原料工程とは? わかりやすく解説

原料工程

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/02/14 01:25 UTC 版)

白色ポルトランドセメント」の記事における「原料工程」の解説

普通のポルトランドセメント特徴的な、緑がかった灰色茶色は、セメント原料中の遷移元素原因生じる。着色効果大きい順に、クロムマンガンバナジウムニッケルチタン挙げられる白色ポルトランドセメント作るためには、セメント含まれるこれらの量を可能な限り少なくせねばならないクリンカー段階において、Cr2O3は0.003%以下、Mn2O3は0.03%以下、Fe2O3は0.35%以下に留めることが必要である。これら以外の元素それほど問題にならない通常のセメント製造使用される原料クロムマンガン少なからず含んでいる。例えば、通常のセメント製造使用される石灰石は0.3から1%ほどのFe2O3含んでいるが、白色ポルトランドセメント製造に必要とされるのは、含有量0.1%以下の石灰石である。通常のセメント製造使用される典型的な粘土は5から15%ものFe2O3含んでいるが、0.5%以下が望ましい。そのため、粘土代わりにカオリンあるいは凝灰岩等が多く使用されるカオリンにはSiO2少なく、そのため多量の砂が混ぜられる自然界においてマンガン同じよう存在していることが多く鉄分少な原料探せばマンガン含有量少ないことが期待できる一方でクロムは、原料混合過程ステンレスクロム含まれている)製粉砕機の磨耗によって混入する可能性がある。しかも原料に砂が多くなっている分、粉砕機磨耗促進されてしまう。砂は直径45μm以下に粉砕する必要があるが、この問題解決するためにしばしばセラミック陶器製の粉砕機使って砂だけを別個に粉砕する方法取られる

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原料工程

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/09 05:23 UTC 版)

ポルトランドセメント」の記事における「原料工程」の解説

クリンカーの主原料は、石灰石粘土珪石鉄原料である。これらを乾燥し焼成後に目的化学成分クリンカー得られるよう混合粉砕するのが原料工程である。 通常乾燥必要なのは粘土限定され、他の原料ドライヤー通過しないドライヤー後段粘土以外の原料所定割合合流し原料ミルに入る。原料ミルボールミル)で混合粉砕され原料はブレンディングサイロに入る。ブレンディングサイロは複数あり、異な時間帯調合した原料を仮貯蔵する最後に、これらの異な時間帯調合した原料どうしを再度混合して化学組成最終的な調合行い、ストレージサイロに貯蔵する。 主要原料クリンカー主要成分高濃度含有しているのに対しクリンカー主要成分濃度は主要原料それよりも低い。つまり、セメント工業原料適度に混合し純度下げる」プロセスである。この点は、石油化学工業金属製錬工業など多く化学工業が「純度上げる」プロセスであるのとは対照的である。 原料化学成分管理には、「モジュラス」と呼ばれる通常三つ1組指標使用する製造しようとするセメント品種物性)および生産性考慮して目標モジュラス設定し、これを維持するよう原料化学成分管理するモジュラスはセメントメーカーによっては「(化学係数値」、「諸率」などとも呼ばれるモジュラス3つ1組となって運用されているのは、主要原料4つであるからである。モジュラス3つの条件と「焼成後の質量合計で1トンとなる」ことを条件とすれば四元連立方程式の解として原料原単位決定できる日本セメント工場では水硬率 (Hydraulic ModuleHM=CaO/(SiO2+Al2O3+Fe2O3)、単位mass%(以下同じ))、ケイ酸率 (Silica ModuleSM=SiO2/(Al2O3+Fe2O3)) および率 (Iron ModuleIM=Al2O3/Fe2O3) が主に用いられている。 水硬率HMモジュラスの中で最も重視される指標である。HM大きいほどクリンカー中の酸化カルシウム量およびエーライト量が多くなる。そのため強度発現性は高まるが、一方で焼成反応性低下するクリンカー焼成反応性低下する燃料原単位増大し製造コスト増大につながる。また、クリンカー中にはフリーライムが未反応のまま残存するうになる現在の日本国内の普通セメントクリンカーHM2.0 - 2.2である。 ケイ酸SM大きいと焼成円滑に進めるために必要なクリンカー融液(焼成工程の項で詳述する)の量が少なくなり、焼成温度高くなりがちである。その結果焼成設備損傷し易くなる。しかし、クリンカー中の二酸化ケイ素量が増しビーライトに富むクリンカーとなるので、低発熱性長期材齢での強さ優れたセメント製造できる一方SM小さすぎると融液量多くなるので、キルン内壁コーティング量の増加による原料閉塞(コーティングトラブル)の懸念がある現在の国内の普通セメントクリンカーSMは2.4 - 2.8である。 IM大きいと酸化アルミニウム量が増えてアルミネート量が増加するため、初期材齢での強さ発現性が高まるが、化学抵抗性の低いセメントとなる。現在の国内の普通セメントクリンカーIM1.9 - 2.1である。 石灰飽和度 (Lime Saturation Degree または Lime Saturation Factor、LSD=100CaO/(2.80SiO2+1.18Al2O3+0.65Fe2O3)) はHM代わりに用いことがある二酸化ケイ素酸化アルミニウム酸化鉄結合できる最大酸化カルシウム量を1.0とする指標である。日本国内の普通セメントクリンカーでの標準的な値は0.92 - 0.96である。LSDが1.0超える場合焼成温度高くしても焼成時間長くしてもフリーライムが残る。また、品位の低い石灰石使用するセメント工場では、酸化マグネシウム量も考慮して石灰飽和度管理することがある活動係数 (Activity IndexAI=SiO2/Al2O3) はSM同様の指標である。現在の日本国内の普通セメントクリンカーでの標準的な値は3.8 - 4.2である。 LSD以外の指標は、R.H.Bogueによる鉱物組成ポテンシャル計算考案される以前からセメント製造用いられており、現在に至っている。

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