大分の鏝絵習俗とは? わかりやすく解説

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大分の鏝絵習俗

名称: 大分の鏝絵習俗
ふりがな おおいたのこてえしゅうぞく「
種別1: 風俗習慣
保護団体名:
選択年月日 1996.11.28(平成8.11.28)
都道府県(列記): 大分県
市区町村(列記):
代表都道府県 大分県
備考
解説文: 鏝絵とは、左官漆喰用いて土蔵母屋大壁妻壁戸袋等につくったレリーフ状の絵画である。漆喰顔料混ぜる練り込み技法用いて色づけされているため、永年風雨さらされてきたわりには、赤・青・緑黄・茶・黒などの彩色がよく残っている。
 現在、大分県では六〇〇点を超す鏝絵確認されており、現存する大分県最古鏝絵は、元治元年一八六四)の「帆掛け船」であるが、明治二十年から三十年代ピークに現在もなお鏝絵製作されている。鏝絵を製作できる左官も、現在も少数ながら数名活躍している。
 大分県鏝絵画題は、神仙動物・植物縁起物説話登場人物などがあり、他の地方では見られないほど多様である。
 神仙などには、恵比須神抱き恵比須・鯛廻し恵比須・亀乗り恵比須算盤そろばん】を持つ恵比須寿老人散髪する恵比須大福帳恵比須・踊る恵比須宝船乗る恵比須)、俵乗り大黒神、龍(雲龍飛龍登り龍)、猩々しようじよう】、天狗お多福南極老人(飛鶴仙人)、月を支える裸童子布袋様などがある。動物では、竹林の虎、唐獅子牡丹波兎【なみうさぎ】、鹿、、ねずみ、夫婦蝙蝠こうもり】、鶴亀、月と蝦蟇【がま】、波千鳥滝登り、ふぐなどがあり、植物では、葡萄【ぶどう】、朝顔松竹梅蓮華、瓜、菖蒲【しようぶ】などがある。縁起物には、富士山一富士二鷹三茄子三階松宝袋宝珠の鍵、打ち出の小槌扇子末広)、傘、帆掛け船宝舟などがある。説話などの登場人物には、五条大橋義経弁慶熊谷直実平敦盛加藤清正虎退治浦島太郎などがある。
 これらの画題には、それぞれ特有のまじないの意味がある。たとえば、夫婦夫婦和合象徴であるし、ねずみは大黒神の使い五穀豊穣約束する動物である。波兎浜千鳥などのにかかわる動物は、防火などを意味する滝登り登竜門あらわし出世祈願を示すものであるし、朝顔葡萄などの類は、広く拡がることから子孫繁栄の意味をもつ。
 大分県鏝絵は、招福僻邪を目的として家屋施されまじない一種であり、画題信仰内容多様さに地域的特色がよく出ている。しかし、生活様式変化にともない鏝絵消滅の危機瀕しており、鏝絵早急な記録作成望まれるのである



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