収穫とは? わかりやすく解説

収穫〈浅井 忠筆 一八九〇年/油絵 麻布〉

主名称: 収穫〈浅井 忠筆 一八九〇年/油絵 麻布
指定番号 1603
枝番 00
指定年月日 1967.06.15(昭和42.06.15)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 絵画
ト書
員数 1面
時代区分 明治
年代 1890
検索年代
解説文:  ここにあげる諸作は、明治維新以後西洋文化洗礼を受け、伝統との相剋のりこえ多様な展開をとげた近代美術代表的遺産である。
 日本画欧化主義の新状況の下で混迷続けるが、やがて岡倉天心という指導者を得、春草【しゆんそう】、観山かんざん】、大観たいかん】らによって新日本創造努力進められ新たな進路決定される下村観山一八七三一九三〇)の「弱法師」(大正四年、第二回院展)は古典探索より生み出された新技法による追及完成させた作品であり、横山大観一八六八一九二三)の「生々流転」(大正十二年、第十院展)は彼の新水墨画様式形成努力雄大な構想のうちに結実した畢生【ひつせい】の大作である。
 一方欧風美術先頭に立つ西洋画は、明治初年高橋由一ゆういち】(一八二八一八九四)によってすぐれた成果あげられ、「」(明治八年から十二年の間の作)の自然科学的観察迫真的描写には、近代出発点ともいうべき新たな造形眼の充実認められる。こうして西洋画は、社会的関心高まり明治九年工部美術学校開設をみるなど順調な出発をとげたかにみえたが、間もなく国粋主義反動があり、一時沈滞余儀なくされる
 これに抗してその発展軌道乗せたのがフォンタネージ薫育受けた浅井忠一八五六一九〇七)で、「収穫」(明治二十三年明治美術会第二回展)は光と空間表現進展をみせた彼中期傑作であり、脂派【やには】呼ばれる黄褐色主調とした作風明治中期支配的画風となったその後西洋画黒田清輝【せいき】の外光派紹介によって新たな展開遂げるが、青木繁一八八二-一九一一)はその展開の中から登場し、独自の浪漫的世界開拓した鬼才で、「海の幸」(明治三十七年白馬会第九回展)の大胆な構想と力強い表現技法には、彼のはげしい感情高鳴り感じられ当時浪漫的風潮これほど純粋かつ雄々しく表現した作品は他に求めがたい。
 彫刻洋画比べ近代化速度はやや遅いが、ロダン彫刻のよき後継者であった荻原守衛おぎわらもりえ】(一八九-一九一〇)によって近代彫刻真髓示され新局面迎えた「女」彼の最後作品で、肉体量感動勢確実な把握中に堂々とした彫塑性と豊かな浪漫的感情示されている。
 これらの作品わが国近代美術流れの中で、すでに指定されている芳崖【ほうがい】、雅邦【がほう】、春草の諸作とともにつとに古典的評価得ている作品である。




品詞の分類

このページでは「国指定文化財等データベース」から収穫を検索した結果を表示しています。
Weblioに収録されているすべての辞書から収穫を検索する場合は、下記のリンクをクリックしてください。
 全ての辞書から収穫を検索

英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

「収穫」に関係したコラム

  • 株式相場のアノマリー

    株式相場のアノマリーとは、日本の経済や景気、企業の業績などとは関係なく起きる、理屈の上では説明のつかない株価の変動のことです。次は株式相場のアノマリーの一例です。▼1月の株高正月休みを終えて再び機関投...

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「収穫」の関連用語

収穫のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



収穫のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
文化庁文化庁
Copyright (c) 1997-2024 The Agency for Cultural Affairs, All Rights Reserved.

©2024 GRAS Group, Inc.RSS