多項式の展開
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/10/22 08:14 UTC 版)
数学において多項式の展開(たこうしきのてんかい、英: polynomial expansion)とは、複数の多項式の積を一つの多項式で表すことをいう。これは因数分解と逆の操作である。式の見た目として括弧がなくなるため、展開することを俗に「括弧を外す」ということもある。因数分解には統一的な方法論が無いのに対し、展開は分配法則を用いて機械的に行うことができる。この法則は、級数に対するものに自然に拡張される。
概要
分配法則
- a(b + c) = ab + ac
を用いることで、多項式の積を一つの多項式で表すことが可能。まず、帰納法により、第二因子が n 個の項の和である場合の分配法則を得る。
- a(b1 + ⋯ + bn) = ab1 + ⋯ + abn
第一因子も複数の項の和である場合、すなわち
- (a1 + ⋯ + am)(b1 + ⋯ + bn)
については、次のように計算される。
- 第一因子を A とおくと、A(b1 + ⋯ + bn) となる
- 分配法則により、これは Ab1 + ⋯ + Abn に等しい
- この式の第 i 項は (a1 + ⋯ + am)bi であり、再び分配法則を用いると、これは a1bi + ⋯ + ambi に等しい
- よって、全体は (a1b1 + ⋯ + amb1) + ⋯ + (a1bn + ⋯ + ambn) に等しい
この結果を記号 ∑
を用いて書くならば
多項式の展開と同じ種類の言葉
- 多項式の展開のページへのリンク