琴線に触れる
「琴線に触れる」とは、感銘を受ける・心に響く・共鳴することを意味する表現である。
「琴線に触れる」とは・「琴線に触れる」の意味
「琴線に触れる」とは、感銘を受ける・感動する・心が震える・心に響く・共鳴することを意味する表現である。素晴らしい映画や小説、絵画、音楽などの芸術作品に触れたとき、感動的なエピソードを見聞きした際などに用いる言葉だ。具体的には、芸術作品などを見て心の深い部分を刺激され、感動を覚えると共に自然と涙が流れるという状態である。「琴線に触れる」とは、基本的に良いものや素晴らしいものに対して使うポジティブな言葉で、怒りや悲しみなどネガティブな感情に対しては用いない。しかし、2007年に文化庁が実施した世論調査では、「琴線に触れる」という言葉に対して誤った認識をしている人が多いことが分かった。具体的な調査結果は、感動や共鳴を与えるという意味で使う人は37.8%、怒りを買ってしまうことという意味で使う人は35.6%、使い方が分からない人は24.6%であった。
「琴線に触れる」を誤用する原因は、相手を激怒させるという意味がある言葉「逆鱗に触れる」と似ているためといわれている。「逆鱗に触れる」はビジネスシーンや日常会話など、様々な場面で使われることが多い。多くの人が聞き慣れている言葉であるため、「琴線に触れる」と同様の意味があると捉えている人が多いと推測されている。
「逆鱗に触れる」という言葉は、中国戦国時代の著書『韓非子』が語源だ。竜の顎にある逆向きに生えた鱗を触ると、竜が激しく怒り必ず殺されるというという言い伝えから生まれた。
「琴線に触れる」の対義語には、「気分を害する」、「憤慨する」、「激昂する」などが挙げられる。「琴線に触れる」を英語で表現すると、「touch the heartstrings.」だ。
「琴線に触れる」の類義語は、「胸がときめく」、「胸を打つ」、「しみじみと感じる」、「心を動かされる」、「目頭が熱くなる」、「熱いものがこみ上げる」などがある。ちなみに、若者言葉である「エモい」も類義語の一つだ。
「琴線に触れる」の読み方
「琴線に触れる」の読み方は「きんせんにふれる」である。「琴」を「こと」と訓読みし、「ことせんにふれる」と読むのは間違いだ。「琴線に触れる」の語源・由来
「琴線に触れる」は、中国故事が語源である。具体的には、中国戦国時代の書物『列子』にある「琴の音色を聴いている耳は、まるで私の心の中のようである」というという一節から生まれた。つまり、素晴らしい琴の音色を聴くと、自然に心の奥深くで反応・感動するということである。「琴線に触れる」の熟語・言い回し
「琴線に触れる」の熟語・言い回しは、心の琴線に触れるである。その他には、琴線に触れる歌声・琴線に触れる作品なども挙げられる。心の琴線に触れるとは
心の琴線に触れるとは、心の奥を揺り動かすような感銘・感動を受けるという意味がある。具体的には、「心の琴線に触れる音色に癒された」、「心の琴線に触れる楽曲を制作したい」、「恩師の温かい言葉が心の琴線に触れる」などが挙げられる。
「琴線に触れる」の使い方・例文
「琴線に触れる」の使い方・例文は、「真摯な思いで伝えた言葉は、きっと彼の琴線に触れるだろう」、「琴線に触れる楽曲に出会い、私の人生は大きく変わった」、「今日見た絵画は琴線に触れる名作で、見ているだけで自然に涙が流れた」、「オーディエンスの琴線に触れることが今回のコンサートの目的だ」、「困難に立ち向かうドキュメンタリー番組は、いつも私の琴線に触れる」などがある。その他には、「素晴らしい芸術作品は、心を閉ざしている人の琴線に触れる可能性がある」、「琴線に触れる作品との出会いは、人生の貴重な財産である」、「彼が話す優しい言葉の一つひとつが私の琴線に触れる」、「私の心の琴線に触れるのは、いつも純粋で穢れがない作品だけだ」、「心の琴線とは、誰もが持っている美しく気高い感情のことだ」なども挙げられる。
琴線に触れる
琴線(きんせん)に触(ふ)・れる
「琴線に触れる」の例文・使い方・用例・文例
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