各国メディアなどの反応
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「トヨタ自動車の大規模リコール (2009年-2010年)」の記事における「各国メディアなどの反応」の解説
韓国 北米のトヨタリコールは、韓国でも大々的に報じられ、2010年2月3日、中央日報は、ホンダによる65万台リコール、三菱自動車による2000年のリコール隠し(「イメージが悪化した三菱自動車は昨年末から仏プジョー・シトロエン(PSA)に経営権を移管する交渉を行っている」と報道)、また、 2010年1月26日にシャープによる冷蔵庫97万台のリコール、ソニーが2006年10月にノートブックのバッテリーを同社史上初のリコールなどについて言及したうえで「 欠陥を認めようとしない過信が、大量リコールの背景になっている」「世界最高の技術というプライドが消費者の不満を無視する原因になった」「日本企業は修理要請に対する反応も遅い」「官僚的手続きのためでもあるが、製品の欠陥を消費者の過失と見なす」などと日本企業の態度を批判した。 カナダ 2010年2月5日、カナダのフィナンシャル・ポスト(英語版)は『トヨタ戦争』と題した記事で、「トヨタは犠牲者だ」と、トヨタを擁護し、トヨタのリコール騒動は、米国の利益にかなったもので、「前もって計算された行動のようにみえる」と指摘した。また同誌は、1980年代に、ドイツのアウディ車が、急加速すると攻撃されて販売が急減した事件について言及した。アウディの騒動の時にも、運転による人為的ミスであった。 中国 トヨタ問題は中国でも大きく報道され、2010年2月5日、経済参考報道(中国語版)は「コストダウンに固執した結果、品質まで傷つけてしまった。コストダウンは悪いことではないが、品質とのバランスは保たれなければいけない」と報じた。 日本 日本のマスメディアは会見を批判する報道をしている。日本経済新聞は「謝罪の言葉だけではすまない」とし、「すでに売ったすべての新型プリウスの改修を徹底するのが筋ではないか」(朝日新聞)、「ハイテク装備を過信し、利用者の声を軽視していた面は否めまい」(読売新聞)、などと報じた。一方で「それよりもGMの問題を解決すべき」、「日本のメディアもしつこい」といった声も上がった。 なお、東京都の石原慎太郎都知事は、アメリカでの“トヨタ叩き”に対して「アメリカの嫉妬ではないか」と騒ぎを批判した。 日本共産党は2010年3月7日、草加市で2001年の初代プリウスがハンドルが動かないという現象を3度体験したといわれ、トヨタはこっそり修理をしたと報道した。 州知事らの動向 一方、トヨタ自動車の生産工場があるケンタッキー、インディアナ、アラバマの3州と、工場の建設予定地となっているミシシッピ州の各州知事らは、2010年2月、トヨタ騒動に対して「あまりにも不公平である。トヨタは米国で17万2,000人もの雇用を生み出している。米国で最も称賛されるべき企業の一つだ」という声明を発表し、トヨタ・バッシングを批判し、トヨタ騒動に関する公聴会を開く連邦議会下院の2委員会あてに4州の知事は連名で書簡を送り、公平な議論を行うよう求めた。 この他、トヨタ自動車が米国で雇用を生み出して地域経済の活性化に貢献していること、破綻したGMの株を持つ米政府の意向(国策)説、またオバマ政権批判をかわすためのスケープゴートなどが背景で、トヨタ・バッシングと訴訟が行われているとも報じられ、トヨタの擁護に回るメディアも現れた。 また、自動車コンサルタントのマリアン・ケラーは、1970年代に「GMやフォードが技術的な欠陥車を出しながら、それを認めず、ドライバーの非難に終始した」ことを振り返り、「そのような姿勢がアメリカの車のブランドを殺し、トヨタなどの日本車に入り込む隙を与えた」としたうえで、トヨタも同じ道を辿りうること、アメリカや韓国の車の質は向上し、他のメーカーに乗り換えることは十分にあると語っている。
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