問題の定式化について
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/16 01:05 UTC 版)
「多項式の因数分解」の記事における「問題の定式化について」の解説
整係数あるいは体上の多項式環はUFDである。その意味するところは、これら環の任意の元が定数と既約多項式(定数でない二つの多項式の積に書くことのできない多項式)の積になっているということ、さらにはその分解が可逆な定数を掛ける違いを除いて一意となることである。 この因数分解は係数体の種類に依存する。例えば、代数学の基本定理(複素係数の任意の多項式が複素根を持つこと)から、任意の整係数多項式を複素数体 ℂ 上の一次因子の積に完全に分解することができることが従う。同様に、実数体 ℝ 上では既約因子の次数は高々 2 であり、対して有理数体 ℚ 上では任意の次数の既約多項式が存在する。 多項式の因数分解問題は、そのすべての元を計算機で表現できる計算可能数体 (computable field) を係数とし、算術的演算を用いたアルゴリズムが存在する場合にのみ意味をなす。(Fröhlich & Shepherson 1955) はそのような体で因数分解アルゴリズムの無いようなものの例を与えている。 因数分解アルゴリズムの知られている係数体として、素体(有理数体または素数位数の有限体)およびそれらの有限生成拡大体がある。整係数の場合も扱い易い。クロネッカーの古典的手法は歴史的観点からのみ意義がある。現代的手法は、 無平方分解 (square-free factorization) 有限体上の分解 (factorization over finite fields) および 多変数多項式から一変数の場合への還元 純超越拡大体(英語版)係数から基礎体上多変数の場合への還元(後述) 代数拡大体係数から基礎体係数への還元(後述) 有理係数から整係数への還元(後述) 整係数から(うまく選んだ素数 p に対する)p-元体係数への還元(後述) などを組み合わせる形で進められる。
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