿地にどれだけ近いか、その深さ、特に時々枯れるどうか、魚がもしいれば何匹いるかである。当然のことながら、池は、川のような他の淡水よりも、物理的および化学的条件が日によって異なり、日中も異なる。しばしばこうした自然傾向に対処するために庭の池にポンプを設置するが特により高いレベルの溶存酸素を維持するためで、これは一般的な野生生物にはおそらく必要ではないが小さな池に魚を飼う場合には不可欠とされる。汚染された栄養豊富な水道水が水源の池では、フィルターを使用して藻類の量を減らすことがなされる。 ヨーロッパの庭園の池の形は、伝統的には円(正しい円)や正方形や長方形が多い。ヨーロッパでは「シンメトリーが美しい」とする伝統、美的感覚、庭園理論(ランドスケープ理論)などがあるためである。(地面を掘り下げもするが、それに加えて)、しばしば池の周囲をブロックやレンガやコンクリートなどで囲む、ということも行う。池に噴水や泉を設置する、というのもひとつの典型的なスタイルである。 日本の庭園ではさまざまなスタイルがあるが、伝統的な日本庭園は自然を模しているので(ヨーロッパのようなシンメトリーをとらず)、その池も複雑な形になっているものが多い。しばしば池の脇に、渓谷を模した岩をいくつか配置し、(まるで水が山地や渓谷から流れ下り、やがて平地にいたるように)岩から池へと水をひいているものが多い。有名な庭園の池のなかには「心」という文字のかたち(筆で「心」を草書体で書いたかたち)にしてあるものがいくつもある。これを心字池(しんじいけ)と言う。これは西芳寺や桂離宮の庭などにもあり、歴史が古く由緒正しいものである。一般家庭の庭の池でも(日本庭園に詳しい人や、教養豊かな家庭では)有名庭園の心字池を模してその形に作ってある場合がある。日本の庭園の池は基本的に地面を掘り下げている場合が多い。そして池の周囲を様々な形の岩や石で囲っていることが多い。 日本の庭園の庭では鯉や金魚を飼育することも多い。水漏れを防ぐ方法のひとつは粘土だが、これは維持に手間がかかる。他にコンクリートで作る方法があり、維持に手間がかからないのがメリットであるが、作った直後はコンクリートから水酸化カルシウムがにじみ出て水がアルカリ性になるので魚を入れられず、魚を入れる前に数カ月ほど乾燥・放置し、その後に何日か水を入れ替えつづけ水のpHが落ち着くのを確認してから、ようやく魚を入れることができるようになる。 大きな池や凝った池は庭園業者や庭園職人などに作ってもらうことが一般的だが、さほどの規模でないものや簡素なものはDIYで作ることも可能である。 (昭和期あたりから)プラスチック製の小さな池(ひょうたんの形をしたいわゆる「ひょうたん池」など)も園芸店やホームセンターで販売されるようになった。質感や風情は劣りサイズもかなり小さいが、車に積んで持ち帰り、それを庭に埋めたり置くだけで即日で池ができる。
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