焼成工程とは? わかりやすく解説

焼成工程

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/02/14 01:25 UTC 版)

白色ポルトランドセメント」の記事における「焼成工程」の解説

燃料については、石炭ではなく重油又は天然ガス使用する石炭中には粘土以上に鉄分多く含まれ、これが原料中に混入して色がつくのを防ぐためである。 ロータリーキルンでの焼成には、通常のクリンカー必要な14001500よりも高い、最高温度1450~1500が必要とされる。この温度実現するためには、より多く燃料通常の2050%増し)が必要であり、また同じサイズキルンであればより少な産出量(通常より2050%減)しか期待できない鉄分含有量少ないために焼結の際に生じクリンカー融液の量が少ないからである。キルン内でクリンカー生成されるには溶媒としての融液が必要で、融液の量が少な場合変化遅くなる原料石膏フッ化物を、フッ化カルシウム氷晶石蛍石といった形で混ぜることで、これをいくらか補うことができ、また反応温度引き下げることができる。 クリンカーFe2O3含有量0.2%以上の場合(大抵はそうである)、漂白焼入れ呼ばれる二つの処理が行われる。白色ポルトランドセメント白色度は、原料さることながらこの漂白焼入れ依存する部分大きい。漂白では、キルン出口付近クリンカーに再び火を入れ酸化数を3価(Fe2O3)から2価FeO)に下げる。通常のセメント焼成では、クリンカーへの悪影響恐れてこのようなことは厳しく避けられるが、白色ポルトランドセメントクリンカーには、もともと鉄分少ないため問題とはならない続いてが再び酸化することを防ぐため、焼入れが行われる。焼入れとは、クリンカーキルンから出てから数秒以内に、クリンカー温度を1,200から600以下まで下げることを意味する温度下げるために通常クリンカー冷水につける全体としてエネルギー効率の低い白色ポルトランドセメント製造工程ではあるが、通常のセメント製造違い、この時のクリンカーの熱は再利用される。

※この「焼成工程」の解説は、「白色ポルトランドセメント」の解説の一部です。
「焼成工程」を含む「白色ポルトランドセメント」の記事については、「白色ポルトランドセメント」の概要を参照ください。


焼成工程

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/09 05:23 UTC 版)

ポルトランドセメント」の記事における「焼成工程」の解説

焼成工程では調合原料焼成しクリンカー製造する石灰石ケイ石粘土および鉄原料の混合物化学反応起こし水硬性有するクリンカー鉱物変化する。焼成工程では熱効率高めつつ焼成反応完結させるクリンカー中のフリーライム量を少なくする)ことに注意払われる原料加熱方式には、サスペンションプレヒーター (SP) 方式またはニューサスペンションプレヒーター (NSP) 方式呼ばれる2種類がある。前者では4段ないし5段のサイクロン上下連結しロータリーキルンバーナーから供給される燃焼排ガスにより原料予熱する。後者ではキルンのメインバーナーだけでなくSP最下段部にもか焼炉があり、ここで原料加熱積極的に行い石灰石脱炭酸促進する。現在、NSP方式熱効率生産性に最も優れた加熱方式である。燃料には微粉炭を使用するのが一般的である。 ストレージサイロに貯蔵され原料はプレヒーター上段より投入され、プレヒーター下段上流側)からの熱風により予熱される。各ステージ熱交換してプレヒーター下段到達する1000前後煆焼され、石灰石脱炭酸進行する次にロータリーキルンの最高温部(焼成帯)で1450上の温度焼成され、ここで原料どうしの最終的な化学反応クリンカー鉱物生成反応)が進行する。このとき、焼成物の一部が融液となり造粒が進む結果塊状クリンカーとなる。クリンカーバーナー下を通過するとクリンカークーラーに落ち直ち冷却されるクリンカーの融液はクリンカー鉱物(特にエーライト)の生成反応促進し塊状物を形成するために有用である。焼成時の融液の割合液相LP(融液量percentage Liquid Phase)で表現される適切な液相度は15 - 25%とされている。 焼成後のクリンカー急冷するのは、ビーライト常温安定相への転移を防ぐためである。ビーライトはいくつかの多形がある。高温安定α型、α'型、β型水硬性有するが、γ型水硬性持たないまた、高温型からγ型転移する際には「ダスティング」と呼ばれるクリンカーの粉化現象が生じクリンカーハンドリングが困難となる。 クリンカー焼成反応完結させるために理論的に必要なエネルギーは、原燃料およびクリンカー鉱物組成により異なるが、標準的には400 - 420Mcal/t-cli.と言われている。実際国内セメント工場における熱量原単位は750Mcal/t-cli.前後となるので、燃焼系統の廃熱原料工程での乾燥用いるなど、エネルギー効率の向上が図られている。

※この「焼成工程」の解説は、「ポルトランドセメント」の解説の一部です。
「焼成工程」を含む「ポルトランドセメント」の記事については、「ポルトランドセメント」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「焼成工程」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「焼成工程」の関連用語

焼成工程のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



焼成工程のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの白色ポルトランドセメント (改訂履歴)、ポルトランドセメント (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS