古賀廉造とは? わかりやすく解説

古賀廉造

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/01 15:05 UTC 版)

古賀廉造

古賀 廉造(こが れんぞう、1858年3月1日安政5年1月16日) - 1942年昭和17年)10月11日)は、日本裁判官検察官刑法学者大審院検事判事法学博士法典調査会刑法起草委員。貴族院勅選議員原敬に引き立てられ出世したが、阿片密売の罪で失脚した。相場も好きで、金山購入で大損害も出した[1]

生涯

佐賀県士族古賀源吾の長男として、1858年(安政5年)1月1日出生。1874年(明治7年)、佐賀の乱で蜂起。内務卿大久保利通と通じていた裁判担当の河野敏鎌権大判事は殆ど裁判もせず江藤新平ら11名を首謀者として死刑にするが、古賀は処分を逃れる。1885年に家督を相続。翌年、司法省法学校を卒業し、法学博士となる。東京地方裁判所同控訴院、大審院で検事、判事を勤めたのち、警保局長。1889年、ドイツ・フランスに派遣。1901年から1902年、帝国議会刑法改正委員会に司法省民刑局長倉富勇三郎石渡敏一とともに政府委員として随行し現行の日本の刑法(明治40年4月24日法律第45号)の成立に深く関わる。1906年の質屋取締法改正には反対演説をし、他新聞紙条例改正、1908年の未成年者飲酒禁止法改正の各委員会に内務省警保局長として関わる。長男が日本郵船の社長白仁武の娘與代と結婚。

1912年(大正元年)、貴族院議員に勅撰。警保局長在任中の1913年、中華民国紙幣偽造事件に連座して有罪判決を受けるが、翌年、控訴院で逆転無罪となり、その後も1914年の阿片法改正、1918年の家禄賞典禄処分に関する法律の設置に関わる。

1918年には拓殖局長官に就任し、朝鮮平元鉄道急設に関する建議案を主導した。しかしながら翌年、大連で発覚した阿片密輸事件を首謀していたことが判明し、帝国議会にても糾弾を受ける。1920年には南満州鉄道株式会社の株式引受に関する法律案特別委員会に出席するなどしていたが、1923年、阿片密輸事件での有罪(執行猶予3年)が確定し、1月23日の貴族院本会議を病欠して以後は失脚した。

事業家としては大日本著作権代表取締役、日本重工業取締役、古賀銀行の在外会社(「外数会社」)の重役を歴任。1942年(昭和17年)10月11日死去。

経歴

栄典

位階
勲章等

著書

親族

  • 古賀源吾 - 佐賀県士族[12]
  • 石田チカ - 佐賀県石田五左衛門の長女。源吾の妻。
    • 古賀廉造
    • 伊地知ミト - 妻。京都府士族で多額納税者の伊地知光朗(京都電燈会)の叔母。
      • 古賀邦夫 - 長男。日本大学工学部講師。
      • 白仁與代 - 日本郵船社長の白仁武の長女。邦夫の妻。
        • 古賀千恵 - 長女。
        • 古賀泰夫 - 長男。
          • 古賀千嘉 - 泰夫の二女。
        • 古賀千穂 - 二女。
        • 臼杵善三郎 - 千穂の夫。兵庫県
        • 古賀喜久子 - 泰夫の三女。宮内震志の養女となる。ツルとも。
        • 宮内憲志 - 喜久子の夫。東京府士族。鹿児島県とも。
        • 古賀輝夫 - 泰夫の二男。福岡県桜井正実の養子となり家督を相続。
        • 古賀隆夫 - 泰夫の三男、分家。
        • 古賀龍夫 - 泰夫の四男、分家。

脚注

  1. ^ 『奇物凡物』 鵜崎鷺城 著 (隆文館図書, 1915)
  2. ^ 法政大学百年史編纂委員会 『法政大学百年史』 法政大学、1980年、188-189頁
  3. ^ 『官報』第106号、大正元年12月6日。
  4. ^ 大正12年12月12日第47回帝国議会貴族院議事速記録第1号。
  5. ^ 『貴族院要覧(丙)』昭和21年12月増訂、貴族院事務局、1947年、31頁。
  6. ^ 官報 1924年1月24日 三一七頁
  7. ^ 『官報』第4636号「叙任及辞令」1898年12月12日。
  8. ^ 『官報』第1947号「叙任及辞令」大正8年1月31日。
  9. ^ 『官報』第5243号「叙任及辞令」1900年12月21日。
  10. ^ 『官報』第5964号「叙任及辞令」1903年5月22日。
  11. ^ 『官報』第7014号「叙任及辞令」1906年11月14日。
  12. ^ 人事興信所 1937.

参考文献

外部リンク





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