原料(荏胡麻)仕入れ特権
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/20 15:21 UTC 版)
「大山崎油座」の記事における「原料(荏胡麻)仕入れ特権」の解説
大山崎の神人は油の主原料となる荏胡麻の買い入れに、近江・尾張・美濃・伊勢・河内・摂津・播磨・備前・阿波・伊予など、広範囲な地域に出向いた。数十駄に及ぶ隊商を組み、また「山崎胡麻船」と呼ばれる海運をも利用して西日本各地に赴いて仕入れに奔走していた形跡が見られる。上記地域の荏胡麻購入に関して大山崎は独占的・優先的権利を認められていた。東大寺領摂津国兵庫北関(現兵庫県神戸市)の文安2年(1445年)における入港状況を記録した『兵庫北関入船納帳』によれば、同年だけで山崎胡麻船が実に31回も兵庫に入港しており、その荏胡麻積載量の合計は1600石を超えるなど、大山崎神人による荏胡麻購入の規模の大きさを物語っている。 これらの荏胡麻仕入れの権利は、幕府の下知状に従う各国守護によって保障された。また各地を往復した神人たちは、荏胡麻購入に限らず、京都と諸国との遠隔地取引にも従事した。永徳3年(1383年)には大山崎に塩市場の設置が認められ、附近の広瀬(現大阪府三島郡島本町)には大文字屋などの為替商(割符屋)も存在した。
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