問題の原因
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/26 06:54 UTC 版)
第一段の共振の原因は判明しており、ロケットには再調整が必要であると考えられた。燃料と酸化剤のポンプや供給ラインの空洞は、圧力調整装置から供給されるヘリウムガスで満たされているが、振動を減衰させるために圧力が下げられた。 二段目ロケットのエンジン不調の原因は、燃焼室に燃料を供給するパイプの破断であることが突き止められた。J-2 エンジンの燃焼室とは、本質的には膨張室(ノズル)の隔壁の上に設置された繊細な構造物であり、細く、複雑に入り組んだパイプによって液体酸素と液体水素が供給されている(略図参照)。今回の飛行では3番エンジンが燃焼している時、その振動によって液体水素のパイプが破壊され、その結果、燃焼室には酸素だけが供給されることとなった。通常、J-2 エンジンは燃焼室温度を下げるために液体水素を供給過多にしているが、水素が遮断され酸素が充満したことによって燃焼室内の温度が局所的に上昇し、ついには破壊につながったのである。 圧力の突然の低下は自動操縦装置に検知され、直ちに燃焼停止の指令が送られたが、不幸なことに3番エンジンに指令を送る配線は、2番エンジンと共通のものが使われていた。そのため圧力センサーは2番エンジンに停止の指令を送ると、直ちに3番エンジンにも同じ信号を送ったのである。 燃焼室の問題は、地上試験では発見することは困難であった。なぜなら、地上では燃料パイプの中を流れる極低温の液体水素によって空気中の水蒸気が凝結し、パイプを保護するステンレスの網が氷で覆われてしまうからである。振動の問題は、故障が発生した箇所のステンレスのパイプを交換することで、次回の飛行では明白に改善された。なお、第三段S-IVB は第二段と同様J-2エンジンを使用しているので、同じ原因で再点火しなかったのであろうと結論づけられた。 宇宙船とロケットの接続部分の問題は、ハニカム構造が原因であった。ロケットが大気圏内で加速している時、月着陸船の格納室は大気圧が下がることによって膨張しようとする。これが破壊の原因となり得ることが判明したため、次回の飛行からは格納室には減圧用の小窓を開けることが決定された。 アポロ6号で発生した諸問題は、有人飛行であれば飛行士を緊急脱出させる事態になり得るほどのものであったが、そこから得られたデータは計り知れないほど貴重なものであった。事実、この後に発射された11基のサターンV は、深刻な事故を起こすことは一度もなかったのである。
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問題の原因
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/21 02:55 UTC 版)
かねてから日弁連など一部の団体は「営利目的の検査機関」が公正中立ではありえないとして法改正を批判していたが、A建築士が構造計算書を偽装し建築確認申請をした申請先である民間機関のイーホームズ、日本ERIはともに国土交通省が認定した構造計算システムの不備により簡単に偽装できることが原因であると反論している。 現在[いつ?]、国土交通省のウェブサイトには「A元一級建築士による構造計算書の偽装があった物件等」が公開されているが、一覧表を建築確認申請日順で並べ替えてみると最初の偽装物件である1997年5月の物件から、2001年8月までは民間審査の物件は全くない。 また、イーホームズに対して最初に確認申請された2002年9月はちょうど日本ERIが営業停止だった時期と重なる。 この発表に対し、藤田東吾は自らのmixi上で、「この問題の制度上の原因は、「『建築物の確認検査制度』にあるのではなく、『構造計算プログラムの大臣認定制度』。偽装(改ざん)可能なプログラムを十分に検証せず認定してしまった国交省(旧建設省)と(財)日本建築センターに責任がある。 そして、この大臣認定制度の不備を悪用した構造設計士が偽装を行なったのが原因である」と述べた。
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