城山籠城戦とは? わかりやすく解説

城山籠城戦

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/14 19:11 UTC 版)

西南戦争」の記事における「城山籠城戦」の解説

詳細は「城山の戦い」を参照 9月1日鹿児島入りすると、辺見私学校守っていた200名の征討軍を奇襲し私学校占領し、突囲軍の主力城山中心に布陣した。このとき、鹿児島情勢大きく西郷達に傾いており、住民協力していたことから、西郷達は鹿児島市街をほぼ制圧し征討軍は米倉本営を守るだけとなった。しかし、9月3日には征討軍が形勢逆転し城山周辺薩軍前方部隊を駆逐した反撃出た西郷達は9月4日、貴島率い決死隊米倉急襲したが、急遽米倉駆けつけ三好少将率い第2旅団阻まれ、貴島以下決死隊一掃された。こうして征討軍は6日城山包囲態勢完成させた。この時、薩軍350余名(卒を含めると370余名となっていたので、編制小隊各隊20名から30名)に改めた上で以下のように諸隊部署した。 狙撃隊 - 小隊長蒲生彦四郎西郷警護 城山方面 - 小隊長藤井直次郎 岩崎本道方面 - 小隊長河野主一郎 私学校角矢倉方面 - 小隊長佐藤三二 県庁二ノ丸照国神社方面小隊長山野田輔 大手・本田屋敷方面 - 小隊長高城七之丞・副小隊長堀新次上の平・広谷三間松方面 - 小隊長河野四郎左衛門 新照院・夏陰下方面 - 小隊長中島健夏陰 - 小隊長岩切次郎 後廻 - 小隊長園田武一 後廻・城山間 - 小隊長市来矢之助 官軍参軍山縣有朋中将鹿児島到着した9月8日可愛岳二の舞ならないよう、「包囲防守第一として攻撃第二とする」という策を立てたこの頃征討軍の配備は以下のようになっていた。 丸岡浄光明寺上の原 - 第2旅団三好重臣少将本営鶴見崎高麗橋谷山道・海岸沿・西田橋 - 第3旅団三浦梧楼少将本営騎射場多賀山・鳥越坂桂山 - 第4旅団曽我祐準少将本営韃靼冬冬) 甲突川西田橋朽木馬場 - 別働第1旅団高島鞆之助少将本営原良下伊敷 - 別働第2旅団山田顕義少将本営上伊敷米倉方面 - 警視隊本営米倉西南戦争最終局面入った9月19日薩軍では一部将士相談の下、山野田河野主一郎西郷救命のためであることを西郷桐野隠し挙兵の意を説くためと称して軍使となって西郷縁戚でもある参軍川村純義海軍中将元に出向き捕らえられた。22日西郷は「城山決死」を出し決死の意を告知した。 今般河野主一郎山野田一輔の両士を敵陣に遣はし候儀、全く味方決死知らしめ、且つ義挙趣意を以て大義名分貫徹し法庭に於て斃れ候賦(つもり)に候間、一統安堵致し、此城をにして決戦可致候に付、今一奮発し後世恥辱を残さざる様、覚悟肝要に可有之候也。 翌23日軍使山野田一輔が持ち帰った参軍川村純義からの降伏勧め無視し参軍山縣からの西郷宛の自決勧める書状にも西郷返事をしなかった。 9月24日午前4時征討軍の砲台からの3発の砲声合図征討軍の総攻撃始まった。このとき西郷桐野桂久武村田新八池上別府晋介辺見十郎太将士40余名西郷が籠もっていた洞窟前に整列し岩崎口に進撃した進撃に際して国分寿介・小倉九郎が剣に伏して自刃した。途中桂久武被弾して斃れると、弾丸斃れる者が続き島津吉久能邸門前西郷も股と腹に被弾した。西郷は、負傷して駕籠乗っていた別府晋介顧みて「晋どん、晋どん、もう、ここでよかろうと言い将士跪いて見守る中、跪座し襟を正し遙かに東方拝礼した。遙拝終わり切腹用意が整うと、別府は「ごめんなったもんし(お許しください)」と叫ぶや、西郷介錯した。その後別府晋介その場切腹した。 西郷切腹見守っていた桐野村田新八池上辺見山野田岩本平八郎らは再び岩崎口に突撃し敵弾に斃れ、自刃し、あるいは私学校近く一塁に籠もって戦死した午前9時頃、銃声止んだ戦死を肯んぜず、挙兵の意を法廷主張すべきと考えていた別府九郎野村忍介佐藤三二神宮司左衛門らは熊本鎮台部隊に、坂田諸潔は第4旅団部隊それぞれ降伏した。ただ降伏戦死もしないと口にしていた中島だけは今以て行方知れない(「鹿児島籠城記」には岩崎谷で戦死したという目撃談残っている)。 史跡として西郷洞窟は二窟現存するが、実際11窟あった。残りの9窟は、1974年まで自然のまま放置され続けていたため崩落などで消滅してしまっている。西郷はじめとする上級指揮官一人一窟与えられたが、その他は4、5人が一窟に押し込められていた。残っている洞窟実際に西郷居住していたという記録存在しない

※この「城山籠城戦」の解説は、「西南戦争」の解説の一部です。
「城山籠城戦」を含む「西南戦争」の記事については、「西南戦争」の概要を参照ください。

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