多変数多項式とは? わかりやすく解説

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多変数多項式

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/11/04 16:50 UTC 版)

代数学における適当な単位的可換環 A に係数を持つ多変数多項式(たへんすうたこうしき、: multi­variable polynomial; multi­variate polynomial, : polynôme en plusieurs indéterminées, 多元多項式)は、不定元 X に関する一変数多項式環 A[X] を一般化する A-結合多元環の元を言う。有限個の不定元に関する多項式環 A[X1, …, Xn]n に関して帰納的に構成できる。すなわち、この多項式環は、一つの不定元 Xn の多項式環 A[X1, …, Xn–1] に係数を持つ多項式全体の成す環である。任意の添字集合 I(無限集合でもよい)で添字付けられた任意個数の不定元 Xi (iI) に関する多項式環 A[(Xi)iI] は、I の任意の有限部分集合 J に対する多項式環 A[(Xi)iJ] を亙る「合併」として定義される。より精確には、I が有限でも無限でも、A[(Xi)iI]モノイド環として定義できる。それはつまり、モニック単項式(つまり有限個の不定元 Xi からなる冪積)全体の成すモノイドを考え、それら単項式の A-係数の形式線型結合として多項式は定義されるということである。

以下本項では、A は単位的可換環とし、A-多元環は結合的かつ単位的な多元環を意味するものとする。

帰納的構成

有限変数の帰納的構成

n 変数の A-係数多項式環 A[X1, …, Xn]n に関して帰納的に定義される[注釈 1] :

  • 0 個の不定元に関する A-係数多項式環とは、単に A それ自身のこととする。
  • n > 1 に対し、A[X1, …, Xn] は、係数環 B がひとつ前のステップで構成済みの多項式環 A[X1, …, Xn–1] となっている多項式環 B[Xn] である。

定義により、(帰納的に)直ちにわかることは A[X1, …, Xn]

  • 可換環であり、整域となるための必要十分条件は A がそうであることである。
  • A部分環として含み、したがって A-多元環となる。
  • A-加群として自由であり、その標準基底は単項式 X k1
    1
     
    X kn
    n
     
    (各 ki非負整数)の全体で与えられる。

上記の帰納的定義をより具体的に書けば、A[X1, …, Xn] の元は

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