后土とは? わかりやすく解説

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こう‐ど【后土】

読み方:こうど

土地の神また、土地。「皇天—」


こうど 【后土】

→ 后

后土

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/10 15:52 UTC 版)

后土
承天効法厚徳光大后土皇地祇
各種表記
拼音 Hòutǔ
日本語読み: こうど
英文 Houtu
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后土(こうど)は、四御の唯一の女神であり、中国道教の最高位の全ての土地を主宰する地母神。大地山川・陰陽と生育を司る墓所の守り神であり、主に女性や死は陰と位置づけられる事から、墓所の神は女神となった。城隍神土地爺と共に土地の守護神の一種に位置づけられていた。

概要

道教の神

大地を司る女性神で、古代の土地崇拝と関係があり、民間では俗に「后土娘娘」と呼ばれる[1]真宗大中祥符5年(1012年)7月23日には后土が「后土皇地祇」に[2]、その後の仁宗には「承天効法厚徳光大后土皇地祇」に封じられた[3]。『玉匣記』によると后土娘娘の誕辰は陰暦三月十八日と記載されている[3][4]

三清(玉清元始天尊、上清霊宝天尊、太清道徳天尊)を補佐する四御の一柱で玉皇大帝紫微大帝天皇大帝に次ぐ四番目の天帝として位付けられている[5]。「天公地母」、「天神地祇」や「皇天后土」という言葉があり[6]、天界は玉皇大天尊、地界は后土皇地祇が主である[7]。土地の神の中では唯一、女神とされているが、これは中国の自然哲学「陰陽五行説」の考えに基づき、男女と生死はそれぞれ陽と陰に分けられるとされている。

本来は男神であったが、後に地母神のイメージと混同されて女神と思われるようになった[8]。なお、「后」の字には王妃の他に男性の君主・帝王[3]という意味もある。また道教では天を陽、地を陰、男性を陽、女性を陰とみる陰陽説的な見方から、天神を男神、地祇を女神と考えるようになった[9]

五行の神

五行思想それぞれに神を配し五行を司る神(五佐)であり、木の神は句芒・火の神は祝融・土の神は后土・金の神は蓐収・水の神は玄冥。方位を東西南北中央に分けるが、中央は土に通じるので、土の神でもあり、その帝は黄帝、その佐は后土、その獣は黄竜[10]。遥か昔に神農の後裔・黄帝を補佐したとされる。

脚注

  1. ^ 瀧本弘之 編著『中国歴史人物大図典』 神話・伝説編、遊子館、2005年1月、156頁。ISBN 4-946525-59-9 
  2. ^ 福井康順山崎宏木村英一酒井忠夫『道教』 第1巻(道教とはなにか)、平河出版社、1983年2月、[要ページ番号]頁。NDLJP:12278964 
  3. ^ a b c 澤田瑞穂『中国の民間信仰』工作舎、1982年7月、44頁。NDLJP:12267143 
  4. ^ 窪徳忠『中国文化と南島』(新訂版)第一書房〈南島文化叢書 1〉、1981年11月、311頁。NDLJP:9773893 
  5. ^ 福井文雅山田利明、前田繁樹『道教と中国思想』雄山閣出版〈講座道教 4〉、2000年、249頁。 ISBN 4-639-01694-8 
  6. ^ 沖野岩三郎『日本神社考 日本宗教史の読み方』恒星社、1937年、179頁。NDLJP:1222409/93 
  7. ^ 内田吟風博士頌寿記念会 編『東洋史論集 内田吟風博士頌寿記念』同朋舎、1978年8月、[要ページ番号]頁。NDLJP:12170913 
  8. ^ 二階堂善弘『中国の神さま 神仙人気者列伝』平凡社〈平凡社新書〉、2002年3月、[要ページ番号]頁。 ISBN 4-582-85130-4 
  9. ^ 窪徳忠『道教の神々』平河出版社、1986年1月、[要ページ番号]頁。NDLJP:12279580 
  10. ^ 『岩波講座・東洋思想』 第十三巻(中国宗教思想 1)、岩波書店、1990年4月、19頁。 ISBN 4-00-010333-4 

参考文献

関連項目


后土 (こうど)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/10 02:22 UTC 版)

紅き大魚の伝説」の記事における「后土 (こうど)」の解説

本作登場する中国神話地母神

※この「后土 (こうど)」の解説は、「紅き大魚の伝説」の解説の一部です。
「后土 (こうど)」を含む「紅き大魚の伝説」の記事については、「紅き大魚の伝説」の概要を参照ください。

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