天皇の神格性と「現人神」とは? わかりやすく解説

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天皇の神格性と「現人神」

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/01 06:17 UTC 版)

国家神道」の記事における「天皇の神格性と「現人神」」の解説

古来より天皇神格性は多岐に渡って主張されたが、明治維新以前尊皇攘夷倒幕運動相まって古事記・日本書紀等の記述根拠とする天皇神格性は、現人神あらひとがみ)として言説化された。また、福羽美静津和野国学者構想していた祭政一致具現化過程では、天皇が「神道司る一種教主的な存在」としても位置づけられた。幕府朝廷両立体制近代国家としての日本創成していくには不都合であったが故の倒幕運動であり、天皇中心とする強力な君主国家築いていきたい明治新政府意向とも一致したため、万世一系天皇祭政両面頂点とする思想形成されていった具体的な国民教導失敗した宣教使廃止された後、神仏合同おこなわれた教部省による国民教導では、「敬神愛国の旨を体すべきこと」、「天地人道を明らかにすべきこと」、「皇上奉戴朝旨ちょうし天皇命令指示)を遵守せしむべきこと」の3つ、「三条教則」が設定された。この「三条教則」を巡る解説書仮名垣魯文の『三則教の棲道』(1873年)など多数出された。これらのなかには神孫だから現人神称し奉る」とする例が複数存在したまた、教部省廃止以降もその思想的展開として、東京帝国大学宗教学講じた加藤玄智は『我が国体の本義』(1912年)で「現人神とも申し上げてをるのでありまして、神よ一段低い神の子ではなくして、神それ自身である」と述べている。憲法学者で東京帝国大学教授の上慎吉の「皇道概説」(1913年国家学会雑誌27巻1号)は「概念上神とすべきは唯一天皇」と述べ、これが昭和初期には陸軍正統憲法学となっていった。陸軍中将石原莞爾自著最終戦争論戦争史大観』(原型1929年7月中国長春述べた講話要領」)中で 人類心から現人神信仰悟入したところに王道文明初めてその真価を発揮する最終戦争即ち王道覇道決勝戦結局天皇信仰するものと然らざるものの決勝戦であり、具体的に天皇世界天皇とならせられるか、西洋大統領世界指導者となるかを決定するところの、人類歴史の中で空前絶後の大事件である。 と述べるなど、昭和維新運動以後軍国主義台頭によって、天皇の威を借りた軍部による政治介入頻発した満州事変はこの石原最終戦争論もとづいて始められた。 GHQによる神道への危険視は、神国現人神聖戦などの思想対象となっており、昭和天皇1946年発した新日本建設に関する詔書」(通称人間宣言」)もこのような背景出されたものと考えられている。

※この「天皇の神格性と「現人神」」の解説は、「国家神道」の解説の一部です。
「天皇の神格性と「現人神」」を含む「国家神道」の記事については、「国家神道」の概要を参照ください。

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